今回、しゅふJOBナビでは「資格×お仕事について」のテーマでアンケートを実施しました。
◆調査概要
・現在資格を持っている 77.2%
・資格を仕事に活かせていると感じている 31.3%
・資格を持っていると「仕事探しが楽になったと思う」40.0%
・資格を活かした仕事をしたい 54.0%
・これから取りたい資格「医療事務」 17.9%
・コロナ禍と資格取得「特に影響がない」50.9%
・希望する雇用形態「パート・アルバイト」74.1%
・重視する就業条件「自宅からの通勤距離」 78.3%
(調査実施期間:2020年7月29日~8月4日)
資格を持っている 77.2% 最も多くの人が持っている資格は「日商簿記」
◆現在、何かの資格をお持ちですか?(複数選択、n=715)
最も多かった回答は「日商簿記」24.6%でした。
次いで「ヘルパー1,2級」10.1%、「医療事務」7.7%となりました。
「その他」を選択した方にフリーコメントで持っている資格をうかがったところ、最も多かった回答は「秘書検定」7%でした。
続いて、
教員免許…5%
FP…5%
英語検定…4%
栄養士…3%
MOS…2%
図書館司書…2%
日商簿記…2%
という結果でした。
そのほか、お掃除の資格「クリンネスト」や、ハンドメイドで人気の「グルーデコ認定講師」、食の資格「野菜ソムリエ」など、多種多様な回答が集まりました。
では、持っている資格を活かしてお仕事をしている人はどのくらいいらっしゃるのでしょうか?
資格を仕事に活かせている人は31.3%
◆資格を持っている方にお伺いします。資格をお仕事に活かせている実感はありますか?(単一選択,n=547 資格を持っている人のうち回答者のみ集計)
半数以上の人は「資格を仕事に活かせていない」と回答しています。
フリーコメントで理由をうかがってみると、最も多かった声は「資格は持っているが、今は関係する仕事をしていない」という回答でした。
ほかにも、このような声がありました。
◇資格を仕事に活かせていないと回答した人のコメント(持っている資格)
・親の世話があるため働く時間が限られているので。パート職でも資格を持っているメリットを感じないお時給なので、保育に関わるのは最終手段として考えております(保育士資格)
・活かせる職業に就けなかった。3級程度の資格では資格として能力に欠けているため、未経験だとほとんど雇ってもらえない。(日商簿記)
・資格は持っていても実務経験なしの求人が少ない。時間帯が合わずに採用されにくい(登録販売者資格)
・採用条件に資格保持があったが、資格はなくてもできる業務を任されている(宅建)
・勤務時間が短すぎて、資格を活かせる仕事ができていない(医療事務)
・腰を痛めてしまったので医者から介護の仕事は辞めたほうが良いと言われました(ヘルパー1,2級)
・総務など別業務のほうが多いので活かせていない(社労士)
・経験を積みたく人事部の職に就いたが、おもな業務は採用事務で、キャリアコンサルタントとして関わる機会は全くない(キャリアコンサルタント)
◇資格を仕事に活かせていると回答した人のコメント(持っている資格)
・資格の有無でできることが変わる。資格があると時給もアップする。(保育士)
・資格もあり、特技もあるため、勤務時間などわがままを聞いてもらえる。すぐに転職先が決まる(保育士)
・今は調理師の資格を活かして洋食レストランで働いています。日商簿記は23年事務職で活用していました(調理師、日照簿記)
・税理士事務所に就業中のため。会計ソフトへの入力など資格を活かせていると思う(日商簿記)
・催事の食品販売のときに、衛生面で気をつけることができるので(食品衛生責任者)
・バイオリン講師を10数年行っており、外国人の生徒さんがいる場合、コミュニケーションには必ず必要だったのと、専門知識や用語を英語を使って説明しなければならないときや、外国人の父兄の方に生徒さんのレッスンでの近況を話さなければならない場合に使っています。勉強して本当によかったと思ったから(英語検定)
・5年がかりで宅地建物取引士を取得しました。『50代半ばで不動産業界の経験ゼロ、宅建士を持っているだけで本当に採用してもらえるのか』と半信半疑でしたが、わずか2カ月足らずの転職活動で不動産会社の正社員になれました。毎月資格手当で3万円もらえます(宅建)
・薬局、健保組合での仕事で、必要な知識があったのでスムーズに業務を行う事が出来た。(医療事務)
・資格のおかげで時給が少し高く、転職の際スムーズに決まったので(ヘルパー1,2級)
・福祉ネイルなど、美容関係だけではなく多方向のジャンルの方につながり、仕事に活かせるようになりました。在宅でも手に職があれば困らないことを実感しています(ネイリスト)
・pop検定は販売業においてはかなり重宝しましたが、パソコンの資格は実際に実績がないとどこにも雇ってもらえないのが意味ないと思いました。(POP検定、Excel&Word)
特に関係する仕事をしながら資格を取得した人は、資格が仕事に活きていると感じているようです。
逆に、キャリアチェンジをするために資格を取得した人は、就職に結びつかなかったり、仕事をしてみても思っていた仕事と違ったと思っている人も多いようです。
では、今お仕事をしていない方でも、持っている資格を活かしたお仕事に就いたことがある人は、どのくらいいるのでしょうか?
資格を活かしたお仕事に就いたことがある人は69%
◆持っている資格を生かしたお仕事に就いたことはありますか?(単一選択、n=558)
約7割の人が「資格を活かした仕事に就いたことがある」と回答しています。
資格を持っていると採用されやすい…という話も聞きますが、実際はどうなのでしょうか。
上記で「ある」と回答した人に、お仕事探しについてもうかがってみました。
資格を持っていると「仕事探しが楽になったと思う」40.0%
◆あると回答した方にお伺いします。資格を持っていることでお仕事探しに影響がありましたか?(単一回答、n=423)
最も回答が多かったのは「資格があることで仕事探しが楽になったと思う」40%。
次いで「あまり変わらない」37%でした。
持っている資格によっても傾向があるでしょうか?
持っている方が多かった日商簿記、ヘルパー1,2級、医療事務に絞って見てみましょう。
•日商簿記を持っている人「仕事探しが楽になった」35%
「日商簿記」だけで見てみると
仕事探しが楽になった…35% 資格があるからと言ってあまり変わらない…27% わからない、その他…9% (回答なし…27%)
比較的「仕事探しが楽になった」と思っている人が多いようです。
その他を選択した人の中には
・採用側がどう見ているかによると思う。資格が返って邪魔になっていたかも知れないと感じたこともあったが、今の会社の方はとても評価してくれている
というコメントもありました。
•ヘルパー1,2級を持っている人「仕事探しが楽になった」39%
今回のアンケートで2番目に保持者の多かった「ヘルパー1,2級」では
仕事探しが楽になった…39%
資格があるからと言ってあまり変わらない…25%
わからない、その他…8%
(回答なし…28%)
こちらも「仕事探しが楽になった」と思っている人が多いようです。
医療事務の資格を持っている人「仕事探しが楽になった」36%
今回のアンケートで3番目に保持者の多かった「医療事務」でも同様に仕事探しが楽になったと感じている人が多いようです。
仕事探しが楽になった…36% 資格があるからと言ってあまり変わらない…22% 資格は仕事探しに全く影響がない…9% わからない、その他…5% (回答なし…27%)
また、資格を持っている人数は多くありませんでしたが、
仕事探しが楽になったと回答した人の比率が多かった資格は
宅地建物取引士 …42%
保育士…40%
となりました。
アンケート結果から見ると、宅建、保育士、ヘルパー1,2級の資格を持っていると仕事につながりやすいのかもしれません。
それぞれフリーコメントもご紹介します。
◇仕事探しが楽になったと回答した人のコメント(保持資格)
・資格を持っていないと就業できない仕事なので(小学校教諭、幼稚園教諭)
・面接で興味を持ってもらえた(第二種情報処理技術者)
◇資格があるからといってあまり変わらないと回答した人のコメント(保持資格)
・面接のときの話題作りにはなった(MOS、日本語教育能力検定、中国語検定)
・国家資格とはいえ、なければできない仕事ではない(キャリアコンサルタント)
・資格を取ったからとはいえ、仕事の募集がないので(野菜スペシャリスト、発酵食品ソムリエ)
回答の中には「資格があることが裏目に出た」という声もありました。
せっかくとった資格が足かせになってしまうのは不本意ですね。
履歴書などに資格を記入する欄がありますが、持っている資格を全て書くのではなく、応募した仕事に関わりそうな資格を絞って書くほうが、意外なマイナス面を出しにくいかもしれません。
では、資格を活かした仕事に就きたいと考えている人はどのくらいいるのでしょうか?
資格を活かした仕事をしたい 54.0%
◆資格を活かしたお仕事に就きたいと思いますか?(単一選択、n=543)
フリーコメント欄でそれぞれ理由を伺いました。
◇資格を活かした仕事をしたい(「はい」と回答した)人のコメント(保持資格)
・資格があると自信が持てるし、時給もアップするから(保育士、栄養士)
・その仕事が好きだし、資格手当がつくので(宅地建物取引士)
・夢だったから(保育士)
・せっかく取得した資格なので、持っているものは活用したい(保育士)
・実務経験がないので、実務経験をつみたい(美容師、日商簿記)
・苦労して取得したので活かしたい(社会保険労務士、日商簿記)
・福祉の仕事が合っていると思うので(介護士)
・実際に現場で実践していないと知識のブラッシュアップが難しいと感じるので、仕事をしていたい(日商簿記)
・内容が分かっている仕事はとても心理的に楽なので(日商簿記)
・常に人手不足な業界なので、少しでも役に立てればいいと思います(介護士、ヘルパー1,2級)
・努力して得た技術と、それを他者にもわかりやすくしたものが資格だと思う(ネイリスト)
・現在、いままでの職種とは別のことをやっているが、離れてみてやっぱり、経理部門が好きなんだと再認識したから(給与計算実務、全商簿記、日商PC)
・資格と実際の仕事が合致していれば、経験を積めば積むほどその道のプロとして認められやすく、待遇・給料アップにつながると思われるため。(通訳案内士)
・少しは専門知識があるほうが仕事内容がわかりやすいから資格を活かした仕事がしたい(行政書士、FP、販売士、介護士など)
・現在正社員で別の職種で仕事をしていますが、副業として資格を生かした仕事をしたい。この先年齢的に現在の仕事を続けるのが厳しくなってきたら資格を生かした仕事メインにしていきたい。(アロマアドバイザー、介護アロマセラピスト)
資格を活かしたい、と考えている人はその仕事に対して前向きな気持ちがあったり、給与や待遇が良いと感じている方も多いようです。
反面、資格を取ったからこそ業界や業務についての理解が深まり、その仕事で働くのをやめたという声も複数聞こえました。
また、キャリアチェンジをする中で取得した資格とは別の業務分野で仕事をするようになったり、別の仕事をしたいと考えている人も多いようです。
今後、資格を取得するとしたら、どんな資格を取得したいと考えているのでしょうか?
医療事務の資格を取りたい 17.9%
◆今後資格を取得するとしたらどの資格を取得したいと思いますか?(複数選択可)
最も回答が多かったのは医療事務17.9%でした。
コメントでは
・調剤薬局の事務なら、自宅からも近いし、子育てと両立できると思ったから
・病院はどこにでもあるし、医療事務は勤務地問わず全国で働けそうだと思うから
・求職が多いイメージだから
・医療事務職なら、シニアでも雇用が広がるかな、と思うので
・医療機関での仕事や施設での仕事を希望しているから
保持率は1.5%と低かった登録販売者の資格が取得したい資格3番目になりました。
コメントでは
・ドラッグストアで働きたい。薬の知識が自身の為にもなる
・調剤薬局事務だけでは仕事がないけど両方持っていれば有利になるかと思う
・友達が持っていて仕事内容を聞いているので
「その他」を選択した方にも、取得したい資格をうかがってみました。
特に回答が多かったのはフィナンシャル・プランナー(FP)。コメントでは
・金融関係の職に就きたいから。
・やはり自分の生涯に関わってくる事なのと、三級二級とスキルアップして仕事にも活かせたら嬉しいので。
次に、行政書士、社会保険労務士が同数でした。コメントでは
・仕事する人を守るために法律を学びたかったのとグローバル化に対応する為
・これまでのキャリアの向上に必要だと感じた。
・前職で関連する業務に携わり、興味が持てた。同僚たちの生活に直結することなのに聞かれても、すぐに答えられなかったことが悔しかったから。
・手に職をつけたい。
・コロナ禍においても求人が絶えることがなく、企業と労働者がいるかぎり需要のある職業だと感じたから。
医療事務、登録販売者の資格を取得したいと考えている方の回答からは、働き先が多そうな資格に注目が集まっていると言えそうです。
また、行政書士、社労士と回答した人のコメントには、今の仕事に役立てたいという回答や、手に職をつけるために取得したい、という声がありました。
回答の中でも、今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響で仕事がなくなった、新しい仕事が見つからない、という回答が散見されました。
コロナ禍の影響で資格取得を考えた方もいるのでしょうか。
コロナ禍と資格取得は「特に影響がない」50.9% 「取得した・勉強を始めた・これから検討」 49.0%
◆コロナ禍において資格取得を意識しましたか?(単一選択、n=661)
コロナ禍の影響で「資格を取得した」「資格の勉強を始めた」と回答した人は18.6%にとどまりました。
50.9%と約半数の人は、資格取得とコロナ禍の影響はないと回答しています。
取得した資格を活かして仕事をする場合、どの雇用形態で働きたいと考える方が多いのでしょうか?
希望する雇用形態は「パート・アルバイト」74.1%
「資格を活かして仕事をしたい」と回答した人に、どの雇用形態で働きたいと思うかを伺いました。
◆どの雇用形態で資格を活かした仕事をしたいと思いますか?(複数選択可)
最も多くの回答を集めたのはパート・アルバイトでした。
先述のフリーコメントからも、子どももいるので短時間・少日数など希望する条件で勤務したいというコメントも多く寄せられました、
家庭と両立できる就業条件が選べる雇用形態ならば、と考えている方が多そうです。
では、特にどんな条件を重視しているのでしょうか。
自宅からの通勤距離を重視する 78.3%
◆持っている資格を活かしたお仕事を探すとき、特にどの条件を重視しますか?(複数選択可)
重視する条件を「その他」と回答した人方にはその理由を伺いました。
・勤務条件より、仕事(業務)内容にこだわりたい。
・スキルアップができる職場かどうか、を重視します。
・在宅勤務が可能か
・雇用保険などの確保
・職場環境上でのスタッフの精神的な衛生面が良い事
・結局は人間関係だと思う
・土日休みかどうか
・長期休暇がとれるかどうか
・Wワークができるか
・自分で開業したいので、自分の生活を優先してお仕事ができるかどうか。
・離職率がなく人間関係が良い職場。または、欠員が多くない余裕がある働き方ができる職場。
重視する条件としては、自宅からの通勤距離を重視すると回答した人が78%と最も多くなりました。
次いで、勤務時間73.7%です。
特に子どもがいる方は保育園・幼稚園や習い事などの送迎があったり、介護中の方はケア施設の送迎時間が決まっていたりするので、仕事の開始・終了時間が希望の時間帯であることは重要です。
まとめ
今回は「資格×お仕事」についてのアンケート結果をご紹介しました。
求職中の主婦・主夫の方が最も多く持っている資格は日商簿記でした。
持っている資格を仕事に活かせていると感じている人は31%。半数以上の人が仕事に活かせていないようですが、反面、資格を活かせる仕事がしたいと53.6%の人が回答しています。
フリーコメントを見てみると、資格を活かした仕事がしたいが求人募集に出ている就業条件が希望と合わないと感じている人が多いようです。
実際、希望する雇用形態はパート・アルバイトが最も多く74.1%。家庭や子育てを優先できる働き方を重視している方が多いのです。
資格があることで仕事探しが楽になったと思う、と回答した人は40%。今回のアンケートでは宅建、保育士、ヘルパー1,2級の資格を持っている方が比較的多く仕事探しが楽になったと回答しています。
今後取得したい資格の人気No.1は医療事務、No.2は登録販売者でした。高齢化やコロナ禍の影響もあり、今後ますます需要があると考えている人が多いのではないでしょうか。
•調査概要
調査方法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:715名
調査実施日:2020年7月29日~8月4日
調査対象者:求人サイト「しゅふJOB」登録者
提供・しゅふJOBナビ
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