子供の成長は嬉しいけど、ちょっと寂しい!
「最近、並んで歩いてくれない」「あまり話さなくなった」
そう感じることがあれば、それは「親離れ」という子供からのサインかもしれません。嬉しさ反面、寂しさを感じる親は多いものです。
その寂しい気持ちを毎日抱えながら、子離れできない親として悶々とした毎日を過ごすのか。それとも親自身が変わり、その寂しさを乗り越えようとするのか。
どちらが子供のためになるのか。答えは明確だと思います。
子離れできない親を持つ子供の弊害
子離れできない親を卒業できず、子供の成長を妨げるような親も残念ながらいます。
子離れできない親に育てられると、対人関係でつまずく、社会生活がうまく送れなくなるなど、子供に悪影響を及ぼします。
子離れできない親のどんな行動が、子供への弊害になるのか。具体的に紹介していきます。
自分の意思で行動できない子供になる
幼い頃から親主導で子供の行動を決めてしまうと、子供が自分の意思で行動することができません。
服選びや遊び方などの日常の小さなことから、習い事、塾、受験など本人の意思確認が必要なものまで、親が決めてしまう。
子供が小さいうちは成長のために親が先回りをして動くことも必要ですが、度が過ぎると過干渉になってしまいます。
「自分が好きなものがわからない」「自分で決めようとしても親の顔色が気になる」
小さい頃から自分で決める習慣がないと、自分の意思ではなく他人の意見に合わせてしまう、主体性のない人格に育ってしまいます。
無気力な子供になってしまう
小さな頃から身の回りのこと全てを親がやってしまい、手伝いもさせてない。子供の休日の過ごし方も親が決める。子供に関わることを親が先回りをして決めてしまうと、子供の「自分でやろう」という気持ちが育ちません。何事にも受け身になってしまい、自発的な行動ができなくなってしまいます。
子離れできない親がいつまでも子供に構う状況が続くと、子供のやる気や意欲が低下してしまい、将来、ひきこもりやニートなど、より深刻な事態に発展してしまう可能性があります。
失敗してもどうしたらいいか分からない
小学校低学年のころは、学校に持っていく荷物を最後は親がチェックするように学校から言われることがあります。まだ小さな子供ですから、ごく自然なことかもしれません。
低学年を過ぎると親がチェックすることもなくなり、忘れ物をするようになります。そこで子供は考え、前日きちんと用意してから寝ようとします。
しかし、忘れ物をしたら可哀想だと、子供が中学生になってまでもチェックを続ける母親がいるのです。母親の目が届かず、子供が忘れ物をしてしまったら、先生に言ったり、友達に借りるという簡単なことが思い浮かびません。挙げ句には「きちんとチェックをしてなかった」と母親を責めます。
自分が困ったときに、周りに助けを求める行為は、自立へのひとつのステップです。子離れできない親が、子供の成長の機会を奪っています。
今話題の「毒親」になってしまう可能性も
子離れできない親もエスカレートしてしまうと毒親になってしまう可能性があります。「毒親」とは、1989年にスーザン・フォワードが作った言葉であり、「子どもの人生を支配し、子どもに害悪を及ぼす親」と定義されています。「毒親」になってしまう親にはどんな特徴があるのか。子離れできない親とどう違うのか。いくつかの例をみてみます。
子供を思う通り動かないと気が済まない
親の思う通りに動かない子供に腹を立て、叱る親は毒親に近いかもしれません。子供の習い事を勝手に決めて、止めたいと子供が言うと叱りつける。塾に勝手に申し込み、成績が悪いと罰を与える。子供の意見を何も聞かず、親の思う通りに動かないと、恐怖でコントロールする。
子供の意思を無視する親は子離れできない親ではなく、毒親です。
子供の気持ちよりも世間体を気にする
毒親は自分をいい親に見せたがることがあります。子供の学校や近所での評判を過度に気にします。その評判が親としての評価だと考えるからです。そして、子供が成長するにつれ、進路も親が決めようとします。世間一般に言われる有名校に入れることに熱心になり、子供に勉強を無理強いします。成績が振るわないと、暴言を吐いたり手を出したりします。虐待と考えられることでも、「子供のためにやっている」と言い訳をします。
子供の意思を全く尊重せず、暴力をも加えてしまう親は、立派な毒親です。