韓国映画「パラサイト 半地下の家族」とは?

数々の韓国映画を撮影してきたポン・ジュノ監督の作品で、韓国語のタイトルは「기생충(キセンチュン=寄生虫)」。「富裕層の家族に寄生する貧困層の家族」をテーマにした作品です。韓国では2019年5月に公開後、観客動員数1,000万人を突破。日本でも2020年1月に公開され、大きな話題を集めました。

出演した俳優陣の好演も光りました。主演のソン・ガンホは、「タクシー運転手」をはじめ、数々の大ヒット作品でお馴染みの韓国を代表する映画俳優。そして、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダムらも熱演。

海外での評判も高く、「第72回 カンヌ国際映画祭」では韓国映画史上初となるパルム・ドールを受賞。「第77回 ゴールデングローブ賞」では外国語映画賞を受賞。2020年2月に開催された「第92回 アカデミー賞」でも監督賞・脚本賞・国際長編映画賞・作品賞の4部門を受賞しました。

主人公のギテク(ソン・ガンホ)一家が暮らす半地下(パンチハ)の家や、パク社長(イ・ソンギュン)の高級邸宅は全て、全州(チョンジュ)市にある「全州映画総合撮影所」にセットを作って撮影。また雨のシーンなどは高陽(コヤン)市にある「高陽アクアスタジオ」で撮影され、現在は全て解体されています。

野外のシーンは、ソウル市などの各地で撮影されました。映画が撮影されたロケ地のうち、主な場所をピックアップして紹介しましょう(写真は全て2020年1月に撮影したものです)。

阿峴洞(アヒョンドン)

テジスーパー

地下鉄2号線の阿峴(アヒョン)駅と2・5号線が乗り入れる忠正路(チュンジョンノ)駅の間にある住宅街にある個人商店。撮影中は「ウリスーパー」という看板に変更して撮影されました。

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

また商店横の路地突き当りにある階段も劇中で登場し、スーパーと階段をセットで訪問する映画ファンを見かけることができます。

昔ながらの街並みが残る阿峴洞(アヒョンドン)。町内を歩けば、劇中に登場する半地下の家なども見かけられますが、一帯は再開発地域に指定されたため、数年後には全て取り壊され、マンションが建設されることが決まっています。

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

城北洞(ソンブットン)

パク社長宅に向かう坂道

パク社長(イ・ソンギュン)の高級邸宅へと向かうシーンが撮影された場所です。実際の邸宅は、前述の通り、この場所の邸宅ではなく「全州映画総合撮影所」内のセットで撮影されたため、この場所には外壁沿いの坂道があるのみ。

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

一帯は高級住宅街のため、至る所にCCTVが設置。長時間その場に留まると警備会社による職務質問や注意をされる場合もあるので、訪問の際は気を付けるようにしましょう。

※「パク社長宅に向かう坂道」アクセス 地下鉄4号線 漢城大入口駅 6番出口付近のバス停より「吉祥寺(キルサンサ)」行きのマウルバス「城北02」に乗車。「城北ビレッジ(ソンブッビリジ)」で下車し、バス停付近の三叉路を北へ、徒歩約5分。

場所は、城北洞(ソンブットン)の有名な寺院「吉祥寺(キルサンサ)」の近くにあります。地下鉄4号線の漢城大入口(ハンソンデイック)駅からバスで吉祥寺へと向かう途中で下車し歩いて訪問できます。城北洞のメイン通りには人気のレストランやカフェが集まっている、知る人ぞ知る観光エリア。合わせて訪問してみるのも良いでしょう。

付岩洞(プアムドン)

紫霞門(チャハムン)トンネル

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

古宮「景福宮(キョンボックン)」の西側に広がる西村(ソチョン)のメイン通りを北上したところにあるのが、付岩洞(プアムドン)と呼ばれる街で、その中心にあるのが「紫霞門トンネル」です。名称は、近くにあるソウル城郭門「彰義門(チャンイムン)」の別名「紫霞門(チャハムン)」に由来。

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

峠になっている場所ですが、ソウルの北部へと抜ける大動脈確保のためトンネルを建設し、1986年に完成。歩道も設けられていますが、クルマやバスが歩道のすぐ隣を通りすぎるので、訪問の際は身を乗り出したりしないよう十分に注意しましょう。

付岩洞一帯は地元ソウルっ子の週末デートなどで人気のエリア。美術館巡りや、有名なレストラン・カフェ訪問が人気です。周辺に地下鉄駅はないため、タクシーまたは、地下鉄3号線の景福宮駅3番出口付近からバスでの訪問が便利です。トンネル訪問の前後は、付岩洞の観光も満喫してみましょう。

厚岩洞(フアムドン)

トダッ橋 階段

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

厚岩洞(フアムドン)は「Nソウルタワー」がある「南山(ナムサン)」へと続く丘の街。地元で人気の食堂や、SNSで話題のインスタ映えカフェなどが点在していますが、傾斜が多く、再開発がしづらいため、昔ながらの街並みが残っています。

そんな街中の陸橋「トダッ橋(トダッタリ)」と真下の路地を行き来できる階段でも撮影ロケが行われました。

※「トダッ橋 階段」アクセス 地下鉄4号線 淑大入口(スッテイック)駅 3番出口 徒歩約16分。または、 地下鉄4号線 淑大入口(スッテイック)駅 3番出口付近のバス停より202番バスに乗車。「厚岩洞ウリ銀行前(フアムドンウリウネンアッ)」停留所で下車し、東北へ徒歩約6分。

芳荑洞(パンイドン)

ORGA 芳荑店

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

オーガニック食品を扱う韓国のスーパーマーケット・チェーン店の「ORGA(オルガ)」。各地に支店がありますが、劇中、社長夫人(チョ・ヨジョン)が、ギテクを連れてショッピングするシーンが撮影されたのが、この支店です。

安全な食品だけを厳選して提供しているため、値段は一般的なスーパーに比べて、値段はやや高め。社長夫人やマダムが通うスーパーという設定にピッタリです。

鷺梁津(ノリャンジン)

スカイピザ

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

劇中「ピザ時代(ピザシデ)」という店舗名に変更して撮影された、昔ながらの住宅街に残るピザ店。チェーン店ではなく、個人経営のお店です。店内に座席は2席と少なく、ピザをテイクアウトする映画ファンでたくさん。

映画を撮影したという垂れ幕や、ポン・ジュノ監督と一緒に撮影した店主の写真が店内に飾られているなど、ロケ地の雰囲気満載です。

望遠洞(マンウォンドン)

<番外編>旧・運転手食堂

韓国映画「パラサイト 半地下の家族」(『寄生虫』)撮影ロケ地ピックアップ
(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

「望理団通り(マンニダンキル)」の通称でも知られる望遠洞(マンウォンドン)の西側、漢江(ハンガン)への入口沿いにある「運転手食堂街」でも撮影が行われました。

撮影当時は「イモネ運転手食堂」と呼ばれるタクシードライバーや、店舗正面のマンション工事関係者のためのビュッフェ食堂が営業していましたが、マンションの完成と共に「イモネ運転手食堂」は閉店。

現在は「オルクニ王冷麺」と「往十里コプチャン」の2店舗に分けられ、劇中に登場したメニューは食べられませんが、内装など名残が感じられます。

いかがでしたでしょうか。地下鉄で訪問できるところから、市内バスを駆使して訪問できるところまで様々な場所で撮影されました。一般住宅街などで撮影されたため、ロケ地巡りの際は、近隣住民の迷惑とならないよう、マナーを守ってご訪問ください。

提供・韓国旅行コネスト

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