韓国の伝統酒であるマッコリは「濁酒(탁주、タッチュ)」ともいわれ大衆酒として親しまれています。韓国語では「막걸리(マッコルリ)」といい、「マッ」は粗雑に、「コルリ」は濾すの語源から、「粗く濾した酒」という意味をもちます。

米の糖分から由来するほのかな甘みと、乳酸菌飲料のような風味にまろやかな口当たりが飲みやすく、美容や健康に良いお酒としても注目を集めます。

マッコリとは?

マッコリの原料と作り方

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

マッコリとは、韓国の伝統的なにごり酒のこと。日本のどぶろくによく似ており、原材料である米、麦、豆類、小麦粉、ジャガイモ等を蒸してから乾燥させ、麹と水を加え発酵させたのち、固形物を簡単に濾して作られます。

濾過をしないマッコリは「トンドンジュ(동동주)」と呼ばれます。

マッコリと生マッコリの違い

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

マッコリは発酵が進まないよう酵母を加熱処理により滅菌する一方、滅菌処理を経ない「生マッコリ」もあります。

生マッコリは、時間の経過とともにマッコリ内で発酵(熟成)が進み味わいが深くなり、酵母が生み出す炭酸による清涼感を持ちます。また、製造から期間を置くほどに乳酸が生成され、酸味が出てくることも特徴です。

マッコリのアルコール度数

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

マッコリのアルコール度数は6~8度前後と、韓国ビールのアルコール度数(5度前後)より少し高め、韓国焼酎(20度前後)や日本酒(15度前後)と比べると低めです。

近年は、低アルコールを好む韓国の若年層のため、アルコール度数が4~5度ほどのマッコリも登場しています。

市販のマッコリは1リットル近い大容量であり、やわらかい口当たりとのど越しの良さから、ついつい飲みすぎると思わぬ深酔いとなってしまいそうです。

マッコリを構成する成分と栄養

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

マッコリを構成する成分は、80パーセントが水、食物繊維や乳酸菌、酵母が各10パーセント、次いでアルコール、タンパク質、炭水化物、脂肪と続きます。

生マッコリは酵素が生きているため腸内環境を整えるのに一役買うともいわれており、ヨーグルトと同等の量の乳酸菌を含むそうです。

マッコリの保存方法

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

流通期間は、マッコリが常温で1年ほど、生マッコリが1週間から1か月ほどです。生マッコリは作り立てよりも3~4日寝かせると味が落ち着くといわれています。

冷暗所で保存をする必要があり、特に生マッコリは冷蔵庫など10度以下で保存をするとよいでしょう。

日が経つにつれ発酵が進む特性から、市販の生マッコリはあえて蓋をゆるめ販売されています。持ち帰る際は傾けないように気を付けましょう。

マッコリがある韓国文化

マッコリの飲み方

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

マッコリはよく混ぜてから飲むのが一般的です。韓国のツウの中には後味のよい透き通った上澄みだけを好んで飲む人もいるとか。

マッコリはやかんとかめで

居酒屋や飲み屋屋台では、やかんやハンアリと呼ばれる壺やかめ、ひしゃくが付いたアルミ製のマッコリカップで提供されることもあります。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

なぜマッコリにはやかんなのか?というと、韓国では昔、酒店でマッコリを販売する単位がやかんだったことに由来します。

1970年代生まれまでの韓国人は「お酒屋さんに行ってマッコリをやかん分買っておいで」とお使いを頼まれた経験があるはず。そうした名残から、現代になってもマッコリといえばやかんがセットになっているようです。

韓国人は雨が降るとマッコリを飲みたくなる?

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

韓国には雨の日にチヂミとマッコリを楽しむ食習慣があります。

雨の音とチヂミを焼く音が似ていることや、昔は雨で農作業ができない時チヂミとマッコリを食べて時間を潰したことなどから由来するといわれています。

マッコリ会社が舞台の韓国ドラマ

ムン・グニョンやチョン・ジョンミョンなど日本でも人気の俳優が出演した韓国ドラマ「シンデレラのお姉さん(KBS)」は、マッコリの製造会社がドラマの舞台となったことでも話題に。マッコリで有名な京畿道(キョンギド)の抱川(ポチョン)に撮影セットが設けられ、実際のマッコリ会社がドラマのスポンサーになるなど、マッコリ一色のドラマとなりました。

マッコリの変遷

農作業に欠かせないお酒

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

マッコリは「農酒(ノンジュ)」とも言われるように、昔は農作業をしながら水代わりに飲まれていました。農耕の祭りの際にも必ず出され、各家庭では農繁期に備えてマッコリを作るなど庶民の生活に欠かせませんでした。

また、儒教文化が根付いている韓国では、満1歳の誕生日(トルチャンチ)や結婚式、還暦など人生の節目には、親戚や親しい人を招き宴会を行う習慣があります。

宴会の料理やお酒はその家を象徴するものとして、昔はマッコリも家ごとに独自に作られたものが振舞われました。そのためマッコリは「家醸酒(カヤンジュ)」とも呼ばれていたそうです。

混乱期にも生き残った理由

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

家で作るお酒として発展したマッコリですが、日本の植民地時代には酒税法がもうけられ、各家庭での酒造りが禁止されます。しかし、醸造日数がかからず手軽に作ることが出来るマッコリは密造酒として生き残りました。

植民地時代が終わった後は、マッコリを扱う酒造会社などが設立されますが、食糧不足で酒造りに米を使えないという事態が。米に代わりアメリカから小麦粉が援助されマッコリの醸造が再開。その後、醸造に米の使用が解禁され、再び庶民のお酒としての地位を築いていきました。

今や若者にも人気のお酒に

2004年頃の韓流ブームをきっかけに日本でもマッコリが知られはじめます。韓国にもこのブームが逆輸入され、マッコリが再認識されるようになりました。

政府が韓国固有の食文化の見直しを推進したことや、乳酸菌が豊富で健康に良いことなどもクローズアップされ、マッコリの人気を後押し。

庶民のお酒というイメージが強かったマッコリですが、フルーツ味のマッコリやマッコリカクテルを提供するお店が登場するなど、若者にも身近な存在に。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

このように大衆酒の地位を確立していたマッコリですが、近年ではビールや焼酎の人気に押され消費量が減少傾向にあるようです。

韓国のマッコリといえばコレ!

マッコリは、韓国のコンビニやスーパー、百貨店で簡単に手に入れることができます。形態もペットボトルや瓶、缶、紙パックなどさまざまです。

韓国の主なマッコリメーカーと定番マッコリ

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

ソウル濁酒 1962年創業、韓国で最初に出来たマッコリ製造会社「ソウル濁酒」が販売する「ソウル長寿生マッコリ」は、ソウルで一番ポピュラーなマッコリとして知られています。

生タイプのため、生きた酵母による自然発酵の炭酸が爽やか。製造後10日以内に飲むのが良いとされています。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

クッスンダン 1983年創業の「麹醇堂(クッスンダン)」は百歳酒(ペッセジュ)の製造で有名な酒造メーカー。

2009年の発売以降愛され続ける「クッスンダン生マッコリ」は、通常10日とされている生マッコリの消費期限を30日まで伸ばした画期的な商品。新鮮な味を長く保っています。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

砥平酒造 1925年創業の「砥平(チピョン)酒造」は自然豊かな京畿道・楊平(ヤンピョン)のマッコリ醸造元です。全国区ではありませんが、首都圏に近い強味を活かして人気上昇中です。

「砥平生米マッコリ」はすっきりしたのど越しとやわらかい口当たりが飲みやすく、アルコールも5度と低めです。製造から5日目以降には米マッコリ特有のリンゴのような甘い香りと炭酸を味わえます。

米以外の原料を含む人気のマッコリ

マッコリの原料は米以外に黒豆やとうもろこし、栗、そばなど多様な材料があり、米、小麦、麦、とうもろこし、粟などの穀物をブレンドして作る雑穀マッコリもあります。

蒸す、乾燥させる、発酵させるというシンプルな製造工程のマッコリは、素材の味が際立つため、さまざまな原料の味を活かし作られます。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

毎年新しい味が登場する?変わり種マッコリ

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

韓国のお酒といえばシンプルなものが多いイメージがありますが、2010年代からフルーツなど様々な味のマッコリ、焼酎、ビールが販売されるようになりました。

マッコリも同様で、その年の流行フレーバーが商品化されることも多く、ユニークな味に注目が集まります。

地方旅の記念に!韓国のご当地マッコリ

滅菌処理を経ないいわゆる「生マッコリ」は製造地に限り流通が可能であった供給区域制限のため、地域ごとにマッコリ醸造所があり、特産品を使ったご当地マッコリが生まれました。

ちなみに、この供給区域制限は1999年に解除され、以降、全国どこででもご当地マッコリが販売できるようになりましたが、地方でしかお目にかかれない商品はまだまだたくさんあります。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)
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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

マッコリに合う韓国料理

昔からマッコリのお供として食されてきた代表的な韓国料理をご紹介します。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

チヂミ 韓国風お好み焼きとして知られるチヂミはキムチ、海鮮など味のバリエーションも豊かで、マッコリによく合う料理の代表格と言えます。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

ピンデトッ 緑豆をすりつぶしたものをタネにして揚げ焼きにするチヂミ。居酒屋や市場でのおつまみメニューとして人気で、マッコリの清涼感にぴったりです。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

ジョン 野菜や魚に衣を付けて焼いたチヂミ。旧正月(ソルラル)や秋夕(チュソク)の祭祀の膳にものぼるおかずで、油の香ばしさがマッコリと相性抜群です。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

ポッサム ゆでた豚肉をキムチや白菜と一緒に食べるポッサム。マッコリと一緒に口に含むと色々な味が溶け合い豚肉の旨味が引き立つと言われています。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

ホンオ ガンギエイを発酵させたホンオは、鼻に抜けるアンモニア臭が特徴。刺身のほか、古漬けキムチと蒸した豚肉と一緒に食べる三合(サマッ)がマッコリのお供の定番です。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

トトリムッ どんぐりのでんぷんをゼリー状に固めたトトリムッはどんぐりの風味とピリ辛味のタレがマッコリの爽快な味にぴったり。軽い食感なので2次会の酒の肴に最適です。

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(画像=『韓国旅行コネスト』より引用)

ムグンジ(古漬けキムチ) 豊富な種類がある中でマッコリのお供に最適なのは長期間熟成させたもの。甘酸っぱい独特の味がマッコリと絶妙のハーモニーを奏でます。

提供・韓国旅行コネスト

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