『働き方改革』もあり、労働環境は毎年細かく見直されています。

「時短正社員」や「フレックスタイム制度」など新しい働き方もどんどん増えてきていますね。

今回は、主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』の調査機関、しゅふJOB総研が行った『柔軟な働き方への理解調査』のアンケート結果をご紹介します。

ビースタイルグループ(株式会社ビースタイル ホールディングス 本社:東京都新宿区、代表取締役:三原邦彦/およびグループ各社)が展開する、主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』の調査機関しゅふJOB総研は、『柔軟な働き方への理解』をテーマに、働く主婦層にアンケート調査を行いました。(有効回答数:803件)

アフターコロナのGDP増加は「労働力確保」が鍵?!同僚より早く帰宅することに「後ろめたさを感じた」29.8%【しゅふJOB総研】
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

1.今の日本の職場環境は、家庭の都合などに合わせて柔軟な働き方が選択しやすいと思いますか。

「今の日本の職場環境は、家庭の都合などに合わせて柔軟な働き方が選択しやすいと思いますか?」という問いに対して、約7割の人が「あまり思わない・全く思わない」と回答しています。

アフターコロナのGDP増加は「労働力確保」が鍵?!同僚より早く帰宅することに「後ろめたさを感じた」29.8%【しゅふJOB総研】
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

2.あなたは社会に出てから、短時間や時差出勤など、柔軟な勤務時間で働いた経験はありますか。経験に当てはまるものがあればお教えください。

「あなたは社会に出てから、短時間や時差出勤など、柔軟な勤務時間で働いた経験はありますか?」という設問では、短時間勤務をしたことが有ると回答した人が約4割。反対にいうと、半数以上の人がフルタイムでのみ勤務しているということになります。

選択肢にもあるフレックスタイム制度とは、就業開始時間や、退勤時間を自分で決められる制度(自由勤務時間制)です。

たとえば「週40時間勤務する」という決められた総労働時間の中で、月曜日は9時~18時で働き、火曜日は10時~17時、火曜日短く働いた分水曜日は9時~20時で働く…と各自のスケジュールにあわせて勤務時間を調整することで、生活と仕事のバランスをとりながら効率よく働くことができる制度です。

また、高度プロフェッショナル制度とは、2019年4月からスタートした比較的新しい制度で、高度な専門知識をもっていて一定水準以上の年収を稼いでいる人について、労働基準法に定める労働時間制限の対象から除外する仕組みです。

この制度は職種や業務が限定されていて、現在は取材や編集、公認会計士や弁護士など、19の業務が指定されています。

この制度では、仕事をした「時間」ではなく、得られた「成果」で仕事が評価されます。

アフターコロナのGDP増加は「労働力確保」が鍵?!同僚より早く帰宅することに「後ろめたさを感じた」29.8%【しゅふJOB総研】
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)
アフターコロナのGDP増加は「労働力確保」が鍵?!同僚より早く帰宅することに「後ろめたさを感じた」29.8%【しゅふJOB総研】
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

3.2で「該当しそうな経験はない」以外を選択した方にお尋ねします。柔軟な勤務時間で働いた際、同僚たちに後ろめたさを感じたことはありますか。

前問のように短時間勤務、時差出勤などの働き方をする人は、後ろめたさを感じたことはあるのでしょうか。

半数以上の人は「同僚たちに後ろめたさを感じたことはない」と回答しています。

ただし、「同僚たちより早く帰宅することに後ろめたさを感じた」と回答した人が3割いることも事実です。

アフターコロナのGDP増加は「労働力確保」が鍵?!同僚より早く帰宅することに「後ろめたさを感じた」29.8%【しゅふJOB総研】
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

4.あなたは社会に出てから、在宅勤務など、勤務時間以外の条件で柔軟な働き方を経験したことはありますか。経験に当てはまるものがあればお教えください。

「社会に出てから、在宅勤務など、勤務時間以外の条件で柔軟な働き方を経験したことはありますか?」という問いに対して、副業・兼業・複業・wワークをしたことがあると回答した人が約3割にのぼります。

新型コロナウイルス感染症拡大を背景に話題にあがったワーケーション。0.2%の人は実際におこなったことがあるようです。

ワーケーションとは、「ワーク(労働)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせたもので、観光地やリゾート地で休暇をとりつつ、テレワークで働く過ごし方です。

セキュリティ面の配慮が欠かせませんが、環境を変えることで仕事の効率が上がったり、地元で食事をとったり観光をしたりすることで観光事業への貢献にも繋がるなど、メリットも見られるようです。旅行会社のサイトには「テレワーク応援プラン」や「ワーケーションプラン」も増えてきています。

アフターコロナのGDP増加は「労働力確保」が鍵?!同僚より早く帰宅することに「後ろめたさを感じた」29.8%【しゅふJOB総研】
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

5.4で「該当しそうな経験はない」以外を選択した方にお尋ねします。勤務時間以外の柔軟な条件で働いた際、同僚たちに後ろめたさを感じたことはありますか。

短日数勤務や時差出勤、フレックスタイム等の制度を利用して勤務した場合、8割の人は「同僚たちに後ろめたさを感じたことはない」としています。

次いで「仕事のやる気がないと思われてそうで後ろめたさを感じた」と回答した人が1割です。

柔軟な働き方と同僚たちからの理解について、フリーコメントでご意見が寄せられています。

アフターコロナのGDP増加は「労働力確保」が鍵?!同僚より早く帰宅することに「後ろめたさを感じた」29.8%【しゅふJOB総研】
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

6.フリーコメントより

・時短、フレックス、在宅….とても素敵な働きかただと思いますが、それが全部他の社員に負担がいくのではダメだと思います。会社がきちんと、フォローしてこそだと思います(50代:パート/アルバイト)

・皆が平等に行使する権利、若しくは自分のライフスタイルに合わせて働き方、出勤方法や時間帯を自由に選択出来る仕組みが出来ていれば、自ずと周囲もそれに倣う、活用すると思う(30代:契約社員)

・ドイツで3年間暮らした経験から、年に数回、まとまった休みを誰でも取れる環境が、モチベーションを保つのに良いと思った。誰かが休めばしわ寄せはあるが、みんなが休めるのでお互い様となるし、次の休みまで頑張ろうという気になり、メリハリがつく(50代:パート/アルバイト)

・誰もが、柔軟な時間と環境で働けるように、制度を変えるべきだ(40代:今は働いていない)

・お子さんがいる方といない方、すでに子育て終了の方など、考え方がそれぞれで、いる方の気持ちや都合もわかりますが、それを楯に休まれたり権利主張されるとそれ以外の人は負担が増えますし、自分達にはメリットがないので不公平さを感じます。お互いを思いやることが大事かと思います(50代:パート/アルバイト)

・幸いうちの会社はとても柔軟なので時短も休みも取りやすいため、同僚の目は全く気にする必要はありません。素晴らしい環境だと思う(40代:パート/アルバイト)

・権利はみな平等にあるわけで利用するかしないかということなので後ろめたさは感じなくて良いと思う(50代:派遣社員)

・少数精鋭で周っている会社です。緊急事態宣言が発令されてもパートにも容赦なく出勤を促す会社です。少しでも良いから時短、テレワークを考えて欲しいです(40代:パート/アルバイト)

・ちゃんと仕事の成果があれば、同僚たちからは何も言われない(うしろめたさはない)と思う。むしろ、出勤して成果が低かったり、だらだらしている方が軽蔑されると思う(30代:公務員/団体職員)

・企業で決められ指示されたことなので、同僚たちからはきちんと理解されていると思うが、自身で勝手に後ろめたさを感じてしまった(50代:派遣社員)

・理解には、同僚とのコミニュケーションの度合い、関係性により違う部分もありなかなか同一に皆に理解は難しい(40代:パート/アルバイト)

・同僚に負担をかけて成り立つ働き方だから、理解がなくても仕方がないし不平不満が出るのは当然。自分も独身の時は腹ただしかった(30代:パート/アルバイト)

・不妊治療や妊娠を理解して貰えず、仕事を辞めることになった(50代:今は働いていない)

・繁忙期に勤務条件以上に働いていたとしても、少し後ろめたさを感じていましたが、勤務を増やしていることに気付いて声をかけてくださる方もいて気持ち的に救われました(40代:派遣社員)

・各自の働き方を調整する場面で協力し互いに「感謝」の意はしっかり言葉にして表すことと、業務上の成果を上げることが大切だと考えます。そうすれば、自分が後ろめたさを感じたり、同僚に感じさせたりすることは無くなっていくのではないでしょうか。リーダー的な立場にある人が、そういう環境に導いていくことも重要だと思います(40代:派遣社員)

・会社が時短勤務を許可したのに、私だけが優遇されていて、仕舞には、責任感がないと言われた。隣の芝生は、、状態で理解されない(40代:今は働いていない)

・今までどんなに責任を持って仕事をしてきていても、母親になった途端に仕事に責任を持たない人と見なされるのが悲しいです(30代:今は働いていない)

・チーム全員が順番に在宅勤務を経験し、メリット・デメリットが共有できて理解が進んだ(50代:契約社員)

・たとえば自分が会社にいないことで誰かが代わりに電話をとらなくてはならなくなるとか、たいしたことでなくても同僚に負担をかけることになるのなら柔軟な働き方はしない方がいい(40代:今は働いていない)

・結婚して子どもがいるだけで、正当な求人募集に応募して採用されたにも関わらず、独身社員からずるい!と言われ足を引っ張られた(20代:パート/アルバイト)

・それぞれの立場でやるべき事を全うしていれば問題ないと思う(60代:正社員)

・仕事の質が評価されるともっと柔軟な働き方ができそうに思う(50代:今は働いていない)

・昨今の流れとして子育てに理解があると社会に発信している会社でも、子供のいない同僚からの圧力や経営陣の温度差は常に感じます(30代:パート/アルバイト)

・私が働き始めた頃に比べたら働き方も社員の考え方も随分変わって働きやすくなったと思う。当時契約社員でも辞めずに産休を取る事が出来たら私にも子供がいたかもしれないと思うと残念(40代:パート/アルバイト)

・周りには面白くないと感じる人もいたと思うが、価値観の違いなので皆に歓迎されることを期待するのが、そもそも無理だと思っていた。仕事の成果で認めて貰えばいいのではないだろうか(60代:派遣社員)

・今の職場は考え方が古いので、同僚の理解は絶対に得られない(40代:パート/アルバイト)

・日雇の派遣社員なので仕事をしっかりすれば契約時間て終われるので。入りたい日時でその都度契約出来るのは良い(50代:派遣社員)

・コロナ前から、子供のために正社員をやめてフリーランスで在宅勤務を中心で働ける環境を探しました。当然コロナ前は柔軟な働き方ができるなんてあり得なかったのでコロナを機に世の中が変わればよいと思う(40代:フリー/自営業)

・突然の欠勤に対し、「私たちもそうだったよ。何とかなるから無理しないで!」と温かい言葉までかけてくださり、どれだけ恵まれているんだろうと感謝しかない。自分の育児が終わった時には同じ言葉をかけたいが、周りが育児しながらの勤務に協力 できる環境を作りたいと思う(30代:パート/アルバイト)

・同僚の異性や上司よりも、同僚の同性の方がチェックが厳しい(50代:パート/アルバイト)

プロはどう見る?

しゅふJOB総研(※) 所長の、川上 敬太郎氏のコメントをご紹介します。

■川上 敬太郎氏のコメント■

仕事と家庭の両立を希望する働く主婦にとって、柔軟な働き方の必要性はコロナ禍発生以前から喫緊の課題でした。

働く主婦層に「今の日本の職場環境は、家庭の都合などに合わせて柔軟な働き方が選択しやすいと思いますか」と尋ねたところ「大いに思う」「少し思う」と回答した人の比率は合計28.2%。一方、「全く思わない」「あまり思わない」の合計は68.8%と7割近くに及びました。

次に、「あなたは社会に出てから、短時間や時差出勤など、柔軟な勤務時間で働いた経験はありますか」と尋ねたところ最も多くの人が経験していたのは「短時間勤務」で42.1%。次いで「短日数勤務」30.6%、「時差出勤」20.7%と続きました。一方、「該当しそうな経験はない」と回答した人は35.2%と1/3強でした。

柔軟な勤務時間で働いた経験がある人に「柔軟な勤務時間で働いた際、同僚たちに後ろめたさを感じたことはありますか」と尋ねたところ、「同僚たちに後ろめたさを感じたことはない」が57.7%と最も多かったものの、「同僚たちより早く帰宅することに後ろめたさを感じた」と回答した人も29.8%と3割近くいました。

また、「あなたは社会に出てから、在宅勤務など、勤務時間以外の条件で柔軟な働き方を経験したことはありますか」と尋ねたところ、最も多くの人が経験していたのは「副業・兼業・複業・Wワーク」27.4%、「在宅勤務(一部出勤あり)」22.8%、「在宅勤務(原則出勤なし)」11.6%と続きました。

一方、「該当しそうな経験はない」と回答した人は50.9%と過半数に及び、柔軟な勤務時間を経験した人よりも勤務時間以外の条件で柔軟な働き方を経験したことのある人の方が少ないことがわかります。

後ろめたさについては「同僚たちに後ろめたさを感じたことはない」と回答した人が7割を超えており、勤務時間と比較して、勤務時間以外の条件で柔軟な働き方を経験したことのある人の方が、後ろめたさを感じていない人の比率が高いという結果となりました。

コロナ禍の今も、人口は減少し続けています。ワクチン接種が進み経済が回復基調となった際、GDPなどの経済指標をコロナ禍発生前よりも高い水準に引き上げていくためには、個別事情と折り合いをつけて柔軟に働きたいと考える人材の戦力化を含めた労働力確保が重要になると考えます。

“柔軟な働き方”が選択しやすい職場を社会に増やしていくことは、アフターコロナの経済発展の鍵を握っているのではないでしょうか。

■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:803名
調査実施日:2021年1月13日(水)~2021年1月20日(水)まで
調査対象者:ビースタイル スマートキャリア登録者/求人サイト『しゅふJOB』登録者

しゅふJOB総研所長 兼 ヒトラボ編集長 川上敬太郎氏 プロフィール

アフターコロナのGDP増加は「労働力確保」が鍵?!同僚より早く帰宅することに「後ろめたさを感じた」29.8%【しゅふJOB総研】
(画像=『しゅふJOBナビ』より引用)

川上 敬太郎(かわかみ けいたろう)/しゅふJOB総研 研究顧問 兼 ヒトラボ編集長

1973年三重県津市生まれ。愛知大学文学部卒業後、大手人材サービス企業管理職、業界専門誌『月刊人材ビジネス』営業推進部部長 兼 編集委員などを経て、2010年に株式会社ビースタイル(当時)入社。翌年、調査機関『しゅふJOB総合研究所』を起ち上げ所長就任。

仕事と家庭の両立を希望する“働く主婦・主夫層”のべ35000人以上の声を調査・分析し、200本以上のレポートを配信。2021年に独立。

“ワークスタイル”をメインテーマにした研究・執筆・講演、企業の事業支援および広報ブランディング活動のアドバイザリーなどに携わる。

人材派遣、紹介、アウトソーシングなど人材サービス事業に20年以上従事し、役員・管理職として営業や新規事業の立ち上げなど事業現場の最前線から、広報ブランディング・経営企画・人事など管理部門までを管轄。雇用・労働分野の有識者として多数のメディアに出演し、人材マネジメントから法規制まで雇用労働分野の幅広いテーマについて意見提言を行う。男女の双子を含む4児の父で兼業主夫。

Facebookページ:『ヒトラボ』編集長(2011年~)/Facebookグループ:『人材サービスの公益的発展を考える会』主宰(2016年~)/JCAST会社ウォッチ解説者/日本労務学会員

◇委員等
厚生労働省 委託事業検討会委員
民間人材サービス活用検討事業「民間人材サービス事業者のノウハウを活用した女性の復職促進検討会」(平成29~30年度)
労働者等のキャリア形成・生産性向上に資する教育訓練開発プロジェクト事業「プログラム検討委員会」(平成29~31年度)
日本人材派遣協会 派遣事業運営支援部会員(平成20~21年、24年)、内閣府 規制改革会議 雇用WG勉強会(平成26年)など

◇メディア出演
NHK『あさイチ』解説、テレビ朝日『ビートたけしのTVタックル』パネラー、フジテレビ『みんなのニュース:
ふかぼり』解説などのテレビ出演の他、ラジオ・新聞・雑誌・ビジネス系ウェブメディアなどでコメント多数

◇執筆・その他
ITメディア連載『「人材サービス」が滅ぶ日は来るのか?』/マネープラス連載『ワークスタイルの見つけ方』
他、日本経済新聞、日経MJ、時事通信、NEWSポストセブン、アーバンライフメトロなど執筆・寄稿記事多数
大学や男女共同参画センターなどでの講演、パネルディスカッションのモデレーターなども務める

提供・しゅふJOBナビ



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