私は兵庫県西宮市の「フェリーチェ法律事務所」で離婚弁護士として、様々な相談を受けています。離婚問題は女性を中心に、年間300件、のべ3000人の相談に乗ってきました。
多くの離婚相談を受ける中で自然と「結婚してはいけない人」の傾向が見えてきました。それらを見抜く“秘訣”をまとめた『誰も教えてくれなかった「離婚」しないための「結婚」の基本』(KADOKAWA刊)から、「モラハラ夫」になりやすい男性の特徴をお伝えします。
『誰も教えてくれなかった「離婚」しないための「結婚」の基本 女性弁護士が3000人の離婚相談で見つけた「パートナー選び」の絶対法則』 現在の交際相手に違和感を抱いている方、人生のパートナー選びに必要な知識を得たい方に、ぜひ読んでいただければと思います。(この記事は同書より抜粋・再構成したものです)
DV・モラハラの傾向は「改善がほぼ見込めない」
一概に、結婚してはいけないパートナーと言っても、結婚後の生活の中で、ある程度改善できるものと、まったく改善が不可能なものがあります。 誤解を恐れずに言えば、改善できない項目の傾向を持つ相手とは、そもそも「結婚してはいけない」のです。
特に注意すべきは、DV(ドメスティックバイオレンス=家庭内暴力)、モラハラ(モラルハラスメント=精神的暴力や言葉の暴力)の傾向を持つ男性です。 この2つは改善がほぼ見込めませんので、けっしてパートナーに選んではいけません。
とはいえ、DVやモラハラの資質を持つ相手には、非常に魅力的に感じる一面もあり、ダメだと分かっていてもついつい好きになってしまう人も多いのではないでしょうか。恋愛関係では、ある種危険なところも恋のスパイスとして楽しめるものです。 でも、結婚は違います。一度結婚したら、簡単に離婚はできませんし、周囲の人を巻き込む可能性もあります。子どもができたら、なおさらです。 いまの彼氏や気になる人に、これからお伝えする傾向があるかどうかくらいは把握しておいて損はありません。 ぜひ将来のパートナー選びの参考にしていただければと思います。
高学歴・エリートに多い「モラハラ」男性とは
離婚相談を受けていると、「恋人としてお付き合いしている間は本当に優しかったのに、結婚したら突然モラハラ夫になったんです!」といった悩みに頻繁に遭遇します。 夫から日常的に文句を言われ続けたり、ちょっとしたことで夫の機嫌を損ねたが最後、罵詈雑言を浴びせられる……そんな毎日はまさに地獄です。
実は、彼らは結婚後にモラハラ夫に豹変したわけではなく、そもそもモラハラ気質があったことを隠していただけというケースがほとんど。モラハラは、事前に見抜くことが何よりも大事なのです。
結婚後20年以上も経ってから、それまで当たり前だと思って我慢していた相手の態度や言動がいわゆる「モラハラ」に該当するのではないかと相談に来られ、その結果、モラハラの特徴を見事なまでにすべて備えていると分かり、呆然とするアラフォー・アラフィフの女性が増えてきました。自分はモラハラの被害者だったのだと、結婚後20年以上経って初めて自覚されるわけです。もっと早く気づいていれば別の幸せな人生もあったのに……。
「後悔先に立たず」――失った時間は二度と戻ってはきません。 なぜ、こんな悲劇が起こるのでしょうか?