キムチといえば白菜キムチが定番ですが、季節や風土、材料などにより、韓国には実は200種類を超えるキムチがあると言われています。その中には、赤くて辛いキムチのイメージを覆す白キムチや、さっぱりと口直しなるスープのような水キムチも。韓国の食卓によく並ぶ、代表的なキムチをご紹介します。
白菜キムチ(ペチュキムチ、배추김치)
キムチといえばコレ!熟成具合で種類も様々
白菜キムチは家庭や地方により薬味に使われる材料やその分量に違いがあり、味も辛さも千差万別。一般に気温の高い南部地方にいくほど薬味を多く使い、辛味と塩気が強くなる傾向があります。また、熟成具合によりいくつかの種類にわけられ、浅漬けのコッチョリ、程よい酸味で日常的に食べられるセンキムチ、発酵が進み酸味が強烈なムグンジの3つが代表的です。
センキムチ(생김치)
常備菜として食べられる熟成があまり進んでないキムチです。食堂などで通常提供されるキムチです。センキムチのセンは漢字で「生」。調理せずそのまま食べます。
コッチョリ(겉절이)
塩漬け白菜を薬味で和えて食べる熟成させない浅漬けキムチ。白菜のみずみずしさとシャキシャキ感を一番感じられます。
ムグンジ(묵은지)
漬けてから長時間経った古漬けキムチ。そのまま食べるには酸味が強すぎるため、煮物や鍋料理などに活用されます。
大根キムチ(カットゥギ、깍두기)
サクサクっと軽快な食感。角切り大根キムチ
日本ではカクテキの名でよく知られているカットゥギは、角切り大根で作るキムチ。適度な酸味とみずみずしく爽やかな大根の風味が人気。ソルロンタンやクッパの付け合せとしてもおなじみです。
かぶら大根のキムチ(チョンガッキムチ、총각김치)
独身男のキムチ?バリバリ食べたいミニ大根のキムチ
アルタリムまたはチョンガンムと呼ばれる、根に近い方が太いミニ大根で作るキムチ。「チョンガッ」とは韓国語で独身男性を意味。韓国では昔、結婚前の男性は髪を2つに結っていましたが、キムチの素材に使われる大根(韓国語でム)がおさげの形に似ていたことから、その大根をチョンガンムと呼ぶようになりました。
きゅうりキムチ(オイキムチ、오이김치)
きゅうりを丸ごと使った、さっぱり風味の夏キムチ
きゅうりに十字の切り込みを入れ、にらやねぎで作った薬味をたっぷり詰め込んで作る具沢山のキムチ。きゅうりが旬を迎える夏場が一番おいしい時期です。
大根葉のキムチ(ヨルムキムチ、열무김치)
みずみずしさとすっきりしたほろ苦さが際立つ
根が太くなる前の間引き大根で作るキムチ。ほろ苦さのあるすっきりとした味わいが特徴です。ビビンバの具として用いられるほか、冷麺や素麺など冷たい麺料理にも加えて食べられます。
白キムチ(ペッキムチ、백김치)
唐辛子を使わないあっさり味のキムチ
「白(ペッ)キムチ」という名の通り、唐辛子を使わずに漬ける辛くない白菜キムチ。子どもや辛いものが苦手な人でも食べられます。唐辛子が朝鮮半島に伝わったと見られる16世紀末までは、キムチといえばペッキムチが主流だったことから、キムチの原型としても知られています。
トンチミ(동치미)
爽やかな酸味がきめての水キムチ
丸ごと、または大きめに切った大根を塩水に漬け、熟成させた水キムチの一種。ほのかに酸味がきいた汁は口の中をさっぱりとさせてくれるため、肉料理の付け合せとしてよく提供されるほか、牛骨だしと混ぜて冷麺のスープにも使われます。
ねぎキムチ(パキムチ、파김치)
ねぎの食感を楽しめるキムチ
青ねぎの一種であるわけぎ(チョッパ)で作るキムチ。漬けたてはねぎの辛味が強いので常温に置き少し熟成させると美味しく食べられます。
からし菜のキムチ(カッキムチ、갓김치)
からし菜と唐辛子の辛みがくせになる
からし菜(カッ)のキムチ。ピリッとした辛味が熟成による酸味と調和し、ご飯が進む一品。からし菜の産地、全羅南道(チョルラナムド)・麗水(ヨス)のものが有名。
エゴマの葉キムチ(ケンニッキムチ、깻잎김치)
エゴマの香りと唐辛子の相性が抜群のキムチ
エゴマの葉(ケンニッ)を魚醤と唐辛子などで作った薬味に漬けて作るキムチ。少しクセのある爽やかな香りが食欲をそそります。
ポッサムキムチ(보쌈김치)
山海の幸をぎっしり詰め込んだ「キムチの王様」
塩漬けした白菜の葉を広げ、その中に野菜や果物、海産物、栗、なつめなどを入れて包んだ円形のキムチ。北朝鮮・開城(ケソン)地方の郷土料理として知られており、かつて王様の食卓にも並べられたキムチです。
イカキムチ(オジンオチョッカル、오장어 젓갈)
キムチだけれどキムチじゃない?!
韓国旅行のお土産として日本人に大人気のイカキムチ。生イカのコリコリした歯ごたえと甘辛い唐辛子の薬味が美味しく、お粥や白いご飯のお供に、またお酒のおつまみにもってこいです。そんなイカキムチ、実はキムチではなく「チョッカル(塩辛)」の一種。 キムチ同様、唐辛子粉を加える作り方や真っ赤な見た目から、日本ではイカキムチの名前で知られていますが、韓国では「オジンオチョッカル(오장어 젓갈、イカの塩辛)」というのが正式名称。日本語が通じない市場やスーパーで買い求めるときは、「オジンオチョッカル」で探してみてくださいね。
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