育児ノイローゼの原因6:完璧主義で手抜きができない
ママが理想の子育て像や母親像、子供像を作っていたり、「子育ても家事も完璧にこなさなければ!」と、自らを追い込んでしまったりすると、ストレスを溜めやすい傾向にあるようです。
- 1日の家事や子育てのタイムスケジュールを組んでいたのに、予定通りに進まないとイライラする
- 完璧を求めすぎて、そこから少しでも外れると「こんなはずでは」と落ち込んでしまう
- 周囲と比べて「できていない」ことが気になる 子育ては思い通りにならないことが当たり前です。計画的でしっかりしたママほどストレスを溜めてしまう傾向にあると言えます。
育児ノイローゼの原因7:息抜きの時間がない
ずっと子供と一緒に過ごしていると、自分のペースで動ける時間はほとんどありません。
- 小さいうちは特にお昼寝の時間も決まっておらず、いつ寝るか、いつ起きるかもわからない
- やっと寝たと思って家事をやろうとしたら、子供の泣き声が聞こえてきた
- 椅子に座ってお茶を飲もうとしたら、抱っこ抱っこと子供が泣きついてきた など、やりたいと思ったことができず、満足に休憩することもできず、常に子供のペースで動かなくてはならないと、想像以上にストレスを感じます。また、子供から目を離してはいけないプレッシャーから、常に緊張状態にあることもストレスの原因になるでしょう。少しの時間でも子供から解放されて、息抜きをすることを心がけてください。
育児ノイローゼの予防法・対処法
育児ノイローゼでママやパパがイライラしたり元気がなくなってしまったりすると、子供にとってもよくありません。「最近イライラしやすくなったな」と思ったら、早めに対処していきましょう。パパはママが育児ノイローゼだと感じたら、子供のためにも妻のためにも対処が必要だと認識してください。以下に育児ノイローゼの予防法・対処法を4つ挙げました。
育児ノイローゼの予防法・対処法1:完璧を目指さず、たまには手抜きもする
「子供は思い通りにならない」と割り切ってしまった方が、気持ちが楽になります。「●●をしなくてはならない」考え方をいっそやめてみたり、口に出して「まいっか」と言ってみたりするのもいいでしょう。子供のことを思えば思うほど、ママは頑張ってしまうものです。育児に絶対はありません。ママが苦しくなってしまうのであれば、手抜きしてもまったく問題ありませんよ。
ママが楽しく思えるように、適度に手を抜きながら自分に合った育児を探してみてください。筆者の場合、子供と休日を過ごす際は細かく予定を決めないことにしました。自分1人だと「何時までに支度を終わらせて、何時の電車に乗って」と当たり前に予定を組みますが、子供と一緒だとそうはうまく行かないものです。そのため「なるようになれ!」という軽い気持ちで、その時々のハプニングもできるだけ楽しめるように構えています。
育児ノイローゼの予防法・対処法2:友人と話したり、会ったりする時間を作る
症状の重い・軽いはあれど、育児ノイローゼは多くのママが経験しています。「自分だけで解決できない」「妻が育児ノイローゼと感じるが、どうしていいかわからない」などの場合には、早期に第三者に相談しましょう。相談先はいくつかありますが、まずはパパママが抵抗なく行けるところや赤ちゃん連れでも行きやすい場所がいいでしょう。
育児ノイローゼの相談先1:子育て支援センター
子育て支援センターとは、おもに乳幼児の子供とその保護者が利用できる施設です。保育士や保健師、栄養士に育児についての不安や悩みの相談ができます。同じくらいの子供を持つ親同士が交流できる施設となっているため、近くに祖父母や親族がいないママや、友人となかなか会えないママにとって、力強い味方になってくれます。自治体によって子育て支援センターのサービスはさまざまなので、住んでいる自治体に問い合わせましょう。
筆者も実家から離れて慣れない土地で子育てを始めたため、初めは誰も友人がいませんでした。子育て支援センターに通い始めると、同じくらいの子供を連れたママが何人かいて少しずつ話すようになり、ママ友が増えていきました。今でも小学校での悩みなど、なんでも打ち明け合う仲になっています。
育児ノイローゼの相談先2:地域の保健センター
赤ちゃんの健診や両親学級、乳児家庭全戸訪問事業(こんにちは赤ちゃん事業)などで、ママの多くは地域の保健センターの保健師と話したことがあるでしょう。保健センターは基本的に市町村ごとに設置されています。母子保健をはじめ、成人・老人保健や予防接種などのサービスを提供しており、子育ての支援相談の役割も担っています。
保健センターの保健師は毎日多くの赤ちゃんとママに接しているため、ママの健康や赤ちゃんの発達など母子の悩みに広く対応してくれます。近くの保健センターは自治体のホームページなどで確認できます。
育児ノイローゼの相談先3:近くの保育園
保育園に通う子供が増える一方で、家庭で育児をするママのなかには「プロに見てもらえないと不安になる」との声もあります。保育園のなかには、地域の子育てを支援する「地域子育て支援拠点事業」を担っている園も多くあります。平成30年度時点では、全国で2500園以上の保育園が「地域子育て支援拠点事業」を実施しています。
こうした保育園では、子育て支援センターを併設したり、地域の親子を対象とした保育(出張ひろば)を実施したりしています。臨床心理士や専門家を保育園に招いて子育て支援を行う園もあります。普段からこうした支援を利用していれば、ママの不調やイライラも相談しやすいでしょう。地域子育て支援拠点事業を実施して保育園について、自治体のホームページなどで調べたり、近隣の園に問い合わせたりしてください。
育児ノイローゼの相談先4:児童相談所
児童相談所は虐待に関する通告や相談を受け付けているだけでなく、18歳未満の子供に関するさまざまな相談を受け付けています。また、虐待かもと思ったら全国共通の虐待相談ダイヤル「189」を利用しましょう。通話料無料で、最寄りの児童相談所につながります。児童相談所への相談はハードルが高いと感じるかもしれませんが、相談は匿名で行うこともできて子育ての専門家とつながりやすいメリットがあります。
育児ノイローゼの相談先5:日本助産師会の子育て・女性健康支援センター
助産師の日本助産師会では、全国47ヶ所の「子育て・女性健康支援センター」で、育児や女性の健康についての相談事業を行っています。曜日や時間帯が限られることもありますが、助産師に直接相談できる場合もあります。育児がうまくいかないと、育児ノイローゼは助長されます。子供のこととママ自身のことを一度に相談できるのは、ありがたいですね。
筆者の子育てイライラ体験
筆者自身も、重症化こそしませんでしたが、上記の症状に該当するようなイライラややる気の低下などに覚えがあります。そして、出産前にはなかったような自分の状態に、正直戸惑いも感じました。
子育ての孤独さを感じ、「何とかしなければ」と始めたのが、SNSへの投稿でした。自ら発信することは得意ではありませんでしたが、子供の些細な日常をSNS上で書くようになりました。 子供を産んでからあまりにも社会との繋がりがなくなってしまったため、ただただ誰かと繋がりがほしかったのだと思います。でも、それによって「わかる!」「私もそう!」という言葉にたくさん救われました。
まとめ:子育てがつらい時は誰かに相談して
「育児ノイローゼ」は病名ではなくあくまで総称であり、原因や症状は人によってさまざまです。上記のほかにもたくさんの症状が考えられるので、「いつもと違うな」と自身の違和感を見逃さないようにしましょう。「つらい、苦しい」と感じたら、迷わず誰かに相談してください。愚痴を話すだけでもいいので、自分以外の誰かと共有してみましょう。
それでもつらい状態が解消されず長く続くようであれば、心療内科の受診も検討しましょう。育児ノイローゼは恥ずかしいことでもママが未熟なわけでもなく、誰にでも起こることです。重症化すると虐待につながる、生きることがつらくなってしまうなど、悲しい事態に発展する可能性もあるため、おかしいと感じたら早めに対処することが重要になります。
ママが笑顔でいることが子供にとって一番大事なことです。1人で抱え込まずに、日々少しずつ息抜きしながら、周りに頼りながら、自分と子供にとってベストな子育てのスタイルを探してみてください。
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