不遇をバネに成功した芸能人のなかには、お金で苦労した人も多く、飢えをしのぐためにカマキリを食べた俳優の風間トオル然り、ザリガニを食べた女優の麻生久美子然(しか)りです。二世が目立つ世界で、自分の力でのし上がったガッツと才能にはかっこよさを感じます。

 意外な一面が見えると、つい応援したくなるのが人情。今回は、過去に経済的に苦労しながらも芸能界で成功した人気者たちを紹介します。

有村架純 高校時代に週6でバイト

 女優の有村架純(28)は中学1年生のときに両親が離婚。母子家庭で育ちました。15歳の頃から女優に憧れ、オーディションを受けており、地元の兵庫・伊丹市から東京までの交通費などは自身で捻出(ねんしゅつ)。寿司店と蕎麦店でアルバイトをし、一時は週6でシフトに入っていたといいます。

店主によれば、有村の働きぶりは「真面目」。本人は当時について、16年の映画の舞台挨拶で「あまりに忙しくて両手にソバの盆を持って壁にぶつかりまして…」と苦笑いしていました。

 高校2年生で合格すると、上京。オーディションでの落選が続くも、2010年のドラマ『ハガネの女』(テレビ朝日系)でようやく役を掴み、13年のNHK朝ドラ『あまちゃん』で大ブレイク。根性の人です。

伊藤沙莉&「オズワルド」伊藤俊介 父の蒸発や借金苦

 女優の伊藤沙莉(さいり・27)とその兄、お笑いコンビ「オズワルド」伊藤俊介(31)は、幼い頃に父親が蒸発し、一家離散する憂き目にあっています。

 2人で出演した6月16日OAの『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)で語ったところによると、1995年に両親が離婚し借金苦に。住んでいた団地を出て、きょうだいはそれぞれ別々の家に身を寄せ、母は軽トラに住んでいました。

 3カ月ほどで戻れたそうで、ボロボロのアパートでも子どもたちにとっては「お城」。3枚の布団に家族全員で寝ていたといいます。

 母と育ててくれた伯母のために、「家を建てる」のが沙莉の夢。頭金は出すが、ローンについては「兄が仕事でいいところまでいったら押し付けたい」とのこと。オズワルドは今年、若手の登竜門である「第42回ABCお笑いグランプリ」でグランプリを受賞したので、支払いについて少し希望が見えたかも?

アンミカ 他人の家の4畳半に家族7人で

 幼少期に苦労した芸能人といえば、今やタレントのアンミカ(49)の独壇場。

 他人の家の4畳半に家族7人で居住、具合が悪くなったら母親が知り合いの医者に処置方法だけ聞いて病院代を節約、家族旅行は大阪の環状線に誰かが気分が悪くなるまで乗る…などエピソードに事欠きません。あまりにパンチが強すぎるため、共演した芸人から「アンミカさんと同じ回に呼ばないでください」と“クレーム”が出るほどです。

 当の本人は、「貧乏がキズだとも、恥ずかしいとも思っていない」。愛情たっぷりに育ち、物がなくても楽しく生活していたため、苦労という感覚もないそう。あのハッピーオーラ全開なのを見る限りウソではないのでしょう。

「空気階段」鈴木もぐら 高校の授業料を自分で払った

 オズワルドつながりでいえば、彼らの吉本の同期でキングオブコント2019、2020でファイナリストとなった「空気階段」鈴木もぐら(34)もエピソードが強いです。

TBSラジオ「空気階段の踊り場」

#103(19.04.05 OA) 【本編】駆け抜けてもぐら~僕と銀杏の青春時代~

もぐらと峯田さんの関係が明かされた回。#ラジオクラウド #odoriba954#行列のできる法律相談所

ラジオクラウドのアプリからhttps://t.co/nRIX6aUWiK

— 空気階段の踊り場(TBSラジオ) (@kuki_odoriba) May 2, 2021

 実家はとても貧く、ごはんは口に入ればいいという状態。友達の家で具入りのチャーハンが出てきたときは大層驚いたそうです。

 もぐらの母親は2度結婚していますが、父親は2人とも博打好きでした。その父親に教わったスロットで大学の入学金と授業料を払ったというもぐら。一時は身を助けてくれたギャンブルで、今や600万円の借金持ちになっているのも仕事上プラスに働くのかもしれません。昭和感漂う“クズ芸人”としてブレイク寸前です。

 もぐらが支払ったのは大学だけではなく、高校の授業料も自身で焼肉店などのアルバイトで稼ぎ、自身で支払って卒業しました。

 そんな高校時代に心の拠り所になったのが、銀杏BOYZの音楽だそう。ライブの出待ちをしたり、オフィシャルサイトの掲示板への投稿で、バンドメンバーにも認知されていた10代のもぐら。ボーカル・ギターの峯田和伸らにご飯をごちそうしてもらったり、地方公演ではライブの手伝いをしてホテルに泊めてもらったこともあるそう。

 芸人となった後に峯田と偶然の再会をきっかけとして、自身の番組『空気階段の踊り場』(TBSラジオ)やライブイベントにゲスト出演してもらうなど、15年以上にわたる暖かい交流が続いています。

サンシャイン池崎 親に家をプレゼント

 お笑いタレントのサンシャイン池崎(39)は、崩壊寸前の実家に住んでいる両親のために新築の一戸建てをプレゼントしました。

池崎の父親はたばこ工場を営んでおり、3歳まで裕福な暮らし。ところがタバコの火の不始末で、2年で2回も工場が全焼。極貧生活となりました。

 父親が建てた家はトタン板をつなぎ合わせたような簡素な造りで、池崎は小学生の頃、友人に「5分あれば破壊できる」と言われたそう。

 そんな“崩壊寸前”の家も、今ではサンシャイン池崎のプレゼントで平屋の2LDKに生まれ変わっています。孝行息子で保護猫のボランティア活動もする池崎には尊敬しかありません。

 この苦労が、人としての魅力を作った一つの要因かもしれませんね。

<文/女子SPA!編集部> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 女子SPA!編集部

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