母乳で子供を育てる場合、少しでも母乳が出やすくする方法のひとつにおっぱいマッサージがありますが、それでも出ないという場合は、もしかしたらやり方が間違っているのかも。助産師の池田なおみ先生に母乳マッサージを始める時期や方法について聞きました。

監修者紹介

【助産師監修】おっぱいマッサージの効果とは? いつから、どんな方法で始めればいい? 母乳にいい食べ物や生活習慣も紹介!
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

監修:助産師 池田なおみ先生 助産師・整体師・まるまる育児やトコちゃんベルトアドバイザー。1男1女の母であり、難しく考えない母乳育児や、幸せな卒乳を推奨。ママが楽に、赤ちゃんも楽に、結果、育児が楽しめるスパイラルアップとなるよう、常に研究中。オンラインやリアル講座の自由が丘みひかるサロン代表。

おっぱいマッサージとは? 効果はあるの?

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「おっぱいマッサージ」には大きく分けると2種類あります。1つ目は乳首を刺激するマッサージで、子宮の張りとの関係があるため一般的には妊娠36週からと言われています。 もう1つが基底部マッサージ。これは乳首をさわるというより、乳房の付け根のストレッチですので、妊娠初期からでも取り組むことができます。 おっぱいマッサージはどちらも

  • 母乳の元である血液の流れをスムーズにする
  • 母乳の通り道である乳管の通りをよくすること
  • 乳頭部の形を整えたり柔らかくして赤ちゃんがくわえやすいようにする などを目的に行うマッサージです。乳頭部を柔軟にしておくことで授乳を始めてからの乳首トラブルを予防することも期待できます。 直接的に分泌をふやしませんが、母乳は吸われるほど沸いてくる仕組みがありますので、吸わせやすい乳首は母乳育児が軌道に乗りやすい秘訣になります。

おっぱいマッサージを始める時期

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(画像=はいチーズ!Clipより引用)

おっぱいマッサージを始めるのに適した時期は、医療従事者によって見解が異なります。安定期に入る妊娠16週からを推奨する医療機関もありますし、乳首のマッサージは36週過ぎてからとするところもあります。妊娠中からのケアすることは基底部だけなら大丈夫ですが、乳輪・乳頭部へのマッサージは赤ちゃんにとってくわえやすい状態になることが期待できる一方、乳房への刺激がお腹の張りに繋がる場合がありますので慎重に行わなくてはいけません。 おっぱいマッサージの適切な開始時期や頻度は個人の状況にもよりますから、妊婦健診で助産師に乳房の状態を見てもらいながら相談するのが望ましいですね。

おっぱいマッサージのやり方

【助産師監修】おっぱいマッサージの効果とは? いつから、どんな方法で始めればいい? 母乳にいい食べ物や生活習慣も紹介!
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妊娠16週ごろから行うおっぱい付け根(基底部)マッサージ

◆基底部マッサージ1

  1. 右手の指を開いてからやや丸め、バスケットボールを掴むイメージで左胸の外側周辺部にあて、支えます。左肘を真横に出し、指が上になるように左手首を垂直に曲げて、左手親指の付け根を、乳房を支える右手指のさらに外側にあてます。
  2. 肩を開いたまま左肘を上下に動かします。テコの原理で、左手親指の付け根部分でおっぱいの基底部を揺する感じです。
  3. ゆっくり左右3回ずつ行います。

◆基底部マッサージ2

  1. 右手指を揃えて、小指側が肌にあたるように左胸を外側下方から支えます。左肘を真横に出し、指が下になるように左手首をそらして、小指の付け根を、乳房を支える右手の外側にあてます。
  2. 左肘を上下に動かします。ゆっくり左右3回ずつ行います。

◆基底部マッサージ3

  1. 右手の指を揃えて、小指側が肌にあたるように左胸を下から支えます。左肘を曲げて手のひらが上になるように揃えた左手指を、乳房を支える右手のさらに下側にあてます。
  2. おっぱいをすくい上げるように、左肘を中心に前腕を動かします。ゆっくり左右3回ずつ行います。

妊娠36週ごろから行う乳頭・乳輪部マッサージ

  1. 右手を左胸に添えておっぱいを支えます。左手の親指・人差し指・中指で左胸の乳頭部をつまみます。
  2. 3秒から10秒(乳首が硬いようなら長めに)、少しずつ力を加えながら圧迫します。
  3. つまむ方向や位置を変えながら、乳頭・乳輪部を1分から3分ほど圧迫します。
  4. こよりをよるように横方向にもみずらします。
  5. 縦方向に、前後にもみずらします。

出典:諏訪マタニティクリニック乳房外来-乳房管理学

妊娠36週ごろから行う、乳房全体と乳頭・乳輪部のマッサージ

乳房全体を揺するマッサージ:手のひら全体を乳房の外周に添えて行います。

  1. 乳房の両脇から真ん中に寄せ、離します。3回繰り返します。
  2. 乳房の斜め(外側)下から中心に向かって持ち上げ、離します。3回繰り返します。
  3. 乳房の真下から真上に持ち上げ、離します。3回繰り返します。

    乳頭・乳輪部のマッサージ:親指・人差し指・中指の3本で行います。

  4. 乳輪部から大きく掴むようにして、色々な方向から圧迫します。
  5. こよりをよるように横方向に捻ります。
  6. 引っ張るように前後にずらしながら縦方向に圧迫します。1~3のステップを5分程度行います。

おっぱいマッサージをやるタイミング

【助産師監修】おっぱいマッサージの効果とは? いつから、どんな方法で始めればいい? 母乳にいい食べ物や生活習慣も紹介!
(画像=はいチーズ!Clipより引用)

血行をよい状態でマッサージするために、身体が温まる入浴中やお風呂上がりがおっぱいマッサージに理想的とされます。その他のタイミングでも、身体が冷えないように気をつけ、おっぱいを蒸しタオルなどで温めながら行うと効果的です。産後の乳輪・乳頭のマッサージは授乳の直前に行うと赤ちゃんが吸い付きやすくなります。

おっぱいマッサージの注意点

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(画像=はいチーズ!Clipより引用)

乳房のマッサージは、力任せにもみほぐしては乳管を傷めてしまうことがあります。基底部から揺らしてほぐしてあげるように意識しましょう。乳頭部分は初めのうち痛みを感じることがあるかもしれませんので、無理はせず徐々に慣らすようにします。摩擦で皮膚が傷つかないように、慣れないうちはオイルなどで滑りをよくするのもよいでしょう。いずれも苦痛を感じるほどに力を入れる必要はありません。 また、妊娠中からマッサージを行う場合、適切に行わないと子宮収縮に繋がる場合があります。お腹が張りやすい、切迫気味など心配がある場合は避け、マッサージ中にもしお腹が張ったらすぐに中止しましょう。授乳期には、おっぱいの張りやしこりをほぐそうと自己流でむやみにマッサージすると、血流がよくなりすぎて余計に悪化してしまうこともありますから注意してください。