「かっこいい」と褒め忘れたら不機嫌に…

 しかし、関係が深まるにつれ、彼との付き合い続けていいものかと悩むことが増えていきました。

「出会って間もない頃からデートのたび、彼に『今日もかっこいいね』と言っていたんですが、ある日、言うのを忘れてしまって……。そしたら、すごく不機嫌になってしまいました」

「なんで今日はかっこいいって言ってくれないの」友広さんは、そう朋美さんに迫り、デート中ずっと、ふてくされた態度をとりつづけました。

「彼は自分のことをかっこいいと思っているからか、褒め忘れるということが理解できなかったみたい。『俺の顔をみたら普通、自然と出てくるでしょ』と言われました」

 この一件以来、朋美さんは友広さんとの別れを少し考えるようになりました。

 しかし、容姿さえ褒めていれば変わらず優しかったのと、また新たな恋人を探すことを煩わしく思う気持ちもあったため、ズルズルと交際を続けていました。

ナルシストすぎる“初夜”にドン引き

『女子SPA!』より引用
(画像=『女子SPA!』より引用)

そんな関係にピリオドを打つきっかけとなったのが、彼との初めての夜。ホテルでいいムードになっていたとき、朋美さんは友広さんがベッド横にある大きな鏡をじっと見つめていることに気づきました。

 すると、その視線を察した友広さんは「俺の顔を見てるだけでイケるでしょ」と言い、謎の言葉責めを開始。

「(俺の)切れ長の目が、(キミの)胸を見てるよ」「(俺の)高い鼻に、(キミの)いいにおいが入ってくるよ」など、ドン引き発言を連発します。

「しかも彼、自分の言葉に興奮してひとりで果ててしまって……」

 スッキリした友広さんは「俺とやれるなんて、幸せ者なんだからな」となぜか勝ち誇った表情。

サイテーすぎる捨て台詞に、苦笑い

 あまりにも自分のことが好きすぎて、さすがについていけない……。その日、そう痛感した朋美さんは3日後、別れ話を切り出しました。

「そしたら、『こんないい男をふって、絶対後悔するぞ、ブス』と言われました。どんだけ自分に自信あるんだよと、もう笑っちゃいましたね」

 自分を愛する気持ちを持つことは、大切です。けれど、客観的な視点で自身を見つめ、驕らないことも同じくらい大事。友広さんと出会ったことで、そう気づいた朋美さんは、前よりも少し自分のことが好きになれたと言います。

「相変わらず自信がありそうな人は魅力的に見えてしまいますが、この人は他人のことも大切にできるのかなと考え、恋愛モードになってしまう自分にブレーキをかけることができるようになりました」

 そう語る朋美さんは友広さんと過ごした日々にある意味、感謝しているそう。彼女にとって、このドン引き経験は幸せな恋愛を手に入れる肥しとなったのでしょうね。

<取材・文/古川諭香> 古川諭香 愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291

提供・女子SPA!



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