紀伊半島の南部、和歌山県那智勝浦町にある那智の滝。熊野灘に面する海岸沿いから、およそ5kmほど内陸に入った紀伊山地の深い山の中に位置する滝です。茨城県大子町にある袋田の滝、栃木県日光市にある華厳の滝と並んで日本三名瀑にも数えられるほどの有名な滝ですから、誰しも一度は訪れてみたいもの。今回は、そんな那智の滝と世界遺産にも登録されている熊野古道をお手軽に散策することの出来る大門坂を紹介していきたいと思います。
これが那智の滝だ!
落差133m、銚子口の幅13m、滝壺の深さ10m。流れ出る水の量はなんと毎秒1トン程度にも及ぶと言われ、まさに圧倒的なスケールを誇る那智の滝。
国内には落差300mを超す富山県立山町の称名滝など、まだまだ大きな落差を持つ滝は幾つかありますが、一段の落差においては、こちらの那智の滝が日本一の高さ!元々は、周囲にある大小様々な滝を総称して「那智四十八滝」と呼んでいたので、またの名を「一の滝」とも言います。
3本の筋になって流れ落ちた水が、途中で1本の太い滝筋となって力強く流れ落ちるその様子はまさに圧巻の一言!ドドドドドと勢い良く水の流れ落ちる音も相まって、私たちにより一層滝の臨場感や迫力というものを伝えてくれます。
滝そのものがご神体として祀られる那智の滝
圧倒的な迫力で、勢い良く水が流れる様子を私たちに楽しませてくれる那智の滝ですが、冒頭にある写真のように滝を正面から望む場合、飛瀧(ひろう)神社の境内から那智の滝を望むような格好となります。
こちらの飛瀧神社は、世界遺産にも登録されている熊野那智大社の別宮にあたる神社になりますが、本殿や拝殿などと言ったものはなく、こちらの那智の滝そのものをご神体として祀っている神社です。
熊野那智大社へと続く県道から、背の高い立派な杉林に囲まれた石段の階段を降りていくと、目の前に突如としてドン!と現れる立派な那智の滝の姿は、古代より滝そのものがご神体として崇められてきた理由が良く分かるような、そんな神秘的な神々しさをも私たちに感じさせてくれるのです。