ロバート・A・ハインラインの名作SF小説をもとに、舞台を日本に移し、1995年から2025年へタイムスリップした主人公が、愛する人と自分の人生を取り戻そうと奮闘する映画『夏への扉 -キミのいる未来へ-』が公開中です。
主人公の宗一郎(山﨑賢人)がタイムスリップした2025年に現れ、バディのように連れ添う人間そっくりのロボットを演じた藤木直人さんにインタビュー。映画の話はもちろん、芸能界デビューから丸26年となる藤木さんのスタンスを聞きました。
賢人くんは飄々としてるのがいい
――名作SFが原作ですが、日本版へと新しく生まれ変わっています。オファーを受けた理由は?
藤木直人さん(以下、藤木)「賢人くんと一緒にやれるというのが一番の大きな理由ですね。賢人くんとバディものをやれるという」
――山﨑さんとは再共演(ドラマ『グッド・ドクター』)ですね。改めて感じたことはありましたか?
藤木「飄々としているのがいいですよね。三木(孝浩)監督はだいぶ前にも賢人くんとお仕事していますが(映画『管制塔』)、“鈍感力”みたいな話をされていたのが『なるほど』と思いました。ほかの作品も含めて、賢人くんは作品を背負うことが多いわけで、しかも大きな企画が多い。そのなかでもテンパらずにいつも飄々といてくれるのは、それだけで頼もしいし、みんなで協力したくなるし、彼にいろんな役をやらせたくなるのもよくわかります」
瞬きナシの演技に挑戦
――藤木さんの演じたロボットのピートは映画オリジナルですね。
藤木「三木監督からお手紙をいただきまして、『1995年は猫のピートが宗一郎のことを見つめている。2025年はロボットのピートが、代わりに見つめる役になってほしい』といった趣旨のことが書いてありました」
――ロボットを演じるにあたって、“瞬き”をされないようにしていたとか。
藤木「2025年に行ってからは、僕が相棒というかバディのように、常に宗一郎と一緒にいます。あまりロボットっぽさを出すと見ている人が疲れるかなと思ったので、必要最小限の動きにしようと思っていました。そのうえで、瞬きという人間的な動作を、しなくてもいいのだったらしなくていいかなと思いましたが、そうはいっても僕自身は人間なので、そこに注目されてしまうと『これ、瞬きじゃね?』みたいなところもあるかと(苦笑)。
自分で勝手に少なくしたいと思って、するならゆっくりしようとか、それくらいのことだったんですけど、監督が編集のときに気付いてくださって、『気づいたときに鳥肌が立った』とおっしゃってくださったので、その言葉を聞けただけで僕としては満足です。そこを注目して観る作品ではないので(苦笑)」