『わたし史上最高のおしゃれになる！』『お金をかけずにシックなおしゃれ』などの著書があるファッションブロガー小林直子さんが、愛用しているアイテムをご紹介します。
白Tシャツは選ぶのが難しいアイテム
いつでもどこかで売られていて、多くの人が1枚は持っているか、あるいは持っていたことがあるであろう白Tシャツは、実際のところ着てみると、これほど違いがあるものだろうかと感じずにはいられないほど、その名称、素材や構造とは裏腹に、自分にとっての、これはという1枚を選ぶのが難しいアイテムでしょう。
白いコットンの、メリヤスと呼ばれる縦横に伸縮する編地でできたそれは、もともと下着であるがゆえ、ちょっと間違った選択をすると、だらしなく見えてしまうアイテムの代表です。
そしてこれもまた残念なことに、この頼りないコットンの編地は、着る人の肉体をそこはかとなく見る者に感じさせ、その肉体が若いか、あるいは鍛えられたものであるならばいいものの、そうでないとなると、鏡の中の自分を見て、自分でさえもがっかりしてしまうような、危険なアイテムでもあるのです。
そのため、年を取れば取るほどに、膨大な選択肢の中から自分に最も適した白Tシャツを選ぶのは、簡単なことではなくなります。
流行のシルエットが変化
面倒な問題はこれだけではありません。流行のシルエットという問題があります。
どういうことかというと、そのときの流行によって、身体にぴったりしたタイトフィットが素敵に見えるときと、逆に身体と衣服の間にたくさんの空間ができるビッグシルエットのものが素敵に見えるとき、またどちらにも振れていない、ほどほどがよいときといったように、同じ白いTシャツでも、シルエットによっておしゃれに見えるかどうかが変わってきてしまうのです。
自分にはぴったりである、だけれども、それは今の時代の気分のシルエットではない、そんなことが白Tシャツではよく起こります。
特に長く続いたタイトフィットの白Tシャツ時代は厄介（やっかい）でした。身体の線はそのままわかるし、中に着る下着にも気を付けなければならないしと、多くの人があの「ピチT」には難儀したことでしょう。
久しぶりに白Tシャツを選んでみた
シンプルでありふれたものであればあるほど、自分の思うどおりのものを見つけるのは難しいのです。そして、年を取れば取るほどに、その難しさは増していきます。そんな理由もあって、私は長年、あえて白Tシャツには手を出さずに過ごしてきました。
しかしここへきて外出自粛生活です。近所に買い物へ行く以外の用事はめっきり減り、各種イベントもすべて中止。毎日会う人の数も限定されてくるようになった結果、快適で、リラックスでき、機嫌よく過ごせるようなものを着たいと思うようになりました。そこで久しぶりに気分が明るくなりそうな、白いTシャツでも買ってみよう、と思いつきました。
今、私が白Tシャツに望むのは見た目がよいことや、流行のシルエットよりも、ストレスがふえないこと、そして、いい気分を保てるものであることです。そこで選んだのが「ピープルツリー」のオーガニックコットンの白Tシャツ。
これまでも何度かピープルツリーのカットソーを買ったことがありましたが、白Tシャツは初めて。
