兵庫県朝来(あさご)市にたたずむ、竹田城跡。秋が深まるにつれて、雲海に包まれる絶景を見られるチャンスも増えてきます。その雲海を見る方法として、竹田城跡の中まで行き、まるで雲の上に立っているかのような体験ができる「中から」と、「立雲峡」と呼ばれる場所から雲海に浮かぶ竹田城跡を眺める「外から」の二つあります。この立雲峡から見る風景は、しばしばメディアでも紹介されており「日本のマチュピチュ」と称賛されています。中と外の両方から楽しめる竹田城跡の雲海について、今回まとめてみました♩

「日本のマチュピチュ」竹田城跡

【兵庫】「日本のマチュピチュ」竹田城跡の雲海を見る方法1.jpg
(画像=ポムラぽむ、トリップノートより引用)

マチュピチュとは、ペルーにある古代インカ帝国の遺跡で、アニメ『天空の城ラピュタ』のモデル地ともなった場所です。そのマチュピチュに似た幻想的な絶景を望める場所が日本国内に数多く存在するのですが、その一つが、竹田城跡です。

竹田城跡がある場所は、兵庫県の中央部分にある朝来(あさご)市に位置します。竹田城「跡」ということで、お城自体は存在せず、石垣のみが当時の姿のまま残されています。

そんな竹田城跡は、2006年に「日本100名城」に選ばれ、2012年には高倉健さん主演の映画『あなたへ』、2014年にはNHK大河ドラマ『軍師官兵衛』のロケ地になりました。それがきっかけで訪れる人が増え、今もなお増え続けています。

そして、観光客が最も多くなるのが、今回紹介する秋の雲海の時期。この雲海については、「竹田城跡の魅力は、国内にある有名な城とは異なる“美”が存在しており、累々たる石垣群や近くの川から霧が発生し周囲を取り囲む“雲海”が、まるで天空に浮かびあがっているように見える神秘的なところだ」と、アメリカの経済新聞紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』で報じられているほどです。

この幻想的な姿から、いつの頃からか「天空の城」や「日本のマチュピチュ」と呼ばれるようになりました。

雲海が見える条件や時期、竹田城跡への早朝登城について

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(画像=ポムラぽむ、トリップノートより引用)

雲海はなぜ発生するのでしょうか。放射冷却という言葉を一度は耳にしたことがあると思いますが、日中に暖められた地表は夜間、大気へと放出されていき、地表近くの温度を下げようとします。この現象を「放射冷却」といいます。そして地表近くの風が弱いと、その冷えた空気は低地にとどまります。その状態を上から眺めると、雲海のように見える、そういった仕組みです。

このことから以下が、雲海が見える条件となります。

雲海が見える条件 

  • 1.深夜から明け方にかけて、天気が良い日 (雨の日は、雨霧雲海が発生する場合も!)
  • 2.前日の日中と当日の早朝の気温の差が大きいこと(最低気温と最高気温の気温差10℃以上)
  • 3.風がない(ただし、風の影響で違う地域で発生した雲海が流れてくる場合もあります)

このように、気象状況にとても左右されるため、事前に天気予報を確認するのもいいでしょう。朝来市の観光情報サイト「あさぶら」内にある「勝手に雲海予報」というページを確認するのもおすすめです。

雲海が見える時期

  • 9月~12月 

竹田城跡周辺の雲海は、晩秋に発生しやすいと言われています。ですので、特に、10月、11月がもっとも濃い雲海が出やすいです。

また、12月下旬以降に登城される場合は、雪が積もっていることがあるので十分注意が必要です。加えて12月からは竹田城跡に入場できる時間が変わりますので、公式サイトのウインターシーズンの登城についてのお知らせもご参照ください。

雲海が見える時間帯

  • 明け方頃から午前7時半頃まで

雲海を見ることができるのは、「太陽が出てきて地表が暖められるまでの時間」と限られているのため、こんなに朝早い時間帯になっていまいます。

また秋の雲海シーズンの時期には、竹田城跡への登城開始時間が午前4時~となるため、竹田城跡の中に入って雲海を望むことができます。ちなみに雲海シーズンの最終登城受付時間は午後4時30分、午後5時までが営業時間となります。

竹田城跡へ早朝登城を行う際の装備

雲海を見るためには、朝早くに登城する必要があります。また、前日よりも冷えている日のほうが雲海は発生しやすいので、防寒対策もしたほうがいいですね。以下に、竹田城跡への早朝登城を行う際に持参すべき3つの装備を紹介します♩

懐中電灯

明け方までに目的地に着くためには、深夜の暗闇のなかを歩くことになります。道中に電灯は設置されていませんので、懐中電灯の持参は必須です。

雨ガッパ

雲海は冷えた空気の固まり、つまり水蒸気の固まりです。雲の中に包まれてびしょ濡れになる可能性がありますので、念のための備えとして持っていくことをオススメします。

防寒具

先ほどもお伝えしましたが、明け方の冷える時間帯、そして、前日よりも冷え込むほうが雲海が発生しやすいので、フリース、ジャンパーなどを持参して寒さ対策をしましょう。雨ガッパで、防寒と防水対策をするのも一つの手です。

歩きやすい靴

竹田城跡の途中まで、バスやタクシーを利用することもできますが、それでも約20分~1時間は必ず歩く必要があります。また、雨の日の後は足元がぬかるみますので、汚れてもいい靴を履いていくのがオススメです。

竹田城跡の「中から」望む雲海!空中に浮かぶような体験を

【兵庫】「日本のマチュピチュ」竹田城跡の雲海を見る方法1.jpg
(画像=ポムラぽむ、トリップノートより引用)
【兵庫】「日本のマチュピチュ」竹田城跡の雲海を見る方法1.jpg
(画像=ポムラぽむ、トリップノートより引用)

雲海を見るためには、早朝に竹田城跡に到着する必要があることがわかりましたね♩ ここからは、まず、竹田城跡の「中から」雲海を見る方法を紹介します。

ルート案内

竹田城跡の中に入るためには、以下の4つのルートのいずれかを選択して進みます。こちらの竹田城跡アクセスマップも参考にしながらご覧ください。

(1)南登山道:竹田駅から徒歩約60分(タクシー利用時 徒歩約20分)

こちらのルートは、徒歩で行くかタクシーを利用するかのどちらかを選ぶことができます。タクシーを利用する場合は、竹田城跡中腹(スタッフ駐車場)まで行き、そこから約20分間歩けば竹田城跡に着きます。雲海シーズンは、午前4時から通行が可能です。ちなみにこちらの南登山道は、タクシーを除く一般車両は進入できません。

タクシーを予約をすることもオススメですので、確実にタクシーをつかまえたい場合には朝来市内タクシー情報もご参照ください。

(2)表米神社登山道:竹田駅から徒歩約40分

急な坂道と階段が460段ある、険しい登山道です。

(3)駅裏登山道:竹田駅から徒歩約40分

こちらは一般的な登山道です。

(4)西登山道:山城の郷から徒歩約40分(タクシー利用時 徒歩約20分)

「山城の郷」とは、竹田城跡から最も近い休憩所のことです。2018年9月現在は、2018年7月7日に発生した大雨による土砂崩れの影響で通行止めとなっているため、復旧するまではJR竹田駅から出発する上記の(1)~(3)の方法をご利用ください。(※2018年11月1日(木)に、こちらのルートも復旧予定となっています)

竹田城跡の「外から」!雲海に浮かぶ竹田城跡の絶景を望む

【兵庫】「日本のマチュピチュ」竹田城跡の雲海を見る方法1.jpg
(画像=PIXTA、トリップノートより引用)

雲海に浮かぶ竹田城跡の絶景は、立雲峡という、竹田城跡から円山川を挟んで反対側にある朝来山中腹の、展望スポットに行くと見ることができます。

雲海を見るためには、3か所ある展望台のいずれかまで歩いて行く必要があります。以下にそのアクセス方法をご紹介します。ちなみに、3か所ある展望台のうち、一番見える場所から、第1展望台、第2展望台、第3展望台、となっています。

ルート案内

立雲峡周辺にある駐車場は、以下4か所。

  • B1:竹田城跡・立雲峡駐車場
  • B2:竹田城下町観光駐車場
  • C1:竹田まちなか観光駐車場
  • D:立雲峡駐車場

竹田城跡アクセスマップも参考にしながらご覧ください。

ちなみにC1「竹田まちなか観光駐車場」の利用可能時間は午前7時から午後9時までですので、早朝の雲海を見るためには、ほかの3つの駐車場がよさそうですね。

D:立雲峡駐車場から行く場合

C1を除く3つの駐車場のうち、展望台に一番近い駐車場は、Dの立雲峡駐車場です。そこから、第3展望台まで徒歩約5分、第2展望台まで徒歩約20分、第1展望台まで徒歩約40分です。駐車可能台数が50台と限りがあるので、お早めにお越しください♩

B1:竹田城跡・立雲峡駐車場、B2:竹田城下町観光駐車場から行く場合

B1の竹田城跡・立雲峡駐車場から展望台までの各所要時間は、第3展望台まで徒歩約35分、第2展望台まで徒歩約50分、第1展望台が徒歩約70分です。B2の竹田城下町観光駐車場からの所要時間に関しては、B1駐車場の所要時間にそれぞれ約10分を加えてください。

JR竹田駅から行く場合

もし、JR竹田駅から立雲峡まで歩いていく場合、それぞれの所要時間は、第3展望台まで徒歩約45分、第2展望台まで徒歩約60分、第1展望台が徒歩約80分かかります。いずれにしても、しっかり体調を整えて挑んでくださいね♩