女優の深田恭子が、適応障害のため芸能活動を一時休養することを発表したのは5月26日のこと。昨年の春から体調を崩すようになり、当面は治療を優先して回復に努めるといいます。

深田は7月スタートのフジテレビ連ドラ『推しの王子様』に主演することが決まっていました。クランクインは6月初旬を予定。そこで白羽の矢が立ったのが比嘉愛未でした。

比嘉愛未「もうやるっきゃない!の覚悟です」

 2006年のNHK朝ドラ『どんど晴れ』でヒロインを務めて以降、『コード・ブルー -ドクターヘリ・緊急救命-』(フジテレビ系)などに出演。仕事の姿勢や真面目な人柄への評価も高いと評判の女優です。

 制作スタッフからも「一度一緒に仕事をしたら、絶対また仕事をしたくなる」と熱い信頼を寄せられているそう。比嘉は5月30日に更新したSNSで、「もうやるっきゃない!の覚悟です」と気合を見せています。

『女子SPA!』より引用
(画像=『女子SPA!』より引用)

交代劇は4日にもありました。現在放送中のドラマ『リコカツ』(TBS系)で主人公の父親役だった佐野史郎が、腎臓機能障がいで入院のため緊急降板。7日放送回から平田満が代わりを務めています。

 緊急時に声がかかるということは、それだけ信頼と実力があるということ。代役を引き受けて評価を“爆上げ”した俳優を見ていきましょう。

宮沢りえ 急病の天海祐希の舞台に2日半でノーミス

 13年5月、女優の天海祐希が軽度の心筋梗塞で舞台『おのれナポレオン』を途中降板。中止・延期が検討されるなか、演出の野田秀樹が代役に指名したのが宮沢りえ。「これで結果を出したらトップ女優になる!」と口説いたとか。

 本番まで残された時間は2日半。大幅なセリフの変更、昼夜問わずの稽古――出演者全員が一丸となり全4公演を走り抜けた結果、千秋楽で3度のカーテンコールを受けるほど大成功を収めました。

カンペや黒子を使わず、しかもノーミスだったという宮沢。

 若かりし頃は“ドタキャンする側”でしたが(1995年の映画『藏』の主人公を降板。ポスターなどの名前の並びに宮沢サイドが腹を立てたといわれ、一色紗英が代役を務めた)、天海祐希の代役で大幅に株が上がったのは言うまでもありません。

賀来賢人 不祥事の小出恵介のドラマに登板

 俳優の小出恵介が未成年飲酒と淫行で活動休止を発表したのは2017年6月のこと。人気者だっただけに出演が決まっていた作品も少なくなく、その1つが同年の夏ドラマ『愛してたって、秘密はある。』(日本テレビ系)でした。

 福士蒼汰演じる主人公の恋人の兄という役で、放送開始は7月中旬。この事態に名乗りをあげたのが、小出の事務所(当時)の後輩である賀来賢人でした。

 賀来はこのクール、2本のドラマ(TBS系『わにとかげぎす』、WOWOW『アキラとあきら』)に出演。8月からはミュージカル『ヤングフランケンシュタイン』が開幕と、4作品を同時並行。しかもちょうど第1子が生まれたばかりで、家庭も大変だったと推測されます。

 殺人的スケジュールもこなせる力を見せた賀来。これが翌18年から始まるブレイクの序章だったのかもしれません。

渡辺大 成宮寛貴の電撃引退でドラマ撮り直し

 薬物使用疑惑で16年12月に芸能界を電撃引退した元俳優の成宮寛貴。現在は本名の平宮博重(なりみや・ひろしげ)としてアパレルのディレクションなどを行なっています。

 平宮氏は引退時、テレビ朝日系ドラマ『就活家族~きっと、うまくいく~』への出演が決まっていました。すでに4話まで撮影が進んでいたといいますが、急きょ渡辺大で撮り直し。

父は渡辺謙、妹は杏と芸能一家に育ったサラブレッドだからこそ、このピンチをしのげると制作側も踏んだのでしょうか。影響があったのは2日ほどで、無事難局を乗り越えました。