フランスの家庭では、一般的にもよく行われているリノベーションやDIY。日本ではまだまだハードルが高いと感じる方も多いかもしれません。でも、インテリアにこだわりたいと思っていたり、いつか「パリのアパルトマンみたいな素敵な部屋で暮らしてみたい」と思っていたり、そんな理想のお部屋がある方には、リノベーションはおすすめです。
今回は私が築15年の中古物件をリノベーションしたお話を交えながら、リノベーションやDIYの楽しみをご紹介したいと思います。
海外インテリア風に、クラシックなテイストをちりばめて
日本ではなかなか見かけないようなオリジナリティあるデザインができるのがリノベーションのいいところ。我が家では、海外のインテリア雑誌に出てくるようなクラシックなテイストを取り入れることにしました。
海外のインテリア雑誌を集めたり、海外のドラマや海外の料理系youtuber、インスタグラマーまで、普段から眺めていた好みのインテリアを改めて徹底リサーチ。最後は参考画像をまとめてピンタレストに集めて検討しました。
せっかくリノベーションするなら、とことん自分の好みに向き合って理想の部屋を思い描くことが大事!もちろん後々予算との兼ね合いで諦めることも出てくるかもしれませんが、まずは思いっきり理想を描いて、そこから現実的に絞っていくのが良いそうです。
集めた写真の中で、特に多かったのがかまち扉と真鍮のドアノブでした。このディテールを生かすために、全体をクラシックなスタイルにすることにしました。そこからキッチンやクローゼットのデザインを決定。デザインはもちろん、たくさん収納できるところも気に入っています。
キッチンのグレーもクローゼットのホワイトも、何十種類もあるカラーサンプルから吟味して選んだものです。色選び1つとっても好みのものをじっくり選べるのって嬉しいですよね。
おかげで収納場所というよりも、洋服を大切にディスプレイしたくなるようなそんな空間になりました。朝日のさすベッドルームで、今日は何を着よう?とこの扉を開けるのも楽しみです。
パウダールームには、丸い鏡、古材の棚、海外メーカーの洗面ボウル、白いタイルの壁と好きなディテールを盛り込んでかわいい空間に。蛇口の形もクラシカルな雰囲気で揃えました。
実はこれ、いつも通っている大好きなカフェやホテルなど店舗のパウダールームを参考に考えたもの。住まいづくりというとついつい住宅のことばかり参考にしがちですが、ときめく空間は他にもたくさんあるはず。お店だってアイデアソースのひとつです。
遊び心あるインテリアを包みこむ、床と壁
部屋の印象を大きく左右するのは一番面積の大きい壁と床ということで、リノベーションでも壁と床を真っ先に考えました。
色使いやデザインが個性的な家具が欲しいな…
壁を使ってアートをたくさん置きたいな…
夜、バーでカクテルを飲むような雰囲気のある空間にしたいな…
朝、カフェで過ごすようなウキウキする空間にしたいな…
など、欲しい家具や理想の過ごし方を考えながらお部屋のデザインを決めていくと、きっと理想の部屋が作れると思います。
我が家ではヘリンボーンの床とペイントの色壁を選びました。ヘリンボーンとは寄木細工の張り方の一種で、ヨーロッパでは高級感あるデザインとして親しまれています。
ダークグレーの壁は、大好きなイギリスのインテリアデザインナー、アビゲイル・アハーンの自宅をイメージしたもの。白よりもこなれ感が出せて大満足です。
もっとオリジナリティを出せる!家具選びの楽しみ
お部屋のリノベーションをしたら家具選びも楽しくなってきます。また、いきなり床や壁を変えるリノベーションは難しい…という方も、家具をDIYでカスタマイズしたりするだけでもお部屋の雰囲気は変わります。
ダイニングテーブルはフレンチアンティークのものをチョイスし、1つ1つ異なるデザインの椅子、インダストリアルテイストの照明など、テイストをミックしたスタイルにしてみました。統一感が生まれるのは部屋の印象を左右する壁と床をシンプルシックにまとめたからこそ。
ダイニングルームは食事場所というだけでなく、デスクワークをしたり、ホームパーティーを開く場所でもあります。だからこそ、ワイワイできたり、リフレッシュしたり、そんな空間にできたらいいなと思って今も少しずつ整えています。
専用の家具で気に入ったものがなければ、他のもので代用することも可能です。たとえば農家の方がりんごを運ぶために使用するりんご箱も、並べたり積み重ねて置くだけで即席の棚に早変わり。見せる収納としてディスプレイも楽しめます。雨風にさらされ使い古した感じがかえって魅力的。
寝室のサイドテーブルは、本物の楽器のドラムをそのまま使用しています。家具選びも、固定観念に縛られず遊び心をもって選んでみては?
壁のアクセントに飾ったウォールアート。ちょうど良い大きさや色合いがなかったので、自分で絵の具を塗って作りました。ちょっと派手目のカラーリングが、ホームバーのコーナーのいいアクセントになっています。ほかにもリビングのウォールアートや、ワイヤーアートなど、デコレーショングッズを少しずつDIYしています。
お酒を置いている棚は、ヴィンテージのトランクです。古いものと新しいものが一緒になると、インテリアの魅力がぐっと高まるように思います。リビングのフロアランプもヴィンテージ。すっかりヴィンテージにはまって、他にも少しずつ古いものを集めています。
フランスでは「Brocante(ブロカント)」といって比較的年数の浅い、気軽に手に取れるアンティークがお馴染みだそうですが、我が家にあるものはまさにブロカント。年数を経て、すこしクタッと味のある家具がお部屋に表情をつけてくれています。
リノベーション、ブロカント、ブリコラージュ。家は育てながら暮らしていくもの
実際にリノベーションをしてみて感じたのは、家づくりは自由だということ。気軽に気分で、季節で、変えていい。そう思ったら、インテリアがもっと楽しくなりました。ヴィンテージのフロアライトはお気に入りですが、いつかシェードを自分の好きなファブリックに変えてみたいな…など、少しずつやりたいことが膨らむ楽しみもあります。
フランスでは、DIYをBricolage(ブリコラージュ)と表現しますが、これは「寄せ集めてつくる」なんて語源があるくらいラフなものだそうです。きちんと作らなきゃなんて意気込みせず、今の気分でちょっと繕う。またいつでも変えてもいいものだから。そんな風に思えたら、DIYを気軽に楽しめるようになりました。
リノベーションも、ブロカントも、ブリコラージュも、古いものと共に今の住まいを少しずつ好みの空間に変えていく、そんなスタイルなのではないでしょうか。我が家もまだまだ未完成。むしろ変わり続ける暮らしを楽しんでいる、といってもいいかもしれません。自分で手を加えながら、理想の住まいを更新していく暮らし。憧れのお部屋を目指して、まずは身近なところから試してみては?
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