出会って意気投合してLINE交換。話題も合うのに、なぜか1カ月もたたないうちにフェードアウト。一体何が間違っていたのか。テンポが合うように見えて、実は合わない状況が続いていたのだろうか? 今回は、LINEのせいで価値観の合う相手を逃してしまうかもしれない危険についてお伝えしていきます。
「やった! LINE交換ができた!」
都内で働くOLのサエコさん(32歳)は、スマホを両手でギュッと握りしめた。婚活は、29歳から始めた。周りの友達や同僚のお祝儀を封筒に入れるたびに、「このお金を回収する日がやってくるのだろうか」という思いが強くなっていた。
■条件も価値観も合う男性と念願のLINE交換!
婚活を始めて3年。やっと理想の男性が現れた。大手企業勤務の千葉県在住のトモハルさん(35歳)だ。
大学時代の友達の紹介で知り合った。友達のサークルの先輩だった。つまり同じ大学出身で同世代。大学時代の思い出話もわかり合える。
それだけではない。共通の趣味もあったのだ。それは、映画が好きだということだった。
ーーこれは、いけるかもしれない。
サエコさんは先の見えないトンネルからようやく抜け出せる感触を手にしていた。
ところが、思わぬ試練が間もなく彼女の前に立ちはだかろうとしていた。
■ささいなやりとりがきっかけで……
「サエコさんは、結婚しても今の仕事をずっと続けたいですか?」
さっきまで話していた『ボヘミアン・ラプソディ』の話題が一通り落ち着いたところで、突然トモハルさんはこんな質問を投げかけてきた。
「そうですねえ、今の仕事はすごく好きなので、続けられたらうれしいなと思ってます」
特に深く考えず、そう返事をした。
「僕も今の仕事、好きです。仕事が楽しいっていいですよね」
トモハルさんからは、こんな返事が来た。
そして、そこからはまた映画の話に戻った。
「ほかに、最近観た映画でおもしろかったものありますか?」
彼女はパソコンをカタカタとならしながらLINEのメッセージを打ち込む。アプリよりもスピーディに返事を返せる。LINEをすると、彼もすぐに返事をくれる。毎晩LINEでチャットをしているような状態になっていた。やりとりは楽しい、だけど、もう出会ってから3週間が経とうとしていた。彼から電話がかかってくることもない。ずっとLINEのやりとりを繰り返すだけの日々になっていた。
ーーいつ、デートに誘ってくれるのよ!
彼女の心のモヤモヤはマックスに達していた。
そして、きっかけになったのが、当時アカデミー作品賞を受賞した『グリーンブック』という映画だ。彼女は、絶対にこの映画に誘ってくれると思っていた。だからいつまでも『グリーンブック』の話題すら出してこない彼に優柔不断さを感じていた。
そこで、彼女は思い切って彼にメッセージをした。
「あ、そういえば、『グリーンブック』も公開されたので一緒に映画に行きませんか」
本当は、彼から誘ってほしかった。もしかしたら公開されていることに気づいていないかもしれない。だったら私から言うしかない。そう思ったから切り出すことにしたのだ。
しかし……。そのメッセージに対する返信は、その日送られてくることはなかった。
■フェードアウトの意外な理由とは
あれから1週間。彼からのLINEはピタッと止まった。その日は寝てしまったのかなと思った。数日は仕事が特別に忙しくなったと思い込むことにした。けれども、もう1週間。さすがに毎日あったLINEがなくなるのはおかしい。
ーーこれで終わりって、納得いかない。
まだ付き合っているわけでもない。でも、デートに誘って1週間無視されるなんて悲しい。それよりも屈辱的だ。恥をかかせられたという怒りもある。
白黒はっきりしないままぼやっとしているのは気持ちが悪い。そこで、サエコさんはメッセージを送った。
「連絡お待ちしています」と一言だけ。
しかし、それから2週間経っても、3週間経っても連絡がなかった。さすがにこれはないわと思い、紹介をしてくれた友達に話を打ち明けた。すると、友達から思わぬ回答が返ってきた。
「あれ、もう終わってたんじゃなかったの?」
「ええ?」
「彼の方は、『いい人だったんだけれども、条件がお互いに合わなかった。残念だった』と私に連絡が来ていたわよ?」
ーーは? 条件って何? そんな話一言もしていない。
彼女の話によると、こういうことだった。
「僕は千葉県在住だから、都内で仕事を続けたい彼女とは折り合いがつきそうにない。毎日都内まで出るとしたら通勤90分はかかるからね。それに子どもを産んだときに、お互いに両親も近くにいないから、彼女が希望するような働き方を僕がサポートできそうにないし。いい人だと思うけれども、やめておくよ」
ーーええっ!? 確かに、ずっと働きたいとは言ったけど。でもうちの会社は全国に支社がある。千葉にもある。福利厚生もしっかりしているし、千葉に移ればいいと思っていた。それに通勤90分ぐらい、読書したり映画をアプリで見る時間と割り切れば耐えられるよ。
サエコさんの心は真っ暗になっていた。さらっと「ずっと働きたい」と彼に言ったことが、破局の原因になっていたとは。
■LINEで婚活が終わる原因とは?
「大事なことを伝えるのはLINEでは失礼だ」と、大人である私たちは考える。会って話さなければ、最低でも電話で話さなければという義務感を持つ。これが実は婚活の落とし穴となる。
そもそも電話をしたり頻繁に会う関係というのは、親しくなければできない。今回のように「結婚したときに共働きは難しい」とトモハルさんが思ったとしても、付き合ってもいない相手に電話で聞いたり、出会って伝えることは難しい。だからといってLINEで聞ける内容ではない。
つまり、男性は女性が気づかない間に、勝手に袋小路に迷い込んだ状態になる。それに条件のいい男性であればあるほど、女性からの誘いもあるし、紹介も多い。
「付き合う前に面倒なやりとりをしなくてもいい相手探し」に男性は気持ちがシフトしやすいのだ。
■どうすればフェードアウトの危機を回避できたのか?
サエコさんは、どうすればよかったのか。
解決策は、とてもシンプルだ。
「あなたとの結婚後の生活は順調にいきますよ」という絵をLINEのふしぶしに匂わせることなのである。
「ずっと仕事がしたい?」と聞かれたら、「したい」とただ返すだけではだめだった。
「もちろん働きたいです。うちは全国に支社がたくさんあるんで、希望の住所に合わせて転勤が可能なんです。それに福利厚生もしっかりしているし、辞めたらもったいないです」
これが、正解の答えである。
口で伝え忘れていたら、LINEで言っても良い。
「あ、結婚後の仕事をどうしたいかって聞かれた件だけど、言い忘れていたことがあるから言うね」と前置きをしてからメッセージをするとよい。
千葉に引っ越すことは簡単で、共働きも容易にできますというメッセージになる。
さらに合格点に近づく回答は次のようなものだ。
「ただ、子どもを生むとなったときは、やっぱり家族で相談して決めたいですね。私だけの人生じゃないですし」
これを付け足すことができれば、ほぼ満点だ。結婚したいと真剣に考えている男性は、結婚後に子どもが生まれたとき、ちゃんと育てられる環境を作られるかを一番に意識している。だから、ちゃんと自分なりの回答をしっかりと用意しておくことがベストだ。
LINEに書くことができれば、彼目線では彼女の「言質」を得たことになる。LINEのおかげで彼を安心させるという効果もあるのだ。
大事なことはLINEではなく、電話か会って伝えるというのが原則だが、そこまでの間柄ではない場合は「大事なことだからこそLINEに残す」という技もぜひおすすめしたい。
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