自分から別れを選んだのに、いつまでも元彼を憎む気持ちが消えない。彼にも嫌な思いをさせたいと思う自分を自覚するのは、とてもつらいことですね。ですが、それは言いたいことをすべて吐き出すことでいつか消えていきます。嫌な自分を認めてあげることが、彼を本当に忘れる第一歩です。

■別れてからも彼を憎む気持ちが止められない

「3カ月前、私のほうから別れてとお願いした元カレがいるのですが、離れ離れになった今でも憎いと思う気持ちが消えません。相手はこれまで恋愛をしてこなかった人で、私がふたり目の彼女でした。不器用なのはわかるけど、連絡もこちらからしなければ向こうから送ってくることはなく、最後の月は2回LINEが来ただけ、会ったのも2回です。会えば毎回体を求められるし、一度は生理中なのにしたいと言われたこともあって、体目当てなのかなと悩んだこともあります。

何となく信用できなくて、距離を取りながら付き合っていたのですが、何も考えずに楽しく過ごせる時間もあって、趣味も合うのでズルズルと一緒にいた感じです。彼には恋愛感情を持っていたけど、連絡が欲しいと言ってもなかなかくれないし、LINEをくれても堅苦しい丁寧語みたいな言葉なのが不満で……。いつもこっちが追いかける側にいるような寂しさに耐えられなくなって、別れてほしいと言いました。

向こうは『残念だ』と言いながら引き止めることはなく、やっぱりその程度だったのかと最後まで悲しい思いをしました。

別れてから数日はすごくすっきりした気持ちで過ごせていたのに、だんだん彼のことを思い出すようになり、そのたびに傷つけられた過去が浮かんで苦しくなります。忘れたいと思ってほかの男性とデートしてみても、帰り際には『あの人に今の私を見せてやりたい』とか『あんたなんかよりいい男はたくさんいると言ってやりたい』とか、嫌なことばかり考えてしまって楽しくありません。ひとりでいるときも、気がつけば心の中で彼に対して罵詈雑言を吐いていて、そんな自分が本当に嫌になります。

でも、実際に彼と顔を合わせたいとは思わないし、このまま疎遠でいたいです。私は本当はまだ彼に未練があるのでしょうか? 彼を忘れるにはどうすれば良いですか?」(30歳/サービス)

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解決策はたったひとつ、彼に対して罵詈雑言を吐ききってしまうことです。今、彼女の中にいる「嫌な自分」は、過去の苦しみを背負った姿。最後、彼に見せたかった、思い知らせてやりたかった心残りが尾を引いている状態です。

別れ話を持ち出したときは、そんな自分には気が付きません。冷静に“こう伝えよう”と彼に見せる姿が決まっていたので、ネガティブな気持ちが隠れていたのですね。本当は、言いたいことはほかにもたくさんあった。

後から彼に傷つけられた過去が浮かんでくるのも、汚い言葉で罵ってしまうのも、彼に対してこれまで本音をぶつけてこなかったからです。「距離を取って付き合っていた」ことが、逆に別れてから自分を苦しめています。それは、「未練」とは違う感情です。

別れた元カレが憎い…忘れたいのに気持ちが消えないのはなぜ?
(画像=『DRESS』より引用)

■ストレスを解消してほしいから傷つけたくなる

悪口が止まらない状態というのは、相手に与えられたストレスを解消してほしい気持ちがあるときです。こんな重苦しい感情を抱えているのはあなたのせいなんだから、何とかしてほしい。

でも、もちろんそれをストレートには言えません。相手に自分から近づくのも、声をかけるのも癪にさわるし、関心を向けているなんて思われたくない。そんな鬱屈した思いでいると、どうなるか。

相手にも同じように嫌な思いをさせることで、何とか自分をなだめたいと無意識に考えるようになります。例えば、次に向こうから連絡があっても絶対にスルーしてやる。会って話しかけられても無視するし、金輪際相手になんかするもんか。こんな風に相手の存在を軽んじることで傷つけ、自分が味わったつらさを思い知らせてやりたいと思うのですね。

ですが、それは相手が自分に関心を持っていることが前提です。裏を返せば自分がそれだけ相手を意識していることになるのです。そんな暗い熱を抱えて過ごしていても、向こうから一切コンタクトがなければ、結局また消化不良で終わります。自分はいつまで経っても報われないし、相手も何も変わりません。

他人の行動をコントロールすることはできません。相手を傷つけようと思えば、どうしても自分から動く必要が出てきます。そんな思いをしてまで相手に自分の感情の責任を取らせることに、何の意味があるのでしょうか。

■傷つけるなら自分も苦しむことになる

今回相談を送ってくれた彼女は、自分の感情をコントロールしながら彼と付き合ってきました。甘えたいときに素直に側に行くことも、声が聞きたいときに電話することも、「追いかける側」になっている自分を実感するのが嫌で我慢していました。そのストレスが、別れてつながりが断たれたことで行き場をなくし、今ごろ吹き出している状態です。

彼女が望むのは、元カレが苦しむこと。元カレといるときより幸せそうな自分を見せつけることで、悔しがったり寂しがったりする姿を目にすること。それが叶えば、彼女は彼も苦しんだ事実に満足できると思うのですね。

自分だけが嫌な思いをするのはおかしい。嫌な思いをさせた側にも罰が下るべき。こんな言葉で自分を正当化しながら、相手を傷つけることをよしとします。

ですがこれも、元カレがまだ自分に対して関心を持っていることが条件です。別れてから3カ月経ってもうとっくに忘れているとしたら、ほかの男性と楽しそうに過ごす彼女を見ても、何とも思わないでしょう。

そして、そんな自分を知ってもらうためには、やはり彼女のほうから関わる機会を作らないといけないのです。彼を傷つけたい、苦しめたいと思うとき、自分もまた、嫌な行動を取ることになります。

別れた元カレが憎い…忘れたいのに気持ちが消えないのはなぜ?
(画像=『DRESS』より引用)

■「嫌な自分」は彼女自身が生んだもの

これが未練なら、話はもっと簡単です。要は、まだ元カレのことが好きだけどその気持ちを認めたくないから、憎むことで存在を遠ざけようとしている。

もしそうなら、あえてそんな嫌な行動でも、実際にすることができます。わざわざ彼の前でほかの男性と仲良くして、存在をアピールすることで彼の気を引こうとするでしょう。そして彼の反応を見ながら、次の行動を考えるようになります。

でも、彼女は彼と会いたいとは思っていません。
思っていないから、いつまでも苦しみばかりが募ってどうにもならないのですね。それは未練ではなく、ただ元カレに自分の感情の責任を取ってほしいという一方的な思い。

「嫌な自分」は、彼女自身が生んだもの。

付き合っているときに、彼女が自分の気持ちに素直になれていたら、不満を溜めずにぶつかっていられたら、別れたあとに顔を出すことはありませんでした。

確かに、彼の振る舞いにも彼女を寂しくさせる原因があります。でも、それを放置したのも彼女です。恋愛経験が少ないとわかっていたのなら、不器用なのも、性欲を上手く扱えないのも、そのときに話し合う姿勢があれば、彼ももっと変わったかもしれません。

恋愛はいつだって自己責任、関係を続けることを選んだのは彼女です。「嫌な自分」を昇華させてあげるには、徹底的に罵詈雑言を吐くことが唯一の方法。

筆者のおすすめは、「紙にすべて書き出す」やり方です。やってみるとわかるのですが、憎しみをあえて言葉にするのはとても気が重い作業で、その代わり文字にすることで感情がそちらに移り、少しずつ心が落ち着いてきます。誰に見せるものでもなし、わだかまりはすべて書いてしまいましょう。

誰かに話す場合は、必ず信頼できる人を選んでください。友人でも家族でも、しっかり受け止めてもらえることが大切です。

罵る言葉はいつまでも続きません。ネガティブな感情を吐き出すのはエネルギーを使います。吐き続けていれば、いつか底が見えてきます。これ以上憎んでも仕方ないんだと思う瞬間がくれば、言葉は止まります。

そのころには、「嫌な自分」はそのとき彼に言いたかったことを全部吐ききってスッキリしているでしょう。そうしてやっと、元カレを本当に忘れることができるのです。

■自分の感情の責任は自分にある

別れた元恋人を恨んだり憎んだりする気持ちは、誰にでもあります。それは止められるものではなく、彼女のように無意識に心を縛り付ける鎖のようなもの。好きだったからこそ、苦しんだ自分が残っていると、いつまでも満たされることを望んでしまいます。

ですが、それは相手の責任ではありません。自分の感情は自分でしか解決できないのです。

そのときに言いたかった言葉を全部吐ききってしまうことで、苦しんだ自分を認めてあげましょう。それができて初めて、彼を過去にできるといえます。


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