女友達と疎遠になる時期がこれまで何度かあった。そして今、私に女友達はいない。世の大人の女性たちは、一体何人くらい女友達がいるのだろうか。既存の女友達との関係を継続するのは、新たに女友達を作る以上に難しいと思う。女性同士はそれぞれの環境の変化が原因で、疎遠になってしまうことをつくづく実感する今日この頃である。
■女友達と疎遠になると「縁が終わった」と自己完結しがち
こんなこと恥ずかしくて公には言えないけれど、私には女友達がいない。“彼氏がいない”よりも“友達がいない”方が人として恥ずかしい気がするのは私だけだろうか。
友達がいないと言うと、私が相当変わった人間だと思われるだろうが、決してそんなことはない。実際に会った人からはほぼ100%の確率で、社交的で明るくて友達も多そう、という風に見られる。実際に人間関係は全方位問題ない。
ここで言う女友達とは、「今現在、気軽に連絡して飲みにいったりお茶したりできて、近況を包み隠さず話せる同性の友人」を指す。大学時代の友達や前職の同僚、今の会社の同僚、社外の友達などはたくさんいる。ただ、今が一番仲の良い時期ではないため、連絡するのに気を使ったり、しばらく連絡していなかったりするため、気軽には連絡できないのだ。
急に連絡して相手がどう思うのかを考えると気になってしまうため、悩むくらいならいっそひとりで快適に過ごそう、といつも落ち着いてしまう。さらに、連絡できない期間が長くなり疎遠になってくると、自分から縁を切ったと思って自己完結する癖がある。そう、自分でも私は面倒な女だということを自覚している。
■環境が変わるとき、女友達と疎遠にならずにいるのは難しい
女友達との縁を切ることが多発したのは、いずれも環境の変化を迎えるタイミングだった。これまでの大きな環境の変化は3回。
ひとつめは大学入学のために上京したとき。住む場所に加え、人間関係も一新。しばらくは頻繁に帰省して、その度に高校までの友達に会っていたが、東京での生活や友達といる方が楽しくなり、段々と帰省も億劫に。
そしてふたつめは、社会人になったとき。生活において仕事が占める割合が一気に増え、同期や先輩など人間関係も倍増。この頃になると地元の友達や少し違和感を感じていた大学時代の友達とは、時間を取って会うことも面倒になっていった。
そして最後は、周りの友達が結婚・出産を迎えたとき。大学時代の友達はみんな東京近辺にいることもあり定期的に会っていたが、さすがに結婚・妊娠を迎えると関係が少しずつ変わっていった。不思議なことに30歳を迎える頃には大部分は結婚し、翌年には妊娠・出産を迎えていく。
そうなると、途端に会うにも旦那や家族の調整が必要になり、会う場所もお店ではなく誰かの家で、会う時間も昼間限定で、会うときには必ず子ども同伴。あっという間に出産する友達も増え、最近ではめっきりママ会と化してしまった。
どのタイミングでも誰かとケンカをしたわけではないので、ある時点から急に関係が変わるわけではなく、環境の変化を機に少しずつ関係値が変化していった。
■離れる時期を経て、いつか再び友達になれるとき
私は気にしすぎな性格で人間関係に悩むことが多いせいか、自分を守るためにかなり淡白な考えを持つようになってしまった。あまり相手に思い入れを持ってしまうと、あとで自分が辛い思いをすることになる。
そのため、友達でも無理に関係を続けるようなことはせず、お互いに必要な時期が過ぎれば一度離れた方が良い、疎遠になっても良い、と考えるタイプ。そして一度離れたらそれで最後だとも思っている。
しかし、あるとき『DRESS』を読んでいて、目からうろこが落ちた。「女友達は30代の頃に一度関係が疎遠になっても、50歳を過ぎればまた仲良くなる」といった内容のコラムだったと思う。
このコラムを読んでから、自分の考えが変わった感覚がある。これまでは女友達との関係が疎遠になる度に(自分勝手だが……)、その女友達はもう自分には必要のない人だと思って、縁を切る感覚を持っていた。
でも、人生において仲良くなったのも、何かの縁。一度離れても、お互いにまた縁がまわってきてまた近づくこともあるんじゃないかと。縁を切るという感覚は自分でも辛かったことに気づいて、少し楽になれた。
女友達とまた仲良くなったときに、一緒に過ごした頃の思い出や会えなかった時期の出来事をたくさん話せたら、きっと楽しいだろうな。いつ来るのか、本当に来るのかわからないけど、今からそのときが楽しみである。
提供・DRESS(「人生を守る知恵、未来を歩く地図」となる言葉や人物、文化を伝えるウェブメディア)
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