今年は一気に暖かくなり、すでに早めの梅雨が訪れたエリアも。しばらくパッとしないお天気が続きそうですが、そんな時こそどっぷりドラマや映画の世界に浸ってみてはいかがでしょうか。
今回は、PARISmagのライターmeiさんに、Netflixで観られるドラマと映画をご紹介いただきます。物語の展開がおもしろいことはもちろんですが、非日常的な世界観に思わずうっとりしてしまう作品ばかり!インテリアやファッションを楽しみながら、強い芯を持つ美しい女性キャラクターたちにも注目です。
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60年代のさまざまな国へ時間旅行!『クイーンズ・ギャンビット』
1950~60年代のアメリカを主な舞台に、チェスの天才少女ベス・ハーモンの成功と苦難を描いた、Netflixオリジナルドラマ『クイーンズ・ギャンビット』。チェスがテーマのドラマにはなりますが、登場人物たちの内面を丁寧に視覚的に描いているので、チェスが分からなくても楽しめる作品になっています。
舞台が1950年代〜60年代なこともあり、インテリアデザインやファッションがとにかくレトロでかわいらしい!
グリーンのお家やブルーが基調の調度品、花柄の壁紙など…普段の生活では見られないインテリアに心が弾みますし、ベスはチェスの大会のためにベルリンやパリやロシアなどあちこちを旅するので、60年代のいろいろな国の雰囲気も楽しめます。
ベスのカラフルでクラシカルなファッションも大好きで、襟付きのブラウスにフレアスカートを合わせるコーディネートなど、こっそり参考にしているほど!
もちろん内容も手に汗握るような展開ばかりなので、色々な角度から楽しめるドラマだと思います。
シーンごとのカラフルなファッションに注目!『エミリー、パリへ行く』
Netflixのみの配信でありながら、世界中で話題になった『エミリー、パリへ行く』。以前、PARISmagでも紹介しています!花の都パリで、仕事に恋に友情にと成長していくエミリーが主役の物語。
こちらのドラマで登場するパリは、シカゴからパリへ赴任したエミリーの目線で描かれているため、フランス映画の『アメリ』とはまたひと味違ったポップな印象を受けます。
お花屋さんやパン屋さんへ足を運んで写真撮影をしたり、ライトアップされた夜の街を散歩したりするエミリーを見ていると、思わず自分もパリに住んでいるかのような気分に…!
ニューヨークファッションの代名詞とのいえる『セックス・アンド・ザ・シティ』の衣装デザイナー、パトリシア・フィールド氏が手がけるエミリーのカラフルなファッションも要チェック。シャネルにディオール、クリスチャン・ルブタンなど、憧れのラグジュアリーブランドをさらりと着こなすおしゃれな彼女からは、たっぷり刺激をもらえます。
1話30分ほどで気負わず観られるので、フランスのカルチャーやファッションが好きな方はぜひチェックしてみてください。
ロンドンの華族をモダンに描いた『ブリジャートン家』
19世紀初頭のイギリス、ロンドンを舞台に、ロンドンの社交界でその名を知られるブリジャートン家の8人兄弟が、それぞれの愛と幸せを追い求める姿を描いた『ブリジャートン家』。貴族の華やかな恋愛模様やゴシップが展開される一方で、現代の私たちも共感できるポイントが随所にちりばめられている、普遍的なロマンスドラマです。
こちらの作品を観始めてまず目を奪われるのは、煌びやかな衣装とセット!ブリジャートン家の長女、ダフネ・ブリジャートン(フィービー・ディネヴァー)はもちろん、登場人物全員が華やかなカラーでシルエットの美しいドレスに身を纏い、さまざまな社交界に参加します。
日常のシーンでも家具や化粧品、お茶会のカトラリーなど細かいところまでこだわりが感じられ、ついつい一時停止してじっくり眺めてしまうほど。
時代劇とはいえ、ロンドンの華族をモダンかつスキャンダルに描いていることから、巷では時代劇版『ゴシップガール』とも言われている『ブリジャートン家』。
目まぐるしく変わる衣装やセット、展開に、一度観出したら止まらなくなってしまいますよ。
どこを切り取ってもフィルム写真のように美しい映画『キャロル』
『キャロル』の舞台は1952年、クリスマス間近のマンハッタン。デパートのおもちゃ売り場でアルバイトとして働くテレーズ(ルーニー・マーラ)が、大人の女性キャロル(ケイト・ブランシェット)に出会うシーンから物語は始まります。年齢も生活環境も異なるふたりの女性が心を通わせていく様子を、16ミリフィルムで繊細に描いた作品です。
全体を通して、少しくすんだトーンが印象的。指揮を取ったトッド・ヘインズ監督はニューヨークの写真家ソール・ライター氏の写真を参考にしているそうで、どこを見てもフィルム写真のように美しい映画です。
なかでも注目していただきたいのは、主人公ふたりの対照的なファッションと、インテリアデザイン。若さあふれるテレーズはタータンチェックのワンピースやこっくりした赤いニットに身を包み、シンプルで無機質な部屋で過ごしています。一方でキャロルは毛皮のコートを羽織り、家にはグランドピアノが置いてあったり、ウィリアムモリス柄の壁紙が貼られていたりと、上品で洗練された雰囲気。
そんな大人の女性キャロルはもちろん、キャロルと出会ったことで、服装や雰囲気が少しずつ変化していくテレーズからも目が離せません。
定番だけど、やっぱり外せない。フランス映画の代表『アメリ』
2001年4月に公開し、本国フランスだけでなく日本でも大ヒットを記録したフランス映画『アメリ』。絵画を観ているような感覚になるほど芸術性の高い映像作品ですが、何より私の心を捉えて離さないのが、アメリの暮らすお部屋!赤い壁に、緑のクッション、ゴールドの額縁の絵画やどこかレトロなシェードランプなど。小物ひとつをとっても、「真似したいな〜」と思う要素に溢れています。
お部屋以外にもインテリアが素敵なカフェやショップがたくさん登場するので、どのシーンも観ていて飽きません。ちなみに、私のお気に入りは、アメリの働くモンマルトルのカフェ。アメリが孤軍奮闘するパリの街並みを観ているとちょっとした旅行気分も味わえるので、いくつになってもウキウキしてしまう映画です。
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定番からNetflixオリジナルの新しい作品まで、幅広くご紹介していただきました!物語やセットだけでなく、主人公のファッションやちょっとした小物にもこだわりが詰まった作品たち。雨の日の休日は、どっぷりその世界観に浸ってみては?
■作品情報
『クイーンズ・ギャンビット』
『エミリー、パリへ行く』
『ブリジャートン家』
『キャロル』
『アメリ』
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