片想いの人に好かれるには、また彼女に気に入ってもらうには、「相手に合わせればいい」と思っている男性は少なからずいます。下手に動いて失敗するよりも、女性の満足を優先させることで好きになってもらいたい。それは、女性から見れば「すべて任される」プレッシャーです。相手に合わせる男性が誰とも付き合えない理由について。
■「相手に合わせることが愛情表現」だと信じて疑わない男性の心理
とある44歳の男性は、それまで女性とお付き合いをしたことがなく、いわゆる「彼女いない歴=年齢」のまま過ごしてきました。
好きになった女性と何度かデートをしていい雰囲気になっても、ある日突然「仕事が忙しくなったので会えない」と連絡が途絶えたり、好意を寄せていた女性と何カ月もLINEでやりとりをしていたのに「家族にいろいろあって大変だから」とフェードアウトされたり、最後はいつも離れていかれるのが彼の現実。
男性は、「デートの約束とか俺のほうからお願いしているし、女性に合わせているつもり」と言います。「どんなふうに?」と尋ねると、
「デートの日とか行くお店とか女性に任せているし、俺はそれを受け入れている」
と胸を張って答えました。
つまり、男性にとっては「相手に好きなように動いてもらい、それに合わせるのが愛情表現」なのですね。
「え、食事に誘ったのにお店を決めるのは女性ってこと?」
と尋ねると、男性の答えは
「だって、俺はデート向きのお店とか知らないし。女性が行きたいお店に一緒に行くほうが楽しいでしょ」
男性は、自分のそんな態度が女性を尊重していることであり、女性もそれを喜んでくれるはず、と疑っていませんでした。
■関係を押し付けられるプレッシャー
しかし、それならどうしてこの男性は今まで誰とも付き合えず、女性たちは離れていくのでしょうか。
「花見に誘ったらOKしてくれたので、女性の指定した場所に迎えに行って一緒に公園を歩いて、彼女が桜の写真を撮り終わったら帰る」
こんなことも男性にとっては立派なデートであり、たしかに良い時間だなと思います。
ですが
「それ、夜なんだよね? そのあとでご飯を食べに行ったりはしないの?」
と訊くと
「うーん、相手が言わなかったからなぁ。ご飯に行こうって言われたらどこか連れていくけど、そのときは花見だけして終わったね」
とまったく気にしていない様子で答えました。
「相手が言わなかったから、誘う必要はない」。つまり、「相手が行きたいと言うまでは何もしない」のが男性の中の正解です。
その姿を見て女性はどう思うでしょうか。お花見に誘ってはくれたけど、本当にただ公園を散歩するだけでそれ以外の時間を提案してくれることはなく、たった1時間会って終わり。流れで食事の話が出そうだけどそれもなくて、男性のほうから自分ともっと一緒にいたいというアピールはなし。
こんな状態で、女性がこの男性とそれからも会いたいと思うはずはなく、いずれ関係を終わらせることになります。「合わせてはくれるけど、自分から行動を起こすことはない」男性の姿は、女性にとって「自分が関係を引っ張っていかねばならないプレッシャー」になることを、男性は気が付きません。
「まだ一緒にいたい」という男性からのアプローチがあれば、求められていることを実感できた女性の恋心はぐっと深くなります。ですが、「自分が動かない限り、この人のほうから関係を深めるきっかけはもらえない」事実は、関係の進展を押し付けられることと同じです。
「相手に合わせるのが正解」といくら男性が信じていても、その姿が「こちらにすべてを任せて何もしない男」と映れば、良い関係を築いていけるはずがないのですね。
■自分の提案を拒否された過去
この男性には、好きだった女性を積極的に誘い、自分の好きな場所や連れていきたいお店に案内したけれど、「楽しいのはあなただけだよね」とはっきり言われて振られた過去があります。
夜にふたりで食事するお店は、彼の行きつけの定食屋さんやセルフのうどん屋さんばかり、昼間に連れていくのは彼の好きなサバイバルゲームのアイテムが揃っているお店や安さが売りのファッションセンターなど。
「どうしてその店を選んだの?」
と尋ねると、彼は
「その人が俺の話に興味を持ってくれたから。楽しんでもらいたいと思って連れていったんだけど、間違ったらしい」
とため息をついて答えました。
それから、彼は「自分の好みはどうも女性には受け入れられないものらしい。だったら何でも女性に合わせていれば失敗しないだろう」と思うようになったそうです。
彼が間違えているのは、自分の好みが女性に受け入れられないのではなく、せっかくふたりでいるのに自分の行きたい場所ばかり選んで「相手も楽しいだろう」と決めつけていることです。
女性からすれば、行くお店はふたりで話し合って決めたいし、自分の好きなお店だって男性に知ってほしいと思っていたかもしれません。そんなこちらの気持ちを確認されることなく、一方的に「同じはず」と決めつけられることが寂しさを呼びますが、「楽しいのはあなただけだよね」と言われた男性は「俺の好みが合わなかったのだな」としか受け取りません。
相手の気持ちを考えず、確認しないことで失敗してきたのですが、それがわからない男性は「何でも相手に合わせるのが正解」と思い込むようになりました。
■自信のなさが「相手に合わせる」結果に繋がる
誰とも付き合ったことのない自分を振り返って、男性は「俺はモテないし、女性を喜ばせることもできない」と思っています。自信のなさは女性の前で虚勢を張ることにつながります。
先日もこの男性は、
「ランチに誘ったらOKをもらったんだ。その人がパスタが食べたいって言うから、『俺は手持ちがないからそっちが決めて』と答えていたら、前の日になって『やっぱり都合が悪くなった』って連絡がきて。これも、俺が悪いってことなの?」
という出来事があったそうです。
「手持ちがない」という言い方は、女性にとっては「俺はいいお店を知らないし、調べるつもりも一緒に探すつもりもない」のと一緒。男性はお店を知らない自分を「手持ちがない」でごまかしながら、結局見つける手間を女性に取らせていることに気が付きません。
その負担を考えられないのが女性に断られる理由なのですが、男性はあくまで「女性の行きたいお店を優先する自分」が正しいと信じており、女性の寂しさや物足りなさには目が向きません。
自信のなさが態度に出ることで、女性は男性を信頼するきっかけを持てないまま、仲を深める時間から遠ざかります。
■合わせるのではなく、「一緒に考える」
こういう男性から好かれて、「何でもこっちに任されるのがプレッシャーで、好意を持ってくれるのはうれしいけど付き合う気にはなれない」という女性の声をたまに耳にします。女性にとって受け入れがたいのは、「合わせているつもりでこちらの気持ちを無視している」男性の姿。
男性のほうに「相手と一緒に考える」姿勢があれば、お店を知らなくてもふたりで探す楽しみがあるし、そんな時間だって心が通い合う大切な機会です。それを思いつかずこちらに丸投げされても、「合わせてもらってうれしい」ではなく「一方的に任される負担」のほうが大きくなれば、一緒にいたいとは思いませんよね。
こんな男性からアプローチされたとき、応える気があるのなら「行くお店はふたりで決めたいから、一緒に探さない?」と一度は尋ねてみることで男性の本心がわかります。「そうだね、そうしよう」と乗ってきてくれるか、「いや、俺はよくわからなから、あなたが決めてくれていいよ」と断るか。後者の場合は、そもそも自分が楽をしたいだけの可能性もあります。
「一緒に考える」姿勢があるかどうか。「合わせることが愛情表現」と信じている男性には、決してそればかりが正解ではないと示してあげることも、ふたりのコミュニケーションを変えるきっかけになるかもしれません。
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