イスラエル在住歴3年の筆者が、世界遺産「エルサレム旧市街」の「聖墳墓(せいふんぼ)教会」を解説。敷地内にある、ゴルゴタの丘を含む3つの最重要スポットも紹介します。
聖墳墓教会の概要
聖墳墓教会とは、中東の東エルサレムの「エルサレム旧市街/the Old City of Jerusalem」という地域にある、キリスト教の教会です。イエス・キリストが十字架にかけられて命を落とし、その後復活したことを記念しています。
キリストが十字架にかけられた場所は「ゴルゴダの丘/Calvary/Golgotha」と呼ばれており、その場所に聖墳墓教会が存在します。敷地内には、ゴルゴダの丘に直接触れられる祭壇もあります(後述)。
東エルサレムのあるパレスチナ地方は、キリスト教の発祥の地として知られており、聖墳墓教会の歴史は4世紀(300年代)に遡ります。そこから現在までずっと、聖墳墓教会はキリストの死と復活を司る教会として存在しており、キリスト教にとっては世界で最も重要な巡礼地のひとつです。
キリストの人生最後の道のりである「ヴィア・ドロローサ/Via Dolorosa(苦難の道)」の14のチェックポイントのうち、10〜14が存在します。
聖墳墓教会のみどころ3つ
1. ゴルゴタの丘
聖墳墓教会の2Fに、ゴルゴタの丘に直接触れる「磔刑(たっけい)の祭壇/The Altar of the Crucifixion」が存在します。イエスキリストが十字架の刑に処された場所と考えられており、祭壇から直接ゴルゴタの丘(岩)に触れることができます。
余談ですが、漫画『ゴルゴ13』の語源になったのがゴルゴタの丘だと言われています。なお、「ゴルゴタ」は「頭蓋骨」を意味します。
2. 聖油の石板
英語では「Stone of Anointing」と呼ばれ、磔刑後に死んだキリストの体を置いて聖油で清めたとされる場所です。聖墳墓教会入ってすぐの正面に位置するため、最も目立つスポットで、常に信者がひざまずいてお祈りしています。
ちなみに聖油はオリーブオイルと考えられており、この地方では最もポピュラーな食品のひとつです。オリーブは、ユダヤ教の聖書に記載されている伝説の七食材のひとつとも言われています。