秋田県仙北市にある玉川温泉。秋田県と岩手県に跨る八幡平山系の山の1つである秋田焼山の山麓、標高およそ740mに位置する温泉郷です。険しい山の中にある温泉郷ですが、天然の岩盤浴や強酸の源泉を楽しめることなどから、特に湯治や静養を目的として、非常に人気の高い温泉地の1つとなっています。そんな玉川温泉の裏手に広がるのが、今回紹介する玉川温泉自然研究路。遊歩道からは、玉川温泉の源泉にあたる大噴(おおぶけ)を始めとして、迫力の絶景を楽しむことが出来ますので、紹介したいと思います。
玉川温泉自然研究路について
同じ秋田県に位置する鹿角市花輪地区の中心街から、国道341号線などを経由して山道を走ることおよそ35㎞。
冒頭にも説明した通り、同じ仙北市内の田沢湖地区からは40㎞以上も離れた、大変山深いところにある玉川温泉ですが、そんな山の中に位置する温泉郷の裏手に広がるのが、今回紹介する玉川温泉自然研究路になります。
玉川温泉自然研究路の全長はおよそ1㎞。1周大体30分程度あれば見て回れるような散策コースではありますが、上の写真の通り、岩が剥き出しになった山の斜面から、そこかしこで蒸気が噴出する様子を間近で観察することが出来るのは、他所でもなかなか見ることの出来ない迫力の光景です!
この他、玉川温泉の源泉にあたる大噴(おおぶけ)や、日本では、ここ玉川温泉でしか見ることの出来ない貴重な北投石(ほくとうせき)の産地などもありますので、見どころ盛り沢山です。
毎分8,400リットルの温泉が噴き出す迫力がスゴイ!大噴(おおぶけ)
玉川温泉自然研究路の一番の見どころである大噴。遊歩道の入口にある玉川温泉の宿の直接の源泉にもなっている大噴は、高温の源泉が勢い良く湧出する様子がとってもダイナミック!
そんな大噴は、玉川温泉自然研究路を一番奥の突き当たりまで進めば見ることが出来ますので、早速、源泉が流れる川沿いに遊歩道を進んでいきましょう。
こちらは、その大噴から流れる源泉を遊歩道から撮影したもの。見るからにアツアツの玉川温泉の源泉が、濛々と湯気を上げて宿へ向かって流れていきますが、川底は源泉の酸性があまりに強いため、黄色く変色してしまっています。
それもそのはず、酸性かアルカリ性かを判定する玉川温泉のp.H値は、なんと驚愕の1.2!これは、あの酸っぱい果物として知られるレモンの果汁よりもさらに強力な酸性であることを示していて、玉川温泉は、日本一の強酸の温泉地としても有名です。
また、温泉としての効能は抜群なのですが、酸の力があまりに強力過ぎるため、以前はこの源泉が下流に流れ込むと、川魚が死んでしまったり、稲が上手に育たなくなってしまうような被害に見舞われたことがあったそうで、「玉川毒水」とも呼ばれていたことがありました。
そして、こちらがいよいよお待ちかねの大噴です。毎分およそ8,400リットルもの源泉が勢い良く吹き出し続ける様子は、非常に迫力があって、見事の一言!ゴオーーーという凄まじい音を立てて吹き出す源泉の温度はなんと98度もあり、源泉とともにこれまたすさまじい勢いで蒸気が噴き出している様子が印象的です。
間欠泉などと異なり、これだけの勢いで常に源泉が吹き出し続けている様子を間近に観察出来るところは、火山大国・日本と言えどそうは多くありませんので、大地のパワーを感じながら、是非、大噴をバックに記念写真を撮っておくと良いでしょう!