【3】石切山脈で採掘された石が使われる！「稲田神社」
境内の至る所で石切山脈の石が使われている
稲田神社では、鳥居をはじめ、参道や手水舎など多くの場所に稲田石が使われています。実際に使われている稲田石を間近で見るにはもってこいのスポットです。境内は広々としており、さっぱりとした雰囲気となっています。
御祭神は、クシナダヒメノミコトという女神です。縁結び、安産、子育て、頭・目・手・足の神様として信仰されています。古事記に記載されているヤマタノオロチ退治のご縁で、スサノオノミコトの奥様となられた方です。境内には、夫スサノオノミコトが祀られた八雲神社、クシナダヒメノミコトのご両親が祀られた神社もあります。
稲田の風景が一望できる
境内の奥に進むと公園がでてきます。そこからは稲田地域の様子が一望できます。自然豊かな景色を味わえるビューポイントです。公園内でお弁当を食べても気持ちよさそうです。また、このエリアは茨城県により「稲田緑地環境保全地域」に指定されており、県内でも珍しいシラカシの木が高木層を形成しているのだとか。
【4】稲田という地名が生まれた原点！「稲田姫奥の院」
森のなかにある稲田神社の本宮跡地
「稲田姫奥の院」とは、上記でご紹介した稲田神社の本宮跡地のことを指します。跡地ですので、稲田神社とは全く別のところに位置しています。森のなかにひっそりと存在している、知る人ぞ知る秘密のスポットです。「稲田」という地名のもとになった神話が生まれた場所でもあります。
酒造りの神話
神話の内容は、次のようなものです。むかし椎の木のふもとに溜まった湧き水があり、良い水が湧くということで、そこを「好井（よしい）」と呼んでいました。あるとき、好井をのぞき込むと美しい姫（稲田神社の御祭神クシナダヒメノミコト）が水面に浮かんでおり、「好井の水で酒を造って供えて欲しい」と言葉を残し去ったそうです。
好井の泉から流れる水は同じ敷地内の三枚の田に繋がっています。この田には稲が植えられ、刈られた稲は神前に供えられます。そして姫の指示どおり、ここで作られた米で酒造りが行われました。「稲田」という地名は、神に供える「稲」をつくる「田」があることから命名されたと伝えられています。奥の院は、この物語を知って見学すると、大変に興味深いスポットです。
【5】江戸末期から酒造り！「磯蔵酒造」
お米と地下水に恵まれた環境で代々酒造り
稲田は稲作が盛ん、かつ良質な湧き水が豊富という、酒造りに必要な条件がうまく揃った地域です。「磯蔵酒造（いそくらしゅぞう）」は、江戸時代末期から酒造りをしている老舗の酒蔵です。
店名の由来もきちんとあります。酒造りを始める前、「石が幾らでもある」場所にちなんで「磯」と名乗り、稲作をしていたそうです。湧き水に注目してからは、敷地内に数々の酒蔵ができ、その他にも米蔵もあったことから屋号「磯蔵」と呼ばれるようになったのだとか。
「きき酒場ぁ（Bar）」で試飲と購入を
磯蔵酒造では、事前申し込みをすれば一人でも酒蔵見学が可能となっています。アポなしの場合、酒蔵見学は難しいですが、お酒を購入することは可能です。
敷地内の「きき酒場ぁ（Bar）」では丁寧な解説のもと、たっぷりと試飲もさせて頂けます。フルーティーな香りのお酒から辛口のものまでたくさんの種類が揃っています。スタイリッシュなラベルが印象的で、大切な人へのお土産にもぴったりな日本酒です。
【6】十割そばに酵素玄米まで！「和味（なごみ）」
稲田へ移住したご夫妻が始めた古民家カフェ
田畑が広がった住宅街にポツンと現れる自然食店です。古民家を利用しており、お座敷と縁側の雰囲気が素敵な店内です。これまでずっとご夫妻で運営されてきて、創業10年以上が経ちます。お二人のあたたかい声かけのある接客が印象的です。店内では、奥様特製の手作りお菓子なども販売しています。
十割そばのセットには小鉢やお漬物まで
おすすめメニューは、何と言ってもお蕎麦です。ご主人が打たれる石臼挽きの十割そばは、細麺でしっかりした香りが特徴の大変上品なお味です。おすすめセット（980円）には、お蕎麦のほか、お漬物、野菜の和え物、酵素玄米（ミニサイズ）が付いてきます。小鉢類も家庭的で、体に優しい手作りの味です。
デザートのおすすめは酵素玄米で作ったおはぎ
食後のデザートでぜひ召し上がって頂きたいのが、酵素玄米おはぎ（380円/1個）です。酵素玄米のもっちもちした食感がたまりません。小倉あんで包まれており、甘さ控えめな大人な甘味です。上にのっているのは蕎麦の実で、ぷちぷちした食感を楽しむことができます。そのほか、日替わりケーキやショートブレッドなども用意されており、お蕎麦以外のメニューも楽しむことができます。
【7】田舎そばが太くてもっちり！「のざわ」
畳の落ち着く雰囲気で地元民にも大人気
稲田駅からも近く、アクセスしやすい場所に位置しています。店内は地元の方々で大賑わいのアットホームなお蕎麦屋さんです。お座敷席が広々と用意されており、ゆったりした席の配置です。お土産コーナーでは地元産の梅干しなどが購入できます。お蕎麦メニューのほか、定食系メニューも豊富に用意されています。
具だくさんで香り豊かなお蕎麦
筆者は期間限定（毎年9月下旬～4月くらい）のきのこけんちん（880円）を注文しました。お野菜がたっぷりのったヘルシーな一品です。
田舎蕎麦のため麺は太く、もっちりとしています。常陸秋そばを使用しているとのことで、蕎麦を挽いたあとの粒々感を舌で感じることができます。全体的に量は多めで、普段たくさん食べる方でも満足できるのではないでしょうか。稲田に来たら一度は食べておきたい絶品のお蕎麦です！
【8】お葉付イチョウは一目見たい！「西念寺」
自然豊かで遠くの山々を眺望できる
西念寺（さいねんじ）は、親鸞聖人（1173～1262年）にゆかりのある寺院です。親鸞は、現在の西念寺が経っている場所にあった「稲田草庵」という場所で、約20年ほど暮らしたとされています。奥様と子供も持ちながら、布教活動に専念しました。
西念寺の境内はとにかく自然が豊かで美しいです。親鸞もこの場所から望める山々を見て、「比叡の山に似ている」と、修行に明け暮れた京都の風景を思い出していた、という逸話が残っています。
お葉付イチョウが名物
西念寺の見どころは「お葉付イチョウ」の木です。こちらは茨城県指定天然記念物に選ばれています。「お葉付イチョウ」とはイチョウの変種で、稀に葉の上縁に雌花がつき結実するもので、老木に多いとされているのだとか。
親鸞がイチョウの実を葉っぱに包んで蒔いたところ、やがて成長して実が葉に付いたのでは？という逸話もあるそうです。木の高さは35メートルもあり、立派な巨木には目を奪われます。秋の紅葉シーズンには見事な色合いになるそうで、その季節を狙って訪問してみるのもおすすめです。
ここまで稲田駅周辺の観光スポットについてご紹介してきました。お隣の笠間駅でも楽しい時間を過ごすことができますので、ぜひ以下の記事も参考になさってみて下さい。
提供・トリップノート
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