海外ファンがハマる魅力とは
アメリカ最大の映画批評サイト「ロッテントマト Rotten Tomatoes」での評価も高く、評論家97%、観客99%の満足度を記録している劇場版『鬼滅の刃』。
とはいえ、客層はやはりアニメ好き・日本好きのニッチな層に限定されているというのが正直なところで、日本のように社会現象になることはありません。
以前から刀を使うアクション漫画は海外でも人気のあるジャンルの一つで、『鬼滅の刃』も『るろうに剣心』や『BLEACH』などを見慣れているアメリカ人にとっては受け入れやすい作品。かっこいいアクションシーンには満足感を得ているようです。
日本で指摘されることのある「説明セリフの多さ」もアメリカのファンは気にしている様子はなく、その映像の美しさや個性的なキャラクターたちに夢中になるファンが続出。キャラクターごとに特徴のある着物を身に着けているのもオタク心をくすぐり、SNSには炭治郎や禰豆子のコスプレ写真を投稿している海外ファンが大勢います。
刀アクション・映像美・キャラクターに歓喜
アメリカの大学で日本語クラスを教えている友人が学生たちにアンケートを取ったところ、半数は同作のファンだったそうで、ハマった理由は「とにかくシーンの映像が美しく、芸術的」「禰豆子がかわいい」「炭治郎が素敵」といった意見が多かったとか。
劇場版『鬼滅の刃』の海外ファンの感想をツイッターでチェックしてみると、「この映画の美しさは言葉では表現できない」「煉獄さん(RENGOKU)と猗窩座(AKAZA)の対決に胸が張り裂けそう」「笑えて悲しいって、何これ最強!」と、ビジュアルを褒めるとともに感動的なストーリーをベタ褒めする人ばかり。ちなみに「上弦の三」はアッパースリー(Upper Three)と訳されています。
日本の伝統文化や時代背景がどこまで理解できているか、漢字一つ一つに意味が込められている技やキャラクターの名称、細かいセリフまわしなどがどれだけ伝わっているかは謎ですが、とにかく今回分かったことは、『鬼滅の刃』はアメリカでもすごく愛されているということでした。
映画の楽しみ方は人ぞれぞれ。その文化や社会背景が100%理解できなくても、泣いて笑って楽しめればそれはもうエンターテインメントですよね。
Source:「Hollywood Reporter」「Forbes」
<文/橘エコ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 橘エコ アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中
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