「ここまで家事・育児をやることはできない」の判断ができるようになったのが育休のメリット
編集部:盛田さんの記事が書籍になってドラマ化されるしかないですね!「キラキラじゃない」育休の様子は失敗談や夫婦の行き違いなど、とてもリアルでしたし。
盛田:家事にせよ育児にせよ、ピンときたらすぐ行動するタイプなんですけど、黙ってもくもくと手を動かしているうちに、仕事モードになってしまっていて。その間にある、妻とのコミュニケーションや会話を忘れがちな自分に気づきました。
編集部:女性も産後は些細なことでイライラして「そうじゃない!」ってなりますしね。逆に「こうやって伝えてくれたら分かったのに…」みたいなことはなかったですか?
盛田:あるにはあるんですけど、育休を取っていると24時間お互い家庭の中に固定されるから、コミュニケーションを取ろうとする前に怒られちゃう、みたいなことはしょっちゅうでした。
私もそれで萎縮してしまって、もう黙っておこうともしたんですけど、妻からしたら、ちゃんとケンカをしたかったってことみたいです。
ぶつかって、ごめんね、ありがとう、お疲れさまって。ちゃんと気持ちをぶつけあうことでサラッとしていられると言われ、そうかと気づかされました。
編集部:そこも踏まえて育休を取ってよかったですか?
盛田:こんな家事、育児ができるようになったというのも大事なんですけど、辛さが分かるとか、ここまでやることはできない、だからここは手放した方がいいっていうあきらめの判断がついたのは大きかった気がします。
私は完璧を求めがちなところがあるので、自分が育休を取らずに妻に家事育児を任せていたら、「子どもができるとこんなに家庭が荒れて悲しい」みたいな気持ちになってたかもしれません。
ただ育児休業を取れたことは、周りに恵まれていたんだなって思います。母親や義母にも手伝ってもらったし、コラムやFacebookで定期的に発信することで、職場の人が軽口を叩いてくれたり、「そんなの普通普通」みたいにコメントしてくれる人がいたから励まされたし、今笑って話せる気がします。
これがなくて妻と2人だけの関係になってたら、自分を客観視できなくて「こんなダメな夫、俺だけなんじゃないか」って行き詰ってたかもしれません。
育休を取っても、自分ひとりで家庭内を背負いこんじゃうと疲れちゃうから、外に向かって話せるきっかけになるような場所を、ブログでも何でも持ってるといいんじゃないかと思いますね。
コラムのユーモラスな語り口から、絶対面白い話が聞けるだろうと期待していた今回のインタビュー。
予想通り盛田さんから発せられる「パパあるある」に笑いっぱなしの1時間でした。 そんな中、「育休を取って良かったです」と語ってくれた笑顔がとても幸せそうで、この日一番の記憶に残るほど。
キラキラじゃない等身大の育休には大きな価値があるのだろうなと感じました。
盛田 諒さんプロフィール
盛田 諒(Ryo Morita)1983年生まれ、暮らしのオンラインメディア「家電ASCII」編集者。2017年2月22日に男児を授かり、1児の父親に。3月1日から4月26日まで8週間の育児休業を取得した。目標ははたらくトロフィー・ハズバンド。
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