3月になると冬のあいだ私がずっと待ち焦がれていたものが、少しずつ姿をみせはじめます。それは青空だったり、新緑の葉だったり、カラフルな花々…そして人々の笑顔です。

フランスの冬は厳しく、長い。今年の冬は、コロナ渦のため家で過ごす時間が長かったこともあり、余計に長く、暗く感じたような。しかし、街を歩くと、冬とは一転して皆笑顔を浮かべて過ごしている様子が伺えます。なんだかこちらも心が躍る今日この頃です。

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

さて、現在パリでは3回目のロックダウンを迎え、いまだ多くのお店が休業しています。フランスではエッセンシャルビジネスの中に、花屋が入っていることをご存知ですか?パン屋、スーパー、薬局、行政機関や流通業など「無くては生活に支障がでる業種」の並びに、花屋さんも仲間入りしているのです。さすが、花の都パリ!と感じます。そして、花を愛でる気持ちを忘れない、心に彩りを、というエールのようにも思えます。

フランスで見つけた花の生け方

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

実際、おうち時間が増えたことで部屋の模様替えをしてみた方は多いと思います。簡単に、それでいてガラリと部屋の雰囲気を変えてくれる植物。花を生けた日の部屋はいい香りがするし、空気も澄んでいる感じがして本当に癒されますよね。

パリに暮らしているとさまざまな場所でお花が飾られているのを見かけます。飾り方はすごく自由。お気に入りのワインラベルのワインボトルに大きめの花を1本生けてみたり、ごく普通の水飲みガラスコップに散歩で見つけた野花を生けてみたり。アンティークの壺や水差しはドライフラワーと相性が良さそう。

素敵なお花屋さん『CHAMP LIBRE』へ

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

部屋に飾るお花を探しに近所にある素敵なお花屋さん『CHAMP LIBRE(シャンリーブル)』へふらりと寄ってみました。

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

店内に入って驚くのは、その種類の豊富な花々。こんな色とりどりのドライフラワーを見たことってありますか?

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

奥へ行くとさらに幻想的な空間。毎日パソコンの前に座っている目が癒されていきます。

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=Romain(パリ在住のフローリスト)、『PARIS mag』より引用)

お店のフローリストRomainさんにお話を聞くことができました。

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Q.花屋さんになったきっかけは?

もともとはランドスケープデザインのデザイナーでした。でもパソコンの前で座っている仕事は僕には合わなかった…。手を動かして、何かを創る仕事のほうが好きだし、楽しいね。

Q.コロナ渦で仕事、プライベートで何か変わったことはありますか?

プライベートにおけるコロナは…やっぱり、つらいです(笑)。でも、仕事はコロナの前より増えた気がします。それはよかったことかな!

イベント会場や結婚式場のデコレーションをする機会がなくなってしまった代わりに、今までよりお店で接客する時間が増えて、多くの人と触れ合うようになったかな。それは僕が花を好きだってことを再認識させてくれたし、単純に楽しいね。

去年の1回目のロックダウンのときは、お店は休業して、デリバリーで花を届けていたんだ。意外にも利用者が多くてビックリした!みんな家にいたから花が恋しかったんだろうね。

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

Q.日常を楽しくするヒントってありますか?

難しいね(笑)。そうだな、庭の手入れが日課で、それが僕の日常の癒しかも。僕の家はアパートメントだけど一階に住人が自由に使える共用の庭があって、そこの手入れを住人のみんなから任されているよ。いつの間にかその役割になっていたんだ(笑)。

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

Q.最後に、ローマンさんの好きな花で花束を作ってもらえますか?

チューリップが好きかも。こんな感じでどう?野花を摘んできた花束みたいでしょ?こんな感じで気取らない花束が僕は好きかな。

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Romainさん、ありがとうございました。“好き”であることや、“楽しい”と思えることに素直であることってとっても大事なこと。なのに、いつの間にか後回しになっていることが多いなと考えさせられました。

花束を持ってパリの街に浮かぶ空中庭園「Promenade Plantée」

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

素敵な花束を作ってもらったので、花束を持って、近所を探索してみました。Bastille(バスティーユ)とSaint-Maur(サン・モール)をつなぐ遊歩道「Promenade Plantée(プロムナード・プランテ)」をぶらり。

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)
花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

ここはもともと高架橋だったところに庭園を作り、緑あふれる空中遊歩道となりました。空中とはいえ、高さはさほどないものの、高い建物がないパリでは、この高さから街を眺められることはかなり貴重なのです!

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

桜の花に気を取られ、眺めているとすれ違ったマダムに、「Bon Bouquet!(素敵な花束ね!)」と声をかけられました。

花を飾ろう、日常に彩りを。花の都パリの春。
(画像=『PARIS mag』より引用)

とっさに「メ、メルシー!」としか言えませんでしたが、きっと彼女もローマンさんと同じハートの持ち主なのでしょう。花が素敵な出会いを導いてくれた1日でした。

■お店情報
CHAMP LIBRE
住所:104 Avenue Ledru Rollin, 75011 Paris
時間:9:30〜19:00
Instagram:@champlibre

Promenade Plantée
住所:1 Coulée Verte René-Dumont, 75012 Paris
時間:8:00〜17:45


提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)

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