小室さんは弁護士の卵としてどうか?

――小室さんが今回発表した文書に関して、長谷川さんの率直な感想をお聞かせください。

長谷川「正直に言いますと、出来の悪い学部学生のレポートを読まされている印象です。法律構成も技巧的を通り越して不合理そのもの。代理人弁護士は本当にチェックをしたのでしょうか。弁護士を目指しているのだと息むあまり、肩の力が入りすぎた大暴投になってしまいました」

小室圭さん問題が泥沼化したワケ。解決金をめぐる戦略ミス
(画像=『女子SPA!』より引用)

――小室さんは弁護士の卵ですが、28ページもの長文は弁護士流なのでしょうか。

長谷川「あれだけの長文を一気に書いたとも思えません。たまさかの思い付きや行きがかりの感情を都度書きなぐっていった結果、超大作ができた。推敲もろくにしなかったため、論理矛盾が目立っている。そんな可能性もあります。本文よりも注釈が多いと言われている点はアメリカ流だなどと善意に捉える意見もあるようですが、言いたいことを整理もせずに場当たり的に全て入れて、文章のつながりが悪い部分を注釈に落としていった結果だと思います。本来の脚注の使い方は情報ソースや参考情報を参照させるためのものです」

――と言いますと?

長谷川「どのような文章でも、誰かに読んでもらうものである以上、伝わりやすいように一本の筋を通さないといけません。けれども、注釈をつければ一貫性など考えることなく、あれもこれも言いたいことを全部入れられるのです。小室さんは注釈をつけることで、自分の主張や思いを取捨選択することなく、最初から最後まで傍論も含めて全て言い切ったのではないでしょうか」

――小室さん的には、主張を通した文書ということですね。

小室さんを止める大人は周りにいないのか

長谷川「ただ、文章は量を書けば書くほど自分の首を絞めることにもなります。書いた分、矛盾点がたくさん見つけられてしまい、相手に突っ込みどころを提供することにもなるからです。実際、小室さんは2019年に公表した文章で『この問題は解決済み』と断定的に書いていましたが、今回の文書では『金銭問題は解決済みだと主張したことに関しては一度もありません』と言っています。苦しい言い訳そのものですし、矛盾を感じてしまいます」

――たしかに、すでに各メディアが文書の矛盾点や疑問点を追及しています。

長谷川「まだ解決していない問題なのですから、現段階であえて書かない方がいいこともたくさんあると思います。書かない勇気は大切です。そこを、丁寧に脚注までつけて説明しています。マスコミが矛盾点を見つけて、追いかけてくることを自ら誘発しているのです」

――そこまでしても、4万字の主張をする小室さんの真意はどこにあったのでしょうか。

長谷川「文章の長さや内容を見る限り、損得感情なしに、自分の思いを全て吐き出している印象を受けました。大手銀行マンで飽き足らず転職を重ね、万難を排して米国留学を決行するほどの功名心を持っているので、バッシングを続ける世間に対しては鬱屈した憎悪・憤怒・怨念を感じているのかもしれません。冷静に考えれば、この4万字という分量は世の中に出す前に、少し思いとどまるべきです。彼を教え諭(さと)す大人は周りにいなかったのでしょうか」

 引き続き小室さん問題が連日報道される中、部外者ながら、この事態が鎮静化し穏便な解決になることを望まずにはいられません。

【弁護士 長谷川 裕雅(はせがわ・ひろまさ)】 永田町法律税務事務所代表。朝日新聞事件記者を経て、弁護士に。著書に『不倫の教科書 既婚男女の危機管理術』(イースト・プレス)、『磯野家の相続』(すばる舎)など。

<取材・文/瀧戸詠未> 瀧戸詠未 ライター/編集者。趣味は食べ歩き・飲み歩き。

提供・女子SPA!



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