岡山県総社市にあります【鬼ノ城】は、日本の歴史書にも記載されていないために築城時期なども不明で、多くの謎に包まれた古代山城です。日本100名城の1つに選ばれていますが、まだ知名度は低いよう。が!実際に足を運んでみると、山城らしく目の前には広大な景色が広がり、お天気が良ければ小豆島や屋島を望むこともできるんですよ!ぜひハイキングがてらにお出かけくださいね。
謎に包まれた古代山城【鬼ノ城】とは?
吉備高原最南端の総社市にある、標高397mの鬼城山(きのじょうざん)。鬼ノ城は、この鬼城山に築かれた古代山城で、長さ約2.8kmの城塁がまるで万里の長城のように巡っているのが特徴です。城内の広さは約30haあります。
7世紀後半に築城されたのではないかと言われていますが、詳細が分かっておらず多くの謎に包まれています。現在は、復元された門や石垣などを見ることができるほか、素晴らしい景色を楽しむこともできます。
さぁ!鬼ノ城を歩いてみましょう!
車で鬼ノ城へ向かう場合、砂川公園の入り口から入って狭く急な上り坂を進んで行くと、【鬼の釜】がある新山集落に入ります。鬼ノ城に住んでいた鬼神が、この釜でいけにえをしていたという説もあります。
その400m先に鬼城山ビジターセンターがあり、無料で駐車することが可能です。ビジターセンターでは、鬼ノ城の詳しい情報を知ることができ、上の写真でご紹介した模型や映像、パネルなどを見ることができます。見応えがありますので、時間をかけてご覧になる場合は30分近くかかると思いますよ。
こちらが登山口になりますので、十分に予習してから遊歩道を歩いていきましょう。
しばらくすると、復元された西門と、それを防備する角楼に着きます。
急な坂道になっていますが、こちらまでは車椅子でも行くことができるほか、杖を貸し出してもらうこともできます。鬼ノ城を一周歩く時間がない場合は、こちらまで歩くだけでも雰囲気を味わうことができますよ。
城内には、至る所に敷石がしっかりと敷き詰められています。雨水などが城壁を壊すのを防ぐために考えられたそうなのですが、総重量は数千トンとも言われています。沢山の重い石を運ぶのは大変だったでしょうね。
鬼ノ城には、合計4つの城門と6つの水門が作られており、西門をあとにして南門までの間に3つの水門が見られます。水門は深く掘られていて、飲み水を確保していたそうですよ。
南門は西門と同じ造りで、復元はされていないものの、門跡からも大きくて立派だったことがわかります。間口は12mを超えるそうです。通用部の敷石は残っているので、ぜひご覧になっていただきたいです。
南門からさらに遊歩道を進むと、2つの水門が続き、今度は東門跡が見えてきます。実は一番最初に発見されたのが東門で、東門のみ丸い柱が用いられていました。
更に歩くと、屏風折れの石垣の上に出ます。ここは一番印象に残っている場所で、この辺りで川の流れる音が聞こえたのですが、その川の名は【血吸川(ちすいがわ)】というそうです。昔、この川で一体何があったのでしょう?恐いですね!
お天気がいいと、ものすごく眺めが良く、腰を下ろして休憩するのにいい場所です。
続いて温羅旧跡の石碑を通り、最後の見どころである北門に向かいましょう。ここは鬼ノ城の裏門にあたり、中心に排水溝がある特殊な門です。
その後は「総社のふるさと自然の道」を歩いて市道まで下り、岩屋への旧道を上って行くと、駐車場へと戻ります。