この授賞式への出席を予定しているユン・ヨジョンだが、現在アメリカで見られているアジア系へのヘイトクライム(憎悪犯罪)のため、2人の息子がアメリカ訪問を心配しているという。 彼女はインタビューで、「私の息子は韓国系アメリカ人だ。ロサンゼルスに住む息子が、オスカー授賞式のためにアメリカに行こうとしている私を心配している」と語っていた。

微笑ましい親子愛エピソードであると同時に、この発言はまるで、『ミナリ』のストーリーとリンクしているかのように感じられる。 『ミナリ』は、1980年代に、アメリカンドリームを夢見る韓国移民家族が田舎で農場を作るストーリーで、希望を求めてアメリカに旅立った韓国人一家の特別な旅路を描いた作品だ。

もしかしたらユン・ヨジョンは、このインタビューを通じて、アメリカ社会に対しメッセージを投げたのではないだろうか。 一見、クリアに見えるものの、確実に立ちはだかっている”人種”という壁。これに対し、映画作品と共にインタビューでも憂いなる気持ちを語っているように感じる。

これまで多くの経験をし、プライベートではアメリカでの生活も経験していたユン・ヨジョンだからこそ、華やかな授賞式に参加する女優としてだけでなく、1人の人間として、これまでに感じてきたことを年長者の目線で語りかけているように映る。

一方、映画『ミナリ』は3月19日より日本でも全国公開されている。韓国だけでなく、世界の映画史に残るような名作だと称される本作をぜひご覧いただきたい。

提供・Danmee



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