ダルマラジカ(Dharmarajika)

ダルマラジカはガンダーラ文化の中心として栄え、僧院や仏舎利塔の集まるパキスタンにおける最古の仏教遺跡です。

そこに行けばどんな夢も叶うというよ!遥かに遠い愛の国ガンダーラ in パキスタン1.jpg
(画像=toshel、トリップノートより引用)
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(画像=toshel、トリップノートより引用)

マウリヤ朝のアショカ王によって2世紀ごろに建てられたこちらのストゥーパ(仏塔)は、基壇の直径が46mあり、タキシラ一帯では最大です。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

紀元前5世紀ごろ、お釈迦様が涅槃に入り荼毘にふされ、その遺骨(舎利)が8カ所の墳墓に納められましたが、のちに採掘され、84,000塔に分納されたそうです。その時の一つはここにあるといわれています。

こちらの小ストゥーパの方形基壇は、ガンダーラ様式の建築です。ギリシャの祭壇に似ていますよね。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

ガンダーラでは、基壇は仏像やストゥーパを支える台座として使用されています。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

祠堂の中には仏像がありましたが、残念ながら顔から上は破壊されています。ドレープの姿から、頭部もヘレニズムの色濃く反映されたものだったと思われます。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

シルカップ(Sirkap)

タキシラ北東部にあるシルカップは、紀元前2世紀ごろ、現在の北部アフガニスタンで栄えたバクトリアのギリシャ人によって建設された古代都市です。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

広く長いメインストリートを中心に、碁盤目状に都市が形成されており、日本で例えると札幌や大阪、京都のような規則正しいインフラ整備がされていたことを想像させます。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

寺院やストゥーパ、集会場、商店街や一般住居などが区画ごとに配置されていました。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

2000年前も同じように、地元の人が散歩しながらフルーツなどを物色していたのではないでしょうか。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)
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(画像=toshel、トリップノートより引用)

これら世界遺産の遺跡に限らず、タキシラ市街はどこも2000年前の都市がそのまま時を経たのではないかと思われる建築物や自然、人々に溢れていますよ。

以下より、そんなシルカップでの見どころを紹介します。

双頭鷲の仏舎利寺院

シルカップ一番の見どころである双頭鷲の仏舎利(ストゥーパ)は、ガンダーラの当時の状況を如実に表す重要な遺跡です。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

ギリシャ風基壇の正面階段ピラスター(付柱)に3つの門のような彫刻があります。ここには、左からギリシャ、ペルシャ、インドのレリーフが彫られています(中央はインドとの説もあります)。中央と右のアーチの上にいる双頭の鷲は、古代バビロニア王国に起源をもち、古代ローマ帝国皇帝のシンボルであったほか、オーストリア皇帝の紋章、現代ではアルバニアの国旗にも描かれています。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

東方からインド、西方からギリシャやペルシャの影響を受けたガンダーラは、それらの文明が入り混じる交差点であったことを、改めて知ることのできる貴重な彫刻です。

それにしても、こうやって様々な国の文化を並列し、それぞれの国に配慮する姿勢は日本に通じる面があり、少し笑えました。

貝塚

乾燥気候のガンダーラは、その他の遺跡と同様に少しずつぼろぼろと崩れている箇所があります。こちらは、遺跡中心部から少し離れていますが、壁面の土が崩れ、人骨らしきものが表面に突き出て下に落ちています。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

井戸

乾燥地帯ながら近くの大河インダスや、その支流に恵まれたガンダーラ地域は、掘れば水の出る豊かな環境でした。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

仏舎利塔

こちらは、インド亜大陸で最も古い仏舎利塔の一つです。地震で転がり、ここに落ち着いたそうです。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

Dionysus

シルカップで見つかった遺物には、ギリシャ神話に登場する神そのものの像もありました。こちらはDionysus。豊穣と葡萄酒(ワイン)の酩酊の神です。

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(画像=toshel カラチのパキスタン国立美術館展示品、トリップノートより引用)

流通コイン

また、シルカップからは多くのコインが発掘されています。現代と変わらない金銭の流通が、2000年前のガンダーラでも存在したのですね。

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(画像=toshel カラチのパキスタン国立美術館展示品、トリップノートより引用)

モーラ・モラド(Mohra Morado)

モーラ・モラドは、仏舎利塔と修道院のある、当時の偉人の集った僧院です。ここまでご紹介した平原にある遺跡と違い山々に囲まれており、僧侶たちは静かな場所で瞑想することができたそうです。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

仏舎利塔

モーラ・モラドには2基の仏塔があり、こちらはメイン・ストゥーパの方形基壇です。高さは、4.75メートルあります。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

修道院

中庭に儀式用のプールがあり、その周りに建てられた27の部屋を持つ修道院は、僧侶や学生が仏教を学び、修行する場所でした。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

こちらは、修道院の部屋に収められている、記念の奉納搭です。頑丈な青い鉄扉でカギをかけて閉められていることもありますので、管理人に言って開けてもらいましょう。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)
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(画像=toshel、トリップノートより引用)

奉納搭は高さが4mあり、台形を逆にしたこの場所に仏舎利を納めていたようです。その上には仏舎利を守る7重の傘。その下には半球形の鉢、さらにその下は、円形の基壇があります。仕切られたパネルには仏陀のレリーフがあります。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

そして、こちらの壁も特徴的です。大きな石と小さい石が等間隔で埋められ、強度を増す堅牢な石壁になっています。古来より大地震の起こる地域だったことが想像できますね。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

顔は破壊されていますが、仏陀のレリーフもいくつか残っています。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

タキシラ美術館

タキシラ一帯の遺跡出土品が展示されているタキシラ博物館は、パキスタンがイギリス領インド帝国の時代に建てられ、1928年に開館した古い博物館です。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)
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(画像=toshel、トリップノートより引用)

館内には、各遺跡から運ばれてきた仏像やストゥーパの台座などおよそ4,000点が展示されています。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)
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(画像=toshel、トリップノートより引用)
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(画像=toshel、トリップノートより引用)

筆者が世界中の遺跡を巡り感心するのは、どれほど古い時代のどのような場所でも、アクセサリーが必ず出土されることです。性別に限らず、好んでアクセサリーを身に着けていた様子が伺え、どれだけの時を経てもこれらの装飾品は愛されてきたのだと、シンプルに驚きます。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

タキシラへの行き方

中国を出発した玄奘は、天竺にたどり着くまで相当な年数がかかりましたが、筆者は文明の利器を使ってひとっとび。日本からパキスタンの首都イスラマバードまで、パキスタン航空の直行便があります。

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(画像=toshel、トリップノートより引用)

イスラマバードからタキシラへは、車で片道2時間弱です。タクシーを一日チャーターして周ると小回りに便利です。イスラマバードからそれぞれの遺跡は距離的に近いため、じっくり観光される場合でも3時間ほど見ておけば十分です。イスラマバード~タキシラ往復+タキシラ内周遊は、日本円2,000円程度で交渉するとよいでしょう。

さいごに

筆者が子供の頃に夢見た「大人になったらガンダーラへ行く」は、タキシラ(パキスタン)へ訪ねることで叶ったかたちとなりました。皆様の子供の頃の夢で、まだ叶っていない事があったら、ガンダーラへ出向いてみてください。どんな夢も叶うかも?


提供・トリップノート

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