大阪平野の真北に位置する勝尾寺(かつおうじ)は、源氏や足利氏など時代の覇者となった武将も祈願に訪れたという「勝運」のご利益があるお寺。そして、注目すべきは、山の斜面に堂や塔が点在する境内にいる大量のダルマ・ダルマ・ダルマ! 試験やスポーツの試合、仕事や病気などなど、人生のあらゆる場面で訪れる勝運祈願の機会、ここ勝尾寺の「勝ちダルマ」に祈りを込めてみませんか?
勝尾寺の歴史と名前の由来
勝尾寺は、727年善仲(ぜんちゅう)・善算(ぜんさん)兄弟が山中に草庵を構えたのが始まりです。その後、この二人を師事して光仁天皇の皇子である開成(かいじょう)が仏門に入り、ここに弥勒寺(みろくじ)を創建しました。
平安初期、第六代座主の行巡上人が清和天皇の健康を祈ったところ病が治ったため王に勝った寺=「勝王寺」という寺号を賜りました。しかし、寺側が王の名を頂くのは恐れ多いことを理由に「王」を「尾」に変え、現在の「勝尾寺」という名になったそうです。
それ以来、「勝運祈願」の寺として信仰が広まり、源氏や足利氏などの武将たちも参拝に訪れました。平安末期、源平争乱の際境内の建物は消失してしまいましたが、その後源頼朝や豊臣秀頼によって再建され、現在の姿に至っています。
カウント不可能!大量のダルマがお出迎え
御祈願の「勝ちダルマ」
戦の世ではない現在でも、仕事や試験、スポーツ、恋愛、病気などなど人生において何かに「勝ちたい!」と願う場面は沢山ありますよね。そんな時には「勝ちダルマ」の出番です。「勝ちダルマ」は勝尾寺の勝運祈願の象徴とされています。転んでも起き上がるダルマのように、どんな困難があっても「己に勝つ!」と念じることで勝運を掴み取ることができると言われています。
「勝ちダルマ」を購入したら、まずは、達成したい願いを背中に、そしてその先にある人生の目的を底面に書きます。そしてダルマの右目に目入れ。その後、無事願いが達成されたら左目を入れ、感謝を報告したのちダルマを奉納します。
奉納棚に並んだダルマは、多くの方々の願いが達成された証。そのパワーにぜひあやかりたいですね!
よく見ると一つ一つ表情が違う「ダルマみくじ」
奉納棚のダルマ以外にも、広い境内を歩いているとそこかしこに小さなダルマたちがいます。
これは、境内で販売されている「ダルマみくじ」(500円)の入れ物。中のおみくじを取り出したあと、参拝客の皆さんが境内に置いていったものです。
石の上や隙間、お賽銭箱の上、お堂の格子や瓦の上、とにかくもう数えられないほど沢山のダルマ・ダルマ・ダルマ!表情が少しずつ違うダルマたちが一斉に並ぶ姿は、もはや一種のアート作品のよう。
もちろん、必ずここに置いて帰らなければならない訳ではないので、境内のダルマたちの一員にするか、おうちに連れて帰るかはお好みでどうぞ。