真夏のように暑くなったり、またダウンジャケットを取り出しニットの帽をかぶったり気温の変化が大きい最近のパリ。しかし、最近は圧倒的に「春夏」を感じる日が多くなってきました。日は長くなり、公園や街路樹の花が美しく咲き乱れ、公園の芝生は青々とふかふかの絨毯に。
そんなパリを毎日歩いていると、街のあちこちにあるミニ花壇に咲いている花やハーブなどの植物の美しさに目を奪われて思わず立ち止まります。よく見てみると、それぞれの区画の様子が違うことに気づくのです。
パリ市民に花壇を貸し出す「植物栽培許可」システム
実はこれ、パリ市が一般市民に公共の場所を提供して、各個人が自分たちの花壇を持つことが許可される素敵なプロジェクトによるもの。公園や広場のような緑地地帯を除き、自分のアパート周辺の道や街路樹の木々の下など場所を決めて、「どこでどういうことをしたい」という栽培計画をインターネットから申請。申請が通ると3年間そこを自分の家の花壇のように植物を育てることが許されるというシステムなのです。最大12年間まで継続することができるんですよ。
この制度、花の都パリの通りに、自分だけの花壇スペースが持てるうえ、必要に応じて土やたねをパリ市から配給してもらうこともできます。日々の水やりや、定期的なメンテナンスに、お掃除などはその場所の責任者になった人の役目。この制度が始まってもう何年も経っているので、花壇の仕上がり度が増しています。最近は、歩けば「ここはこのプロジェクトのスペースなんだ」とひと目でわかるようになってきました。
常に空き待ち状態の自家菜園スペース
ちなみに、公共のスペースであればどこでも申請が通れば植物を育てられるこのプロジェクト以外にも、各区が小さな畑スペースを提供して自家菜園ができるプロジェクトもあり、そちらも大人気。順番を待っている人が多いため、なかなか空きが回ってきません。近所の自家菜園スペースを通るたびに、中を覗きながら「いいなぁ」と思って見ています。
なかなか順番がやってこないと言われる自家菜園システムに比べ、パリの街中から候補を選べる「植物栽培許可」システムは大きく門戸を広げ、多くのパリっ子の夢を叶えています。
市民自らの動きによって、街がどんどん素敵になっていく参加型のプロジェクト。区画ごとに趣が違う個人スペースを眺めながら、「世界中でどんどんどんどん広がっていったらいいのにな」と思います。
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