こんにちは、ファイナンシャルプランナーの池田昇太です。
筆者の身のまわりには、「投資に興味があるけど、何から始めれば良いか分からない」と話す人が何人かいます。
そんな人には「興味のある会社株などを少額で買うと良い」と伝えていますが、それでも始めの一歩を踏み出せない人が多いのではないでしょうか。
一歩踏み出せない理由は、投資に対する興味・関心が深くないからかもしれません。
そこでこの記事では、これから投資を考えている人が興味・関心を深められるよう、投資で収益を得る仕組みやメリット、初心者向きの投資方法などを解説します。
投資とはどういうものなのか
投資とは、自分の資産が減るリスクをかけて、資産を増やそうとする行為を指します。投資は貯蓄とは異なるため、目的に応じて使い分けなくてはなりません。
また、投資は「ギャンブルと同じ」「金持ちしかできない」などの誤解もあります。
それぞれ詳しく解説しましょう。
投資はコストをかけて収益を増やすもの
投資とはコストをかけて、収益増加を狙う行為です。
例えば、投資と聞いて多くの人がすぐに連想するのは「株式投資」ではないでしょうか。
株式投資とは、株式会社が発行する株式を購入し、利益を狙う行為。
株に投資すると、大きく3つのリターンが期待できます。
1つ目は、購入後に株価が上がり、売却することによって得られる売買差益。
2つ目は、会社の業績によって配分が変わってくる配当金です。
3つ目は、一定数以上の株を保有すればもらえる株主優待が挙がります。
他にも債券投資であれば金利が得られ、不動産投資であれば家賃収入が得られるのです。
しかし、投資にはリスクもあります。
例えば株などで売買差益を狙えると説明しましたが、株が購入時の価格よりも大きく値下がりすれば、当然ながら利益は出ません。
また、株や債券などの発行元が破綻したり、不動産であれば購入した物件に誰も住まないなどのリスクも考えられるでしょう。
このように投資は、リスクを取ってリターンを狙うのを目的とします。
投資と貯蓄は使い分けが重要
投資とはリスクを取り、リターン(つまり資産を増やす)を狙うことだと説明しました。
それでは、貯蓄とはどう違うのでしょうか?
投資は「資産を増やす行為」ですが、貯蓄は「資産を守る行為」です。
例えば1年後の旅行のためにお金を貯めたり、住宅ローンの頭金のためにお金を用意したりするのは、資産を守る行為なので貯蓄と呼びます。
貯蓄には、元本保証である金融商品の利用が適しており、銀行の定期預金、個人向け国債(国が発行する債券)の購入がおすすめです。
一方で、10年後の子どもに必要な大学進学費用を準備したり、老後資産を用意するため、長期間に渡ってお金を増やしたい場合は、投資と呼びます。
投資は元本割れするリスクをとってリターンを狙うので、株や投資信託などが適しているでしょう。
このように、資産を守りたいか、増やしたいかで、投資・貯蓄と呼び方が異なります。そして目的に応じて金融資産を利用することを「資産運用」と呼ぶのです。
投資に興味のある人は、今自分にはどういう目標があり、資産を増やしたいのか守りたいのかを明確にし、投資と貯蓄を使い分けましょう。
投資でよくある2つの誤解
投資と貯蓄は似たような意味であると誤解されやすい特徴があります。
他にも投資に関してよくある誤解が2つあるのです。
それは、「投資はギャンブルと同じである」「投資はお金持ちだけがやること」という意見。
しかし、投資はギャンブルとは明確に異なります。
投資の場合は、投資資金・目標金額・投資する金融商品の選定・想定利回り・投資期間などを決め、計画的に実施するのです。
加えて、投資期間中は必要に応じて投資先や資産配分などを替えて、計画に支障がないように調整します。
このような計画性の有無が、投資とギャンブルの違いです。
次に、お金持ちだけが投資するという誤解について。
確かに投資額が大きければ、その分大きな利回りが期待できますが、富裕層以外が投資に挑戦できないわけではありません。
投資は1000円単位といった少額からでも可能。
例えば投資信託であれば、証券会社によっては100円単位で始められるところもあります。
また、楽天証券であれば買い物などで貯めたポイントを使って投資することもできるため、誰もが投資に挑戦できるのです。
投資を始める3つのメリット
投資とはどういうものか説明した上で、次は投資のメリットについて3つ解説します。
貯金の見直しができる
メリットの1つ目は、現在自分がどれほど貯金があるか見直す機会になることです。
投資するためには、当然資金が必要になります。
実際に投資する前は、その資金がどれくらいあるかどうか確認するチャンスになるでしょう。
もし当面使う予定のないお金がたくさんあるのなら、リスクを取り過ぎない範囲で投資に挑戦してみるのも良いのではないでしょうか。
資産形成ができる
メリットの2つ目は、投資は資産形成ができること。
上記した通り、投資はリスクをとってリターンを狙う行為です。
元本が目減りする危険はありますが、上手くいけば資産を増やせます。
子どもの教育資金を用意したり、老後資金に備えたりなど、投資にはさまざまな目的で資産形成できる強みがあるでしょう。
年金の補填になる
3つ目のメリットは、年金の補填になることが挙げられます。
あなたは将来、どれくらい年金を受け取れると思いますか?
このように問いかけられた人の中には、「全然もらえないと思います!」「もらえるとは思うけど、今の年金受給者よりは少ない気がする」などと回答する人が多いのではないでしょうか。
将来の年金には期待せず、個人年金保険やiDeCoで将来に備えている人もいるのです。
投資も同じく、将来に備えるための手段の1つとなるでしょう。
もし若いうちから長期投資で資産を増やせれば、老後の生活費の足しにできます。
投資にはそのように、年金の補填にできる利点があるのです。
投資を始める際の3つの注意点
投資のメリットを知り、「さっそく投資に挑戦してみたい!」と感じている人もいるかもしれません。
ですがその前に、投資の注意点を3つお伝えしておきます。
投資をするには専門知識が必要となる
投資で利益を増やすためには、専門的な知識が必要だということを理解しておきましょう。
たしかに初心者でもできる投資はあります。
例えば積立NISAやiDeCoなど。
これらが初心者向きである理由は、投資先が国債や銀行の定期預金など、比較的低リスクであったり、国が厳選した投資信託に絞られているためです。
しかし、さらに利益を増やす場合は、専門的な知識が必要になります。
例えば株式投資であれば、企業の業績や財務状況を調べ、現在の株価が割安であるかどうかや、今後の成長が期待できるかなどを分析します。
またFXであれば、経済指標の発表でどのように為替が動くのか、現在取引通貨はどれほど取引されているのかなどを分析するのです。
このように投資で資産形成していくには、知識を身に着けていく必要があります。
投資さえすれば確実に収益を得られるわけではない
投資にはリスクが発生しますし、コストがかかる場合もあることを押さえておきましょう。
どの金融商品にもいえることは、「価格変動リスク」があること。
購入時よりも価格が下落し、含み損を抱える恐れがあります。
他にも発行元が破綻することにより価値が下がる「信用リスク」、市中金利が上下して価格に影響を及ぼす「金利変動リスク」、そして為替が動くことで発生する「為替変動リスク」などがあるでしょう。
このように投資では、確実に利益が得られるわけではない点にご注意ください。
投資によってリスクやリターンが異なる
投資の種類によってリスクやリターンは異なります。
例えば債券投資であれば、基本的には元本保証されるので投資した額を下回る危険は低めですが、得られる利益も小さくなります。
また、株式投資であれば元本を割れるリスクがありますが、株価が上がれば大きなリターンが得られるでしょう。
そして仮想通貨であれば、価格変動がとても大きく、前日比10~20%動くケースも珍しくありません。
予想通りに値動きすれば大きな利益になりますが、それとは反対の動きをすれば大きな損失になるでしょう。
このように投資は、種類によってリスクとリターンが異なります。
一般的にリスクが高ければ高いほど、得られるリターンも大きくなります。
そのため、自分がどれほどのリスクを許容できるのか把握しておくのが大切です。
投資入門に最適な「つみたてNISA」をはじめてみよう
以上の投資のメリットと注意点を押さえた上で、初心者におすすめな投資は「つみたてNISA」です。
つみたてNISAとは、投資で得た利益を一定額まで非課税にできる制度。
なぜつみたてNISAが初心者向けであるのか、どのように始めれば良いのかなどを解説します。
つみたてNISAが入門にぴったりの理由
つみたてNISAが初心者向けである理由は、以下の3つ。
・少額から始められる
・ノーロードである
・国が厳選した投資信託に限られる
まず1つ目は、少額から始められること。
つみたてNISAは、ほとんどのところで1000円単位から始められます。
そのため、投資初心者でも始めるハードルが低めです。
2つ目は、つみたてNISAで取り扱われている銘柄はノーロード(手数料無料)であることです。
つみたてNISAでの投資信託の買付・売却手数料は発生しません。
ただし信託報酬(投資のプロに運用を任せる手数料)は発生しますので、ご注意ください。
つみたてNISAの信託報酬は、0.09~1.5%ほどです。
このようにつみたてNISAなら手数料負担が軽いため、初心者の負担を少しでも軽減できる強みがあるでしょう。
3つ目は、つみたてNISAで投資できる銘柄が、国に厳選された投資信託に限られるため。
つみたてNISAの銘柄は、国によって「手数料が低水準であること」、「分散投資に適していること」などの基準で選定されます。
つまり、国から「初心者向けの銘柄である」とお墨付きをもらっている銘柄に投資できるのです。
それ以外の投資信託や株式、債券には投資できません。
つみたてNISAを購入する手順
つみたてNISAが初心者向けであると知り、興味を持った人もいるのではないでしょうか。
ここからはつみたてNISAを始める手順を解説します。
①証券会社へつみたてNISAの申込書類を提出
まず、証券会社へつみたてNISAの申し込みをします。
申し込みに必要な書類は以下の通り。
・NISA申請書
・本人確認書類の提出(マイナンバー、運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
なお、web上で手続きすれば、NISA申請書を取り寄せる必要がありません。
web上で必要事項を入力し、本人確認書類のデータをアップロードすれば申し込めます。
webで申し込めば最短2~7営業日で、郵送なら最短で7~10営業日で口座開設してくれるところがほとんどです。
②証券会社が税務署に申請する
証券会社が税務署にNISA口座の開設申請をします。
③つみたてNISA口座の開設の連絡を受ける
口座開設完了の連絡を受けます。
証券会社にログインしたり取引したりするのに必要な情報は、事前に証券会社から連絡されるはずですので、その情報を見てログインしましょう。
④証券会社に投資額を入金する
ログインできたら、さっそく投資に使う資金を入金してみるのをおすすめします。
入金方法はさまざまですが、ネットバンキングを利用した入金がもっとも早いと思われます。
⑤銘柄を選び、購入日と購入額を入力する
つみたてNISAを利用して投資する銘柄を選びましょう。
選んだら毎月何日に購入するのか、いくら購入するのかを決めます。
手続きが完了すれば、毎月決まった日に一定額の投資信託が購入されていくので、月に一度でも良いので確認してみましょう。
押さえておきたい購入のポイント
つみたてNISAを始める前に、押さえておきたいポイントを3つお伝えします。
ま1つ目は、年間の非課税投資額は40万円が上限であること。
40万円を超えた分の利益には、税金が発生しますのでご注意ください。
2つ目は、非課税期間は20年間であることです。
それ以降に発生する利益は課税対象となります。
3つ目は、つみたてNISAで投資しても損する可能性があること。
もしつみたてNISAを始めた時から、緩やかに相場が下がり始めれば、含み損を抱えることになります。
未来の値動きを正確に予想することは誰にもできません。
そのため、初心者向けと言われているつみたてNISAでも、損失が出るリスクはあるのです。
投資の不安や悩みはプロにチャット相談してみよう
この記事では、投資に興味のある人向けに、投資の基本的なことについて解説しました。
今回ご紹介したつみたてNISAも、預貯金と比べればリスクのある投資方法です。
また、資産運用の目的によっては、つみたてNISAではなくiDeCoなど別の投資手法が向いているケースもあるでしょう。
最初は不安だと思うので、「最悪なくなってもいいや」と思える資金で投資を始めてみてください。
それでもまだ投資に対して不安感が拭えない人は、お金のプロに相談してみましょう。
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