賭け麻雀で辞職した黒川善東京高検検事長の退職金が5,900万円というニュースを聞き、金額の高さに驚いた人もいたのではないでしょうか。実際に民間企業では退職金をどれぐらいもらっているのでしょうか。今回は民間企業の退職金を業種別にランキングにしてみました。
業種別退職金ランキング!意外と高い業種は?
民間企業の退職金の例として中央労働委員会が公表している「令和元年賃金事情等総合調査」より、業種別の最新退職金ランキング(2019年調査分)を見てみましょう。すべての業種でデータがあるわけではなく母数が少ない分もあるため参考程度に確認してください。
順位 | 業種名 | 定年時の退職金額 |
---|---|---|
1 | 石油 | 4,072万円 |
2 | 繊維 | 3,942万円 |
3 | 鉱業 | 2,902万円 |
4 | 新聞・放送 | 2,643万円 |
5 | 建設 | 2,583万円 |
6 | 百貨店・スーパー | 2,463万円 |
7 | 私鉄・バス | 2,419万円 |
8 | 銀行・保険 | 2,308万円 |
9 | ホテル・旅行 | 2,202万円 |
10 | 化学 | 2,174万円 |
11 | 海運・倉庫 | 1,752万円 |
12 | 機械 | 1,253万円 |
この調査データで判明している12業種の平均退職金額で最も高かったのは石油でした。4,000万円を超えている業種は石油のみです。2位は繊維で4,000万円を切ってはいますが、3,900万円を超えこちらもかなり高い水準です。給与が高い業種という印象はあまりない繊維業界ですが退職金はしっかりと出るようですね。
3位以降は、2,000万円台の退職金を受け取っている業種が続き、最下位には1,253万円の機械という結果になりました。機械業界は、残念ながら他の業界に比べても2分の1以下の金額しか受け取れないという厳しい数字となっています。
企業の規模や学歴でも退職金は大きく変わる
業種だけではなく企業規模でも退職金の金額は大きく変化します。さらに入社時の学歴が大学卒か高校卒かでも退職金の金額は大きく異なるのが特徴です。業種別のデータと同じく中央労働委員会の「賃金事情等総合調査」より、学歴ごとの平均退職金額と企業規模別の平均退職金を紹介します。
【学歴別の平均退職金金額(男性、中央労働委員会の調査】
大学卒 2,290万円、短大・高専卒 1,694万円 、高校卒 1,859万円
【企業規模別の平均退職金金額(男性の場合)】
- 大企業(※1) :大学卒 2,290万円、短大・高専卒 1,694万円 、高校卒 1,859万円
中小企業(※2):大学卒 1.203万円、短大・高専卒 1,107万円 、高校卒 1,127万円 ※1:中央労働委員会の調査対象:資本金5億円以上かつ従業員数1,000人以上の大企業
※2:東京都産業労働局の調査対象:従業員数300人未満の中小企業大企業でも中小企業でも大学卒と高校卒では、勤続年数は高校卒のほうが長くなりますが退職金は少なくなる傾向があります。また、大企業と中小企業では、特に大学卒の退職金が1,000万円以上の差が出ている点も大きな特徴です。こうしてみると入社時の学歴と就職先企業の規模によって退職金の支給額に影響があることが分かります。