ビジネマナーとは?
ビジネスマナーとは、仕事をする上で必要な礼儀作法のことを言います。職場には年齢や性別、価値観をも違う社員達が一緒に働いています。そのため、円滑な業務を行うためには、同僚や上司への思いやりや敬意を示す礼儀作法は必要不可欠なのです。
新入社員教育ではビジネスマナーを重点的に行なっているという企業も多くあります。新入社員がこれから戦力として活躍するためにも、企業がビジネスマナーの必要性を高く捉えていることがわかります。また、社員は会社の顔とも言えるため、ビジネスマナーが身についている社員が多いと企業のイメージアップにも繋がります。ビジネスマナーは社会人なら誰もが身につけておくべき、基本的コミュニケーションツールの一つです。
ビジネスマナーはどうして必要なの?
ビジネスマナーはどうして必要なのでしょうか。「ビジネスマナーなんて知らなくても自分は実力でなんとかなる」と思う人もいるかもしれませんが、ビジネスマナーが身についているのとそうでないのとでは大きな違いがあります。ここでは、そんなビジネスマナーの必要性について解説していきます。
信頼関係の構築
ビジネスマナーを身につけると、ビジネスの場面で同僚や上司との関係性が良好になり、信頼関係を構築することができます。組織で仕事をすることの多い企業では、組織にいる社員との良好なコミュニケーションや仕事に対する信頼性がとても重要です。挨拶ができない人や言葉遣いが不適切な人とは誰もが一緒に働きたいとは思わないはずです。また、上司が部下に大事な仕事を任せる際にも、基本的なビジネスマナーができない部下に仕事を任せるという上司は少ないのではないでしょうか。ビジネスマナーは一緒に働く同僚や上司との関係性を良好にして、仕事をより効率良く行うことに繋げるのです。
組織のイメージアップが業績に繋がる
どんなに企業のイメージが良くても、その社員のマナーが悪いと一気に企業のイメージが悪くなります。逆にビジネスマナーの基本が身についた社員が多いと、企業のイメージアップに繋がり、それが企業の業績にも関わってきます。例えば、同じ物を売っているお店が2つあった時に、丁寧な対応をしてくれる店員の店と態度の悪い係員のいる店とではどちらを選びますか?丁寧に接客してくれる店員の店を選ぶという人がほとんどではないでしょうか。企業にとって基本的なビジネスマナーが身についた社員がいるのといないのとでは、業績にも大きく変わるほど重要なのです。
おさえておきたいビジネスマナーの基本ポイント
ビジネスマナーの中には社会人として大切なマナーがたくさんありますが、中でもここはおさえておきたいビジネスマナーの基本ポイントを紹介します。今までビジネスマナーを意識したことなかった人も、まずはこの基本となるポイントを実践してみるだけで、一気にマナー美人に近づきますよ!
ビジネスマナーの基本ポイント①挨拶
挨拶はビジネスマナーの中でも最も基本といえます。また、挨拶は特に難しい知識や行動をする必要性のあるマナーではないため誰にでもできる事で、いますぐにでも実践できる基本的ビジネスマナーです。
挨拶をする時には、どんな場面でも自分から挨拶する事を心がけましょう。一般的に午前10時頃までの挨拶は「おはようございます」、それ以降は「お疲れ様です」を使います。(24時間業務を行なっている職種などでは、その日初めて挨拶する人には時間に関係無く全て「おはようございます」と使う職場もあります)
また、挨拶をする時の表情や目線の方向もとても大切です。相手をきちんと見て挨拶しましょう。全く見ていないのに挨拶されても、自分に挨拶しているのかわかりませんよね。また無表情で挨拶するのもNGです。相手に気持ちの良い挨拶が届くように心がけましょう。
ビジネスマナーの基本ポイント②身だしなみ
身だしなみは、相手を不快にさせないためにも大切なビジネスマナーの一つです。人は初対面の相手の第一印象をたった3秒で決めると言われています。これを「メラビアンの法則」と言い、コミュニケーションをとる際にどんな情報に基づいて印象が決まるのかを検証しています。
メラビアンの法則によると、人が第一印象を決めるのは見た目やしぐさなどの視覚による情報によって決めているそうです。また、その人の印象が決定されるまでの時間はたったの3秒であることから、清潔感のない服装やだらしない服装をしていたら、それがその人の印象となってしまうのです。人は一度印象づいてしまうと、なかなかそれを変えることは難しいものです。悪い印象を持たれないためにも、日頃から身だしなみはきちんと整えておきましょう。最近では、ビジネスカジュアルの服装でもOKという職場も増えていますが、清潔感を意識したコーディネートを心がけましょう。
特に気をつけたい基本の身だしなみチェックポイント
整ったヘアスタイル 手入れの行き届いた靴 香水は強すぎない シワやシミのない清潔感のある服装
また、おしゃれが大好き人は多いと思いますが、ビジネスシーンではおしゃれと身だしなみは違うということも理解しておきましょう。身だしなみは相手に不快感を与えない清潔な服装のことを言い、おしゃれとは異なります。ビジネスマナーでは、身だしなみを整えることが大切なので、おしゃれや個性はビジネスシーン以外で楽しむようにしましょう。
ビジネスマナーの基本ポイント③言葉遣い
正しい言葉遣いができるかもビジネスマナーの重要な要素です。社会人として相応しい言葉遣いができるかによって、社内外問わず印象を大きく左右します。特に敬語がきちんと使えることは、ビジネスの場面ではとても重要です。上司や取引先とのやり取りを円滑に行うためにも正しい言葉遣いができると信頼を得ることに繋がります。
敬語には「尊敬語」「謙譲語」「丁寧語」の3つの種類があることを知っていますか?それぞれをきちんと使い分けができてこそ正しい言葉遣いができるといえますのでしっかりと身につけたいところですね。
敬語の種類
尊敬語→相手の行動や状態を上位に置気、相手への敬意を高める言葉 謙譲語→自分の行動や状態をへりくだった言葉 丁寧語→「です」「ます」など言葉遣いを丁寧にする
敬語を誤って日常的に使っている人も多く、当たり前のように使っていた言葉遣いが実は誤った言葉遣いだったということもよくあります。いくらかしこまった言い方をしていても、誤った使い方をしていてはイメージダウンに繋がります。そこでよくある間違った言葉遣いの例を紹介しますので、参考にしてください。
よくある誤った言葉遣い例
例1 ×「こちらが書類になります」→○「こちらが書類です」 →「なる」は変化する物の表現です。書類は変化する物ではないため、変化を表す表現は不適切です。
例2 ×「お客様がおっしゃられたことは〜」→○「お客様がおっしゃったことは〜」 →「おっしゃる」と「られる」の敬語が二重に使われているため、「られる」は必要ありません。
ビジネスマナーの基本ポイント④お辞儀の種類と使い分け
挨拶をする時や謝罪する時、感謝を表す時など、ビジネスのシーンでお辞儀をする機会はとても多くあります。相手に気持ちを伝えるために、お辞儀がきちんとできることもビジネスマナーの上で大切です。普段何気なくお辞儀をしているかもしれませんが、お辞儀には基本となる3つの種類があります。それぞれを使い分けて綺麗なお辞儀を心がけることで、相手への誠意がより伝わります。
基本となるお辞儀の種類と仕方
・会釈→人とすれ違った際や簡単な挨拶をする時に使います。体を15度傾けて、目線は少し先の4〜5m先を見ます。 ・敬礼→多くのシーンで使うお辞儀で、取引先や目上の人への挨拶などに使います。会釈の時よりも少し深めに体を30度程度傾けます。目線は自分のつま先から2mほど先を見るようにすると自然なお辞儀ができます。 ・最敬礼→深い感謝や謝罪の気持ちを表す、最も丁寧なお辞儀です。体を約45度傾けて目線はつま先から1m先を見ます。
どのお辞儀も、腰から頭までを一直線になるように背筋を伸ばしてから、上体をそれぞれの角度に傾けます。背中から頭まで長い定規を背中に入れているようなイメージで、頭までまっすぐにすることがポイントです。また、頭だけ下がりすぎていると背中が丸く見えるため、頭の下りすぎにも注意しましょう。
体を傾ける時のスピードは早すぎずゆっくり行うようにして、それぞれの角度まできた時にしっかりと止めるとより美しいお辞儀になります。
鏡の前で横向きになり、角度や傾く時の速さなどを自分で確認しながら練習すると、3つのお辞儀が自然と体に染み込んで使い分けられるようになりますので、ぜひ自宅で練習してみましょう。