自分を信じること、人に感謝すること

作品紹介が長くなりましたが、私自身も『鬼滅の刃』の大ファン。息子と一緒に漫画を読んでおり、魅了された一人です。

最近は、授業やセミナーなどでよく『鬼滅の刃』を取り上げ、キャリアを考えています。なぜなら、自らの力でキャリアを切り拓いていくためのヒントが、この作品にはたくさん詰まっているからです。

主人公の炭治郎たちは、自分の能力や可能性を信じ、逆境を跳ね除け目標に向かって突き進んでいきます。

この、「自己効力感」(自分の能力を信じる力)は、これからの時代にキャリアを築いていく上では非常に重要なもの。

自分にとって望ましいチャンスを手繰り寄せて掴むためには、運もチャンスも努力も大切なのですが、「一歩前に出る」心構えが必要。

この「一歩前に出る」ことを可能にするのが、「自分にはできるかもしれない」という自己効力感です。『鬼滅の刃』の炭治郎や柱の姿は、自己効力感が高く、自らで道を拓いていくモデルとして適任だと感じています。

そして、炭治郎の考える力と感謝の心も非常に参考になります。

どんな状況に陥っても、他者を責めず自らを振り返り考える姿勢、周囲に感謝の思いを届け続ける姿。自分で考えに考え抜いて状況を打開し、人を味方につけていくので成功体験も多くなり、結果として自己効力感も高まります。

キャリアを拓いていくとき、一人でやっているように見えて、偶然の必然性で自分にとって重要な人や出来事に必ず出会っています。

その時、感謝の心を持っている人は、人に認められ受入れられ、チャンスが多くなり気が付いたときに、キャリアが拓かれていることが多いと考えています。

今年の4月に私が上梓した『「鬼滅の刃」流 強い自分のつくり方』(アスコム)にも、上記の考え方については詳しく紹介しましたので、興味のある方はぜひ手にとってみてください。

 

コロナ禍でも応用できる、不条理に立ち向かう術

今、新型コロナウィルス感染症によって、日本も世界も非常事態となっています。異例の事態に、多くの人たちが、不安、憤り、焦りを感じていることでしょう。

そんな方にこそ、『鬼滅の刃』を読んでみてほしいと思います。今の自分よりも遙かに理不尽で、死と隣り合わせの状況にある10代の子どもたちが、世の中を変えようと命懸けで戦う姿に勇気づけられます。

好きなこともできない、人生の選択肢も限られている、そんな人たちが懸命に前に進む姿には、私自身も感動させられました。

『鬼滅の刃』には先にもご紹介したように、理不尽に打ち勝つための努力をする人たちが大勢出てきます。状況は違えど、その点においては私たちの生きる現実と重なる部分もあるのではないでしょうか。

もちろん、エンタメとして最高に面白い作品なので、堅苦しいことは言わず思いっきり楽しんでください。でも、見た後、読んだ後に、今の自分に置き換えて考えてみると、ビジネス書を読むのと同じくらいの学びも得られます。

これからの仕事人生に役立てる何かを学びたいと思う方は、ぜひ、キャラクターたちがいかに困難を乗り越えるか、その姿勢と行動に注目してみてください。

そのときには、次の①~④のポイントを自分で洗い出してみると面白いですよ。

①キャラクターの性格と行動を分析(善キャラも悪キャラも)
②キャラクターのピンチの脱し方をピックアップ
③漫画が伝えたいメッセージは何か
④「癒し」のポイントを見つける

この4つを考えながら読むと、普段とは違ったものが見えて、自分にも参考にできることが見つかると思います。

4つ目の「癒し」のポイントを見つけるというのは、意外と重要です。漫画に気分転換やリラックスを求める人も少なくありませんし、真面目に読み続けると疲れてしまいます。

自分が笑顔になれること、気持ちが温かくなることを探す。お気に入りのキャラクターを見つけることも効果的です。シリアスな場面が続いても、ほっこりすることができて安心します。

なんとなく閉塞感を感じる昨今、『鬼滅の刃』から学びと癒しを受け取ってください!

提供・働く女のワーク&ライフマガジン『Woman type』(長く仕事を続けたい女性に役立つ、キャリア・働き方・生き方の知恵を発信中)

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