人生の中で一番高い買い物は住宅、その次が生命保険とよく言われる。実際、保険という目に見えないものに対して毎月保険料を支払い、結果的に10年、20年後の掛け金の総トータルは驚くほど高額になるケースが非常に多い。
そして総トータルの掛け金に対して、万が一の時におりる保険金額を把握されているだろうか。保険という商品は、病気や死亡といった万が一の時に、治療代としての補てんや残された家族にお金を渡すことが目的となるが、保険だけでなく預貯金や他の金融商品という形で残すこともできるので、対費用効果においては、その点も考慮する必要がある。
クルマと保険の選び方から学ぶべきこと
クルマの購入を検討する際には、いろいろな比較をした上で購入の決断を下されるだろう。例えば、車種はセダンタイプか、ワンボックスタイプか、軽自動車でよいのか、その使用用途が判断基準の一つになるかもしれない。さらにクルマの性能や内外装のデザインも重要な選択肢の一つとなりうる。さらに購入後の維持費や税金の面からは、ハイブリッド車が良いのか、軽自動車が良いのかを考えるだろう。
一方、生命保険を選択する時はどうだろうか。「保険の種類、加入した目的、万が一の場合に支払われる保険金額」を聞かれた時にすぐに答えられるだろうか。この質問にすらすらと答えることのできる方は少ないと思う。保険は目に見えない商品なので、具体的なイメージを思い浮かべることが難しいのもその原因の一つなのだろう。
クルマを購入した後、それをどのように使うかイメージすることは容易にできるが、保険に関しては、必要とする時がいつ来るかわからないので、その有用性が実感としてわかないところにあるようだ。
保険を考える際に必要な2つのプラン
そこで、自分が加入すべき生命保険のイメージをより具体化する方法が、「ライフプラン」と「アフターライフプラン」の作成だ。
ライフプランとは、自分が送りたい人生設計をもう一度描いてみて、それに必要な保障額を算出すること。アフターライフプランとは、自分が死亡後残された家族が不自由なく生きていくために一体いくら必要なのかを算出することだ。特に後者のアフターライフプランは、終身保険などの死亡保険に入る際に必要となるものだ。
この2つのプランをたてず、生命保険に新規加入したり、見直しをすることは、数字的な裏付けなくおおよそこれくらい必要かな、といった入り方になってしまう。特に配偶者やお子様がいらっしゃるご家庭では、残りの教育期間やどのような進路を考えているのか、住む家の心配はないか、などのきちんとしたアフターライフプランが必須である。
生命保険は、家族ごとのオーダーメードであるべきだ。なぜなら、生活パターンは、それぞれの家族で全く異なるからであり、それを考慮に入れず加入した生命保険は、いざというときに役に立たないものとなってしまう可能性が高いからである。