東京都の世田谷区は、蔵野の自然が今も残り、便利で住みやすく、芸術家が多く暮らす地でもあります。家族で訪れたい世田谷美術館と、ユニークで新しい文化発信が魅力でサブカル好きにも薦めたい世田谷文学館という、地域の特性を生かした2つの施設をご紹介します。
世田谷美術館
昭和32年開園の砧(きぬた)公園の一角につくられた美術館。幅広い層に向けて様々な手法で芸術を発信し、世田谷区ゆかりの作家をコレクションの柱にするなど、地域の魅力が感じられるのが特徴です。コレクション展では、近代の東京近郊の文化交流がよくわかります。
またアンリ・ルソーや北大路魯山人のコレクションが充実していて、魯山人作品がずらりと並ぶ展示は圧巻です。そんな世田谷美術館の、最新の見どころをピックアップ!
見どころ① 自然とともに楽しむアート
砧公園と一体化している世田谷美術館は、美術館の外にも見どころがたくさんあります。東京都で9番目の面積(約40万㎡)の公園のため、とにかく広い!単体でも大きな広場が、さらにいくつかの区画に分かれてつくられています。
遊具のあるスペースも複数あり、子どもだと一度だけでは制覇できないのではないでしょうか。また梅や桜が植えられているので、春先にはお散歩にもぴったりで、5月〜6月には敷地内にあるバラ園も見ごろになります。
美術館スペースにもそんな立地ならではのポイントが。それは野外作品です。建物近辺の屋外のあちこちに彫刻や立体作品が置かれていて、美術館の中に入らなくてもけっこうな数のアートを見ることができます。個性的な作品もあり、公園の自然にマッチしています。
美術館は比較的公園の入口に近い場所にあるのですが、外にも作品が点在しているのでなかなか美術館の中に入れない…!ということもあるかもしれませんね。
世田谷美術館を訪れるなら、あわせて公園もお散歩しながら野外作品を見て、自然とアートを楽しみましょう!
見どころ② 自然環境と建築が生み出す展示空間
美術館の内部は、小さい展示室が連なった変形の建物になっていて、「自然環境を存分に生かした建築」が特徴。開放的で、アートとの素敵な出会いの場を提供してくれる空間が見どころです。
展示室であっても外の景色が見える場所が多く、それをいかした展示がとても魅力的です。前庭の木をバックにしたガラス工芸の作品展示(写真下左)や、窓をそのまま活用したインテリアデザインの展示(写真上左)など、通常の箱型の美術館とは違った見どころがあります。
通路も半地下のように上から光が入るかっこいい空間になっていたり、日が差し込む渡り廊下のようになっていたり、周囲の自然の中に入り込んだような気分になれます。
2021年6月までは「二人のアアルト」という企画展が開催されています。アルヴァ・アアルトとアルノ・アアルトというフィンランドの建築家でありインテリアデザイナーでもあった夫妻の、洗練された北欧モダニズムデザインを堪能できます。
企画展の中身はもちろん、この場所ならではの魅力的な展示空間を満喫してみてください。
見どころ③ 充実のフードスポット
美術館の地下にあるセタビカフェでは、ガレットなどの軽食やスイーツをいただけます。地下といっても吹き抜けの中庭のようになっていて、のんびり過ごすのにも気持ちのよい場所です。子ども連れもたくさんいます。
もうひとつの併設店であるル・ジャルダン(写真下)は、ランチもディナーもリッチに過ごせるレストラン。中庭を眺めながら過ごせるというのも魅力です。
さらに、砧公園内にもフードのお店がたくさん!みんな大好きクレープをはじめ、コロッケサンド、タコライス、焼きそば、アイスクリームなどなど。そして砧公園にかけたたぬきがいる「きぬた焼」なるものもあります。
過ごし方それぞれに合うフードスポットが点在しているので、昼やカフェタイムを挟んでも充実した時間を楽しめること間違いなし!
世田谷美術館へのアクセス
車で来る人も多いですが、敷地内は自転車も走れるようになっているので、近隣の人は自転車ユーザーもけっこういます。公共交通機関なら、東急田園都市線の用賀駅または小田急線の千歳船橋駅からバスで15分ほどと、アクセスは整っています。
世田谷の自然とともにアートに出会える場へと、出かけてみてはいかがでしょうか。