『雪降花』に見られる、拭いきれない政治的ニュアンスとは
一方、『雪降花』は、民主化運動を背景にした作品であることから政治的なニュアンスが拭いきれず、フィクションやファンタジーへと特化できずにいる。
加え、女性主人公の配役名に使用された”ヨンチョ”という名前も懸念事項として挙げられている。 民主化運動、社会運動家、そして女子大生の”ヨンチョ”という設定は、ジャーナリストのソ・ミョンスク氏のエッセイ集『ヨンチョお姉さん』に登場する、実在人物である民主化運動家のチョン・ヨンチョを彷彿とさせるとの意見も見られた。韓国現代史に大きな足跡を残した人物が、北朝鮮のスパイと恋に落ちるというフィクションは、類を見ないブラック・コメディーだと、怒りに震える人も少なくないようだ。
『ヨンチョお姉さん』は、ソ・ミョンスク著者が大学の先輩だったチョン・ヨンチョと共に、1970年代の軍事独裁政権下で経験した悲惨な日常と心理を回想しながら記録した作品だ。
今回の議論を受け、『ヨンチョお姉さん』の出版社側は「『雪降花』に対する懸念は把握している。出版社の立場でも状況を重く見守っている」とし「放送前なので、具体的な立場を明らかにすることは難しいが、ドラマが放送されれば、エッセイ集『ヨンチョお姉さん』との類似性や著作権侵害部分について綿密に検討する」と立場を伝えている。
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南北分断を背景にした男女の悲劇的ロマンスは、非常に創意的な素材であることは明らかだ。しかし『愛の不時着』も『雪降花』も共にロマンスを描いた作品であるのだが、背景にあるテーマによって大衆の意識がこれほどまでに開いてしまった。 視聴者がドラマをファンタジーとして受け入れるには、重き背景を排除し”ロマンス”だけを描くことが最善のようだ。
提供・Danmee
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