総合商社・大手広告会社・TV局など年収ランキングでトップ10に入るような企業の多くは、40歳で年収1,000万円を超えるとされています。その先部長職ともなれば、2,000万円にも十分手が届きます。一方で、激務が当たり前ともいわれています。時給換算すると、果たして高年収企業は割に合うのでしょうか?

「年収2,000万円で多忙」と「年収1,000万円で残業なし」を比べると?

ここでは年収2,000万円のうち、残業時間と有給消化率の違いで時給はどのくらいになるのかを見ていきます。また、年収1,000万円で残業なし、有給消化率100%の場合の時給も計算してみます。

ケースA:1日8時間労働、残業時間がゼロ、有給取得率100%

【総労働時間】(365日-所定休日125日-年休20日)×8h=1,760h
【時給】2,000万円÷1,760h=1万1,363円

ケースB:残業時間が50時間、有給取得率50%

【総労働時間】(365日-所定休日125日-年休10日)×8h+残業50h×12ヶ月=2,440h
【時給】2,000万円÷2,440h=8,196円

ケースC:残業時間が100時間、有給取得率0%

【総労働時間】(365日-所定休日125日-年休0日)×8h+残業100h×12ヶ月=3,120h
【時給】2,000万円÷3,120h=6,410円

番外編ケースA’:年収1,000万円でケースAと同じ条件の場合

【時給】1,000万円÷1,760h=5,681円

「ケースCの時給は、ケースA’とほとんど変わらない」との試算結果となりました。つまり「残業ばかりで休みが取れない年収2,000万円」は、「残業ゼロで有給取得100%の年収1,000万円」と時給ベースではあまり変わりがないというワケです。実際には時間外労働の上限規制によって、ケースCのような働き方は現実的ではないものの、高年収でも時間外労働が増え有給を消化できない場合は時給が著しく下がるということがわかります。

では、残業ゼロのケースA’と多忙なケースCではどちらが幸せなのでしょうか。