まず人見知りするソボクとの初対面について。 「(会えて)嬉しい」と握手を交わすキホン(コン・ユ)に、「ミン・キホンさん?」と聞き返すソボクの中毒性ある独特な話し方が、これまで見たことのない新鮮なキャラクターの登場を予感させた。
初めて食べるカップラーメンにすっかりはまってしまい、3個完食したにもかかわらずもっと欲しいとおぼろげな視線を送るソボクと、それに当惑するキホンの表情も見ものだ。 また、時を選ばない質問攻撃や揚げ足を取るかのような言葉を返すソボクに頭を悩ますキホンの姿は、事あるごとにぶつかる”2人の予期せぬ同行”がどのように成し遂げられるのか、観客の興味を誘っている。
さらに、これまで実験室でスクリーンに映った海だけを眺めていたソボクが、初めて本物の海に向き合ったシーン。 「ソボクがあなたに何かをしてあげます」という言葉と共に、涙を流すキホンを慰めるソボクの姿は、いつの間にか距離が近づいた2人の関係を感じさせた。
ソボクとキホンが観客に届けるのは壮絶なSFアクションだけでなく、これまで描かれてきたブロマンスとは異なる”感性的なロマンス”も期待して良さそうだ。
それぞれが演じたキャラクターは、映画『徐福』で初めて披露したものではあるが、なぜか過去に出会ったことのあるようなノスタルジックな気分を誘う。
それはソボクが披露した、純粋、いや無垢とでも言おうか、真っ直ぐで曇りのない視線と表情が理由ではないだろうか。 ソボクが出会っていくすべてのことが彼にとってはほぼ初めてのものであり、それに対し目を輝かせながらも真剣な表情を見せている。その素直さから発展していく埒が明かない会話は、まるで幼い子と接してるかのような、何とも言えない愛らしい姿が垣間見える。
無垢であるソボクと、人生における光と影をすべて知っているかのようなキホンの対極的な存在感。これと共に描かれている、お互いを理解していく姿。これらをSFアクショと融合させ、観客にどのような感動を届けてくれるのだろうか。公開が待ち遠しい。
提供・Danmee
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