愛知県と静岡県の間にある鳳来寺山。鳳凰(ほうおう)というおめでたい鳥に乗って、この山の仙人が都で待つ天皇の病気を治しにやってきた、という由来を持ちます。この記事では、山頂近くにある鳳来寺と鳳来山東照宮についてご紹介します。
鳳来寺山(ほうらいじさん)と鳳来寺の伝説
鳳来寺山は、愛知県新城市にある山。秦(しん)の時代に渡来した中国人により”不老不死の霊薬が採れる伝説の蓬莱山(ほうらいさん)”だとされたことで、その名を冠しているとみる研究者もいます。開祖は仙人であり、その仙人が処方する妙薬を持って鳳凰に乗り都に赴き、時の文武天皇の病を治したという伝承があるほどです。
その鳳来寺山全体が境内になっている鳳来寺(ほうらいじ)は、夫広忠(ひろただ)公と共に参篭(さんろう)した於大の方(おだいのかた)が、待望のお世継ぎ・徳川家康を授かったお寺といわれています。本尊は薬師如来です。
山のふもとに参道入り口があり、鳳来寺まで歩くと1時間20分ほど。山頂有料駐車場に車を停めれば、約15分で参詣することができます。山頂をめぐる周遊トレッキングが約2時間半、ということですので軽登山服と靴で登拝(とうはい)してみるのもいいかと思います。
3代将軍家光が発願した鳳来山東照宮
山頂有料駐車場から坂道を歩いて10分ほど歩くと、鳳来山東照宮に到着します。
3代将軍家光が鳳来寺に参詣した際に、祖父家康の誕生由来を知って感銘を受け、ここに東照宮建立を発願され、4代将軍家綱の時代に完成したといわれています。
ここから、約20分で鷹打場展望台へ到着します。ただ社務所の方いわく、木々が生い茂ってきているので展望が開けるスポットが少しずれているようです。山道をゆくのですが、7歳の子どもでも登ることはできます。鷹打場展望台から、天狗岩展望台へ、さらに標高684mの鳳来寺山山頂へ向かっていき、大回りをして鳳来寺に降りる周遊をすることもできます。
山頂周遊をしなければ、東照宮から少し上るとすぐに鳳来寺に到着します。そこからまた少し行くと鍾楼(しょうろう)があり、参道の階段を下りていく途中に「胎内くぐり」の案内(詳細後述)があります。鳳来寺の裏手に”けものみち”のような道がありますが、階段から降りるのが無難です。がけ崩れの恐れもあるので一人で山に入るのは避けましょう。