「だんだん、むずむずしてくる」「落ち着かなくなってきた」など一体この気持ちはなに!?すっかりYou Tube業界でも人気ジャンルとして定着したのが“ASMR”です。「ASMRってなに?」「ASMRをもっと知りたい」という人に向けて今回はASMRの奥深い世界に耳を傾けてみましょう!
“作業用”や“睡眠用”に人気?
ASMRとは、Autonomous Sensory Meridian Response(自律感覚絶頂反応)の略です。主に聴いていて心地いい音を追求した動画ジャンルを指す言葉で読み方は、「エー・エス・エム・アール」「アスマー」などいろいろとあります。
例えば耳かきをしているときのカサカサ音であったり、ひげ剃りしているときのサリサリ音であったり……聴いていてなんとなく落ち着く音ってありますよね。
そういう音を収録した動画がASMR動画と呼ばれて人気を集めているんです!人気のジャンルとしては、上記の“耳かき”や“ひげそり”のほかに炭酸水やシェービンググリームなどの“泡の音”、スライムをたぷたぷ触る音、ささやき声などがあります。
さらに“咀嚼音”も定番です。咀嚼音と聞くと気持ち悪さを感じる人もいるかもしれません。しかしクチャクチャした咀嚼音ではなく、例えばポテトチップスをパリパリ食べる音や揚げ物のサクサク音は、食欲をそそられる人が多いのではないでしょうか。
いわゆる“シズル感”を耳で味わう……と考えると多少理解しやすいかもしれません。実際に咀嚼音ASMR界では、「パリパリ音」「サクサク音」を立てる食べ物が定番です。
「作業用」や「睡眠用」とタイトルに冠した動画がYouTube上に数多く投稿されていることから「なにか作業をしながら」「寝るまでのリラックスタイム」などにASMRを利用する人が多い傾向です。
静かすぎると逆に気が散ってしまうタイプの人にとってASMRはありがたい存在なのかもしれません。
ASMR動画を投稿するクリエイター“ASMRist”の中には、より臨場感あふれる音が収録できるバイノーラル録音を導入している人もいます。
人間の頭部を模したダミーヘッドマイクは、まるで本当に耳元で立てられているかのような音を録ることが可能です。しかし安いもので数十万円、高価なものだと100万円以上もするモノ!
それでも多くの動画クリエイターがダミーヘッドマイクを購入していることからASMRというジャンルの人気ぶりが分かりますね。
人気芸能人が出演するキャンペーンムービーにも
近年はYouTuber化する芸能人が増えてきていますが、芸能人がASMRに挑戦する例もあります。
デヴィ夫人のASMR
タレントのデヴィ夫人はバラエティ番組の企画でASMRの動画を制作しました。耳かき音やキス音(!)などバラエティ豊かな内容を投稿しています。また咀嚼音の動画で食べているのは、セレブ夫人らしい海ぶどうとキャビアなどです。
有村架純さんと渡辺直美さんのASMR
女優・有村架純さんとお笑いタレント・渡辺直美さんも化粧品ブランド「SK-II」のキャンペーン動画の中でASMRにチャレンジ。お互いささやき声ではあるものの楽しげに化粧水の箱を開封してカサカサ音を立てています。
福士蒼汰さんのASMR
俳優・福士蒼汰さんが出演した花王「リセッシュ 除菌EX プレジャーブーケ」のスペシャルムービーも「必ずイヤホンをつけてお楽しみください」と冒頭に表示されているとおりASMRを意識した内容です。
イヤホンで聴くといろいろな方向から福士さんの声が聴こえて臨場感がすごいです!左右の耳元でささやかれる疑似体験ができます。
鈴木奈々さんのASMR
タレントの鈴木奈々さんがお得意のリアクション芸を封印したWEB動画「鈴木奈々のASMRチャレンジ|パキシエル」も話題になりました。こちらは森永製菓のチョコアイスバー「パキシエル」の“パキッと感”を伝えるために制作されたもので、たしかに食感が特徴的な食べ物のプロモーションにASMRを利用するのは面白いですね!
ハーゲンダッツ ジャパンのASMR
商品プロモーションにASMRを利用した例としては、ハーゲンダッツ ジャパンが2020年1月に東京・渋谷で開催したイベント「Häagen-Dazs Crispy Sound Box(ハーゲンダッツ クリスピー サウンドボックス)」も挙げられます。
こちらではクリスピーサンドをかじるサクサク音で作られた音楽や、自身の咀嚼音を高性能集音マイクで収集・増幅する“ASMR集中カウンター”などのコンテンツが用意されました。
このようにASMRは2020年時点で大流行しているだけあって広告業界でも取り入れられています。ただし、付け焼き刃で動画を制作したところでマニアの心をくすぐることは難しい傾向です。
「BGMは邪魔なので必要ありません」のようなコメントをつける人も……どんなジャンルもまずは研究が大事ということですね。