近年、キャッシュレス決済が普及しデビットカードの利用者が増えています。現金がなくても買い物できることは知られているものの、クレジットカードと何が違うのか、デビットカードの魅力がよくわからないという人も多いでしょう。デビットカードには便利でおトクなメリットがたくさんありますよ。この記事では、デビットカードの特徴とメリットをわかりやすくまとめました。

デビットカードの利用者が増えている?

2クレジットカードみたいに使える?メリットいっぱいのデビットカード
(画像=oatawa/stock.adobe.com,『UpU』より引用)

近年、利用者が増えていると言われるデビットカード。実際に、どれくらいの人がデビットカードを持っているのでしょうか?

株式会社ジェーシービーが実施した「クレジットカードに関する総合調査2019」によると、調査対象の一般消費者3,500人(20代〜60代)のうちデビットカードの保有率は24.7%で、全体のおおよそ4人に1人が保有していることがわかりました。

また日本銀行が国内の「決済」活動を把握するために必要な主要指標をまとめている「決済動向(2020年11月)」によると、デビットカードの発行枚数は2015年から2019年の4年間で、約2,852万枚増加しています。決済金額では2015年が約7,747億円なのに対し、2019年は約1兆8,287億円となっており、この4年で約2.4倍に増加していることがわかります。

デビットカードを持っている人も、持っていない人も、デビットカードが一体どんなものか、あらためてチェックしてみましょう。

デビットカードってどんなもの?

3クレジットカードみたいに使える?メリットいっぱいのデビットカード
(画像=tiquitaca/stock.adobe.com,『UpU』より引用)

デビットカードは、手持ちの現金がなくても買い物などの支払いができるキャッシュレス決済の1つです。使い方はクレジットカードと同じで、お店の会計時に提示したり、ネットショッピングの決済時にカード情報を入力したりすることで支払いが完了します。

デビットカードには、銀行のキャッシュカードをそのままデビットカードとして使えるJ-Debit(ジェイデビット)と、国際ブランド(VISA、JCB、MasterCardなど)付きデビットカードの2種類があり、それぞれマークの加盟店で利用することができます。

とくに国際ブランド付きのデビットカードは利用できるお店やサービスが多く、クレジットカードと同様に利用金額に応じてポイントを貯めることができるほか、ショッピング保険などが付帯しているのも魅力です。

クレジットカードとの違い

4クレジットカードみたいに使える?メリットいっぱいのデビットカード
(画像=metamorworks/stock.adobe.com,『UpU』より引用)

ここまでの特徴を見てみると、「クレジットカードと何が違うの?」と疑問に思う人も多いでしょう。ここからは、クレジットカードとデビットカードの違いについて詳しく解説します。

・支払いのタイミング
利用した月の翌月以降に、利用代金が口座から引き落とされるクレジットカードと異なり、デビットカードは支払いと同時に口座から引き落とされる仕組みです。また、引き落としの時点で口座の残高が足りなければ決済することができません。

・支払い回数
引き落としの仕組みからもわかる通り、デビットカードの支払い回数は1回(一括)のみです。クレジットカードのような「分割払い」や「リボ払い」など、後払いや数回に分けて支払うことはできません。

・審査について
デビットカードには、クレジットカードのような審査がありません。金融機関によって、所定の審査を必要とするケースもありますが、一般的には銀行口座があれば申し込みが可能です。

このようなクレジットカードの違いも踏まえて、デビットカードのメリットを次のようにまとめてみました。

メリット1. 安心して使える

ここまで説明した通り、デビットカードの支払いは即時引き落としで、支払い回数は1回のみです。口座の残高以上に決済することはできないので"使い過ぎてしまう心配"や、支払いを分割することで"利息の負担が重くなる"ということも起こりません。

冒頭で紹介したジェーシービーの調査でも、デビットカードの主な利用理由(複数回答)のうち、約40%が「残高の範囲内で利用でき、使いすぎないから」と回答しています。

また多くのデビットカードでは、ショッピング保険や不正利用補償などが付帯されています。万が一、被害に合った場合も規約にそって補償されるので、安心して利用できるでしょう。

メリット2. いろいろな人が使える

デビットカードは原則審査なしで申し込めるのも大きなメリットです。収入がない学生や主婦、職業や収入面で与信審査に不安のある人など幅広い人の申し込みが可能です。

またクレジットカードの申し込み条件は原則18歳以上で、未成年が利用する場合には、親(親権者)の同意が必要となるのが一般的です。その一方で、デビットカードは中学生こそ申し込めませんが、満15歳もしくは16歳から申し込みできる場合がほとんどです。

ただし、申し込みにはデビットカードを発行する銀行の口座を持っている必要があります。子ども(高校生など)に口座を作ろうかなと考えている人は、このタイミングで銀行口座を開設して、デビットカードで毎月のおこづかいを管理する、ということもできるでしょう。

メリット3.家計管理がしやすい

デビットカードは利用と同時に、口座からお金が引き落とされることから、支払いと同時にお金を使う=現金のような感覚で利用できると言えるでしょう。

クレジットカードは後払いのため、家計を管理する際には「クレジットカードを利用したタイミングで記入する」か「クレジットカード決済(翌月など)のタイミングで記入する」かで悩んだことがある人も多いのではないでしょうか。

デビットカードなら即時引き落としでこのようなタイミングに悩むことなく家計を管理できるので、毎月の支出や残高がわかりやすくなるでしょう。

メリット4. ポイントがついておトク!

現金のように使うことができながら、ポイント還元や優待・特典を受けられるのもデビットカードのメリットです。

多くのデビットカードでは、クレジットカードのように利用した金額に応じて、自動キャッシュバックされたり、ポイントやマイルを貯めたりすることができます(還元率や利用特典はカードによって異なります)。

また前述の通り、ショッピング保険や不正利用補償が備わっているケースも多く、カードによっては施設の利用特典や、飲食店で割引サービスを受けられる場合もあります(年会費のかかるカードもあります)。

これから銀行口座を開設してデビットカード を申し込むという人は、ポイント還元や優待・特典を参考に選んでもいいでしょう。

デビットカードの注意点とデメリット

デビットカードには多くのメリットがありますが、次のような点には注意しておきましょう。

まずは、年会費についてです。金融機関によっては利用額が少ない場合など、一定の要件に該当すると2年目以降に年会費が発生するケースがあります。デビットカードを利用していないのに、年会費だけ発生してしまうともったいないですよね。年会費の有無はしっかりチェックしましょう。

また、使える店舗についても注意が必要です。冒頭でも触れたように、デビットカードにはJ-Debit(ジェイデビット)と国際ブランドの2種類があります。国際ブランド付きのデビットカードは海外でも利用でき、利用できる店舗も大変多いのが魅力的ですが、J-Debitは国内のみで、コンビニなどで利用できないのがデメリットです。

利用するシーンなどを踏まえて、自分にあったデビットカードを選ぶとよいでしょう。