劇場に、古着屋さんに、お洒落な飲食店に…賑やかな下北沢のお隣・新代田駅に、心静かに散策を楽しめる羽根木の街があります。樹木を伐採せず、自然を生かして造られた建物も多く、耳をすませば野鳥の声も聞こえてくるんです。

幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=『PARIS mag』より引用)

この街に、2020年4月にオープンしたドーナツ専門店『dear DONUTS(ディア・ドーナツ)』。1つ1つ手作業で具材を包み込み、手間暇かけて作られるドーナツは、ふわふわの食感と季節の味を楽しめます。「東京で一番おいしいドーナツ屋さんを目指したい」と話すオーナーの藤沢宏光さんと、パティシエの清藤后大さんに、ドーナツへのこだわりと、羽根木の街の魅力について伺いました。

手作業で具材を包み込む製法と、イースト発酵させたふわふわの生地がおいしさの秘密!

幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=『PARIS mag』より引用)

三浦半島の港町、三崎に本店があり鎌倉や逗子や葉山に店舗を構える『ミサキドーナツ』の姉妹店としてオープンした『dear DONUTS』の特徴は、“ハンドロールド・フィリングドーナツ”という作り方。成形して揚げたドーナツの外側にチョコやアイシングをコーティングする一般的な作り方に対して、こちらのお店では、手作業で発酵前の生地を伸ばし、その中に具材を包み込みます。

幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=ドーナツ生地の中にはクリームや具材がたっぷり!リッチな味わいを楽しめる、『PARIS mag』より引用)
幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=1つ1つ手作業で形成。「どこか懐かしい」と言われることもあるそう、『PARIS mag』より引用)

「生地を伸ばしてクリームやカスタード、チョコレートなどの季節の素材をたっぷり包み込んでから発酵させます。当店ではオールドファッション以外はイースト発酵させたパン生地を使っているため、ふわふわの食感が楽しめますよ」。

こう話してくれたのはパティシエの清藤后大さん。手作業での成形のため、「1日に200個作るのが限界」と笑顔を見せます。

幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=レモンピールが入った「レモンクリームチーズ」は、チーズケーキのような味わい、『PARIS mag』より引用)

人気商品は、レモンクリームチーズとティラミス、ホワイトキャラメルナッツ。パクリとひと口頬張れば、中に包み込まれたクリームや具材が口いっぱいに広がります。素朴な外観を裏切る贅沢な味わい。まるでケーキを食べているかのような充実感に満たされます。

幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=砂糖を使っていない生地が上品な甘さを演出し、飽きることなく食べられる、『PARIS mag』より引用)

日本橋の焙煎珈琲『カフェ・カルモ』にオーダーしたコーヒーは、ドーナツの味に合うようにオリジナルでブレンドしてもらったもの。コーヒーとドーナツを組み合わせれば、しあわせのスイーツセットの出来上がり。陽光射し込む明るい店内は穏やかな空気で満ちていて、思わずのんびりと長居してしまいそうです。

幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=開放感ある明るい店内。店の裏手には大きな樹木が見える、『PARIS mag』より引用)

緑豊かな羽根木の魅力に惹かれ、都心への出店を決意

幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=『PARIS mag』より引用)

「もともと都内に出店する予定はなかった」と話すのはオーナーの藤沢宏光さん。音楽プロデューサーを本業としてきた藤沢さんが、2012年に神奈川県三浦市三崎に『ミサキドーナツ』1号店をオープンさせた理由は、「少子高齢化が進む街に活気を取り戻したい」という想いからでした。

「商店街のシャッターがどんどん降りていく中、自分に何かできないかと考えた時に、子どもからお年寄りまで楽しめるものをと、ドーナツ専門店というアイデアに行き着きました。やるからにはおいしいものを作ろうという想いで、“ハンドロールド・フィリングドーナツ”の製法で作ったドーナツを販売することにしたんです」。

幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=パティシエの清藤后大さん(写真左)と、オーナーの藤沢宏光さん(写真右)、『PARIS mag』より引用)

店舗のプロデュースは初めてのことで、右も左もわからない状態からのスタートだったと話す藤沢さんの「街を賑やかにしたい」という想いとともに、ドーナツの評判は広まり、逗子店、鎌倉店、葉山店と展開していきました。

『dear DONUTS』開店のきっかけになったのは、『ミサキドーナツ』に通っていたこのエリアのオーナーさんからの誘い。東京への出店は考えていなかったそうですが、この場所を見て「いい街だなあ」と感じた藤沢さん。

「この建物があるエリアは、大きな木々を伐採せずに建てられていて、自然を尊重している様子が伺えました。都心でも、この街だけ景色も空気も違う――夏場はここだけ涼しく感じるほどです。その魅力に惹かれて出店を決意しました」。

清藤さんがここのパティシエを任されたのも、ミサキドーナツによく通っていたことがきっかけで声をかけてもらったとのこと。「近所に住まわれている方、働いている方がふらりと散歩のついでに立ち寄ってくださることが多いです。お客さんやお店同士の距離が近いのも羽根木ならではでしょうか。お客さんとの会話が、僕自身の癒しになっています」と話してくれました。

幸せのドーナツ!都心の森・羽根木で出会ったドーナツ専門店『dear DONUTS』
(画像=ホワイトキャラメルナッツは、くるみのヌガーを包んだゴージャスなドーナツ!、『PARIS mag』より引用)

店内をギャラリーとして活用することもあるそうで、定期的に絵画展や写真展を企画しています。「散歩のついでにふらりと立ち寄ったら、アートと出会った!そんな機会も提供できる場所になれたらうれしいです」と藤沢さん。

現在、ドーナツの種類は全部で約16種類。日によって変動はあるそうですが、月替わりのドーナツにも力を入れています。近日登場予定は、オレンジとホワイトチョコのドーナツとのこと。

緑豊かな羽根木の街で、『dear DONUTS』の揚げたてドーナツを頬張るひととき…。お腹も心も満たされる至福のおやつタイムになることでしょう。

■お店情報
dear DONUTS
住所:東京都世田谷区羽根木1-19-19羽根木インターナショナルガーデンハウスCT-03
営業時間:11:00〜17:00
定休日:水曜日


提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)

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