投資を始めるにあたって初心者が一番最初に注目するのは、各投資商品の特徴やリスだと思います。
しかし、商品について勉強していても利益を具体的に試算していない方も居るのではないでしょうか?
結果を完全には予測できませんが、投資では利益を試算しながら長期で運用するのが基本。
そして、投資で利益を上げるために見逃すことができないのが「複利」の効果です。
今回は、シミュレーションを元に複利の重要性を確認しながら、複利の効果を活かせる商品を見ていきましょう。
投資で稼ぐコツは「複利」の力にあり!
複利は単利よりも利益を大幅に拡大してくれますが、言葉で聞くだけではイメージが湧かないと思います。
そこで、実際に複利・単利で運用する際の利益を試算し、投資における複利の重要性を確認しましょう。
投資における「複利運用」の仕組み
まずは100万円を利回り3%の投資商品で5年間複利運用する場合を想定しましょう。
以下は運用結果を試算した表です。
運用期間 | 金額 |
---|---|
0年 | 100万円 |
1年 | 103万円 |
2年 | 106万900円 |
3年 | 109万2727円 |
4年 | 112万5509円 |
5年 | 115万274円 |
運用1年目は元金100万円に対して3%の利益が加算されるため103万円になります。
複利運用では利益に対しても利息が発生するため、2年目は1年目の利益分である3万円にも3%の利息が発生し、合計106万900円になります。
こうして利益が利益を生み、5年目には115万9274円となります。
投資における「単利運用」の仕組み
次に100万円を利回り3%の投資商品で5年間単利運用する場合を想定しましょう。
運用期間 | 金額 |
---|---|
0年 | 100万円 |
1年 | 103万円 |
2年 | 106万 |
3年 | 109万 |
4年 | 112万 |
5年 | 115万 |
1年目は複利の場合と同じく元金の100万円にのみ利率が発生するため103万円になります。
しかし2年目から差が表れます。
単利では、1年目の利益である3万円には利益が発生せず元金にのみ利率が生じるため、2年目も同じく3万円が加算されて合計は106万円となります。
毎年利息が3万円ずつ加算され、5年目には115万円となります。
複利と単利を比べると、運用益に1万円近くの差が出ているのが分かります。
これが複利の効果です。
長期運用をするほど大きな差が出るようになり、20年目では20万円弱の差が出ます。
複利と単利の利益差
複利と単利の利益差は、投資の運用期間が長いほど、そして利回りが大きいほど顕著に表れます。
利回りが1%の場合、10年目・20年目と時間が経っても差は大きくならず、最終的な利益の差は2万円程度です。
しかし3%の場合の利益差は20万円になり、5%の場合は60万円もの利益差が生じます。
また、5%の複利と単利の利益差の推移を見れば分かるように、複利は長期運用でより効果を発揮します。
複利を狙った投資をする際は、長期運用を心がけましょう。
2倍になる日はいつ?投資の複利効果を「72の法則」で計算しよう
投資における複利効果の強みは「72の法則」で実感することができます。
72の法則とは、元金が2倍になるまでの運用期間を計算できる方程式のことで
72 ÷ 金利 = 元金が2倍になるまでの運用期間
という式です。
例えば利回り4%の投資商品で複利運用をした場合、元金が2倍になるまでの運用期間は「72 ÷ 4% = 18年」と計算できます。
利回り4%で単利運用をした場合は、元金が2倍になるまで25年かかるため、複利効果は歴然です。
72の法則を使えば、運用年数から利回りを計算することもできます。
例えば12年間で資産を2倍にしたいのであれば、「72 ÷ 12年 = 6%」となり、6%の利回りによる運用が必要であると求められます。
投資で複利運用するメリット
複利運用のメリットには以下の点があります。
・単利より大きな利益を得られる
・長期運用のため、浪費を防ぐことができる
・自動で再投資するサービスがある
複利効果は基本的に長期運用で効果を発揮するため、投資する際は長期運用が基本となります。
そのため途中で現金化することが少なく、浪費を防ぐことができます。
また、複利の効果を狙った商品には自動で再投資するサービスがあるため、現金を再度投資する手間を省くことができます。
利益以外にも、浪費習慣の改善や投資の手間の削減という点でメリットをもたらしてくれるのが複利運用です。
投資で複利運用する際の注意点
メリットの多い複利運用ですが注意点もあります。
投資で複利運用する場合の注意点は以下の2つ。
・利回りは一定ではない
・長期で資金が拘束される
この記事のシミュレーションでは一定の利回りでの運用を想定しましたが、実際の利回りは一定ではないため、常に利益を出し続けることは難しいでしょう。
リーマンショックやコロナショックのように、ショック時にはさまざまな投資商品の利回りが低下し、場合によっては損失が出ることもあります。
投資は想定通りにはいかないという事を認識しておきましょう。
また、複利運用では長期運用を狙った商品に投資するため、すぐに現金化することは難しくなります。
無理のない範囲で投資し、資産を全額投資に回さないようにしましょう。
複利運用はどんな投資に適している?
複利の効果を狙った投資は、おのずとその手段が限られてきます。
例えば頻繁に売買する株式投資や、チャートを見て判断するFXは複利運用とは言えません。
ここからは、複利の効果を最大限に発揮できる投資方法を見ていきましょう。
長期的な投資
複利運用は長期運用で利幅が大きくなります。
時間がたつほど元金に対する利幅が拡大するため、1年で得られる利益も毎年上がり続けていきます。
そのため複利運用をする場合は、利益をすぐに現金化せず再投資に回しましょう。
複利運用は、老後資産準備などを目的とした長期的な投資手法が適しています。
積立投資
最初にまとまった金額を投じて運用するのも良いですが、積立投資にすることで複利のメリットをより活かせます。
20年間の複利運用の場合、2年目に積み立てた元金は19年間、3年目の積立額は18年間もの間、複利の効果を享受できます。
長期運用の投資商品には毎月の給料の一部を自動的に投資に回すような商品もあり、複利運用は積立投資と相性が良いと言えます。
税金対策も忘れずに!投資の複利効果を最大に得られるサービス
せっかく複利で得られた投資の利益も、税金対策をしなければ目減りしてしまいます。
手数料だけでなく税金も利回りの計算に含めなくてはなりません。
実は個人の投資を呼び込む目的で、投資の利益が非課税となる仕組みが国によってつくられています。
制度を上手く活用して税金対策をしましょう。
最大20年間運用益が非課税「つみたてNISA」
つみたてNISAは最長で20年間、毎年40万円を限度に積立運用した投資の利益が非課税となる仕組みです。
非課税枠は毎月最大で3万3333円となります。
例えば毎月3万円を積立てながら2%の利回りで10年間運用した場合、利益の総額は40万円程度です。
通常の投資信託・株などの投資では利益に対し20.315%の税金が課されるため、この場合は現金化の際に約8万円の税金が課されます。
一方で、つみたてNISAの枠内で投資をした場合は非課税となるため、約40万円の利益をそのまま受け取れるメリットがあります。
非課税対象の範囲が広い「iDeCo」
iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、自分で決めた方針に従って積立金を運用する仕組みです。
原則として60歳までに現金化することはできず、運用資金は老後に一時金か年金の形で受け取れます。
iDeCoも節税対策として有効な制度です。
毎月の掛金が所得控除の対象となるほか、運用益も非課税となります。
参考に、年収500万円の人が月々2万円をiDeCoの掛金に設定した場合の節税額をシミュレーションしてみましょう。
利回り3%の商品で30歳から60歳までiDeCoでの投資を行ったと仮定します。
以下は、職業別に節税額のシミュレーション結果をまとめた表です。
職業 | 自営業 | 会社員 | 公務員 |
---|---|---|---|
年間節税額 | 7万2000円 | 4万8000円 | 2万9000円 |
節税額合計 | 216万円 | 144万円 | 86万円 |
職業によって節税額が異なるのがiDeCoの特徴。
公務員の場合、掛金の上限が月1万2000円までのため節税額は少ないですが、自営業の場合の掛金上限は月6万8000円で有効な節税手段となります。
自営業の老後の手当は、会社員や公務員に比べ手厚くはないため、それを補うためにも複利運用ができるiDeCoを使ってみてはいかがでしょうか。
複利計算が苦手でも大丈夫!ロボアドバイザー投資なら全自動
複利運用は長期間の投資で結果を出せるようになります。
長期の投資では事前に利益を予測しておくことが望ましいですが、投資商品が複数ある場合や、毎年の利回りが変動する場合は複利計算が複雑です。
複利計算などの投資の手間を削減したい人は、ロボアドバイザーを活用してみましょう。
ここではおすすめのロボアドバイザー投資を3つ紹介します。
おすすめ1.WealthNavi(ウェルスナビ)
主な投資先 | 米国株、米国債券、日欧株、不動産、金など |
特徴 | ・リスク許容度、目標金額の設定から運用プランを決定 ・50か国1万1000銘柄に分散投資 |
最低投資金額 | 10万円 |
手数料 | 年率1% |
WealthNavi(ウェルスナビ)は、ノーベル賞受賞者が提唱する理論に基づいて運用するロボアドバイザーサービスです。
利用者は最初の診断と目標金額の設定を行うだけで自動で投資してくれます。
自動で積み立てるため時間をかけずに複利運用ができます。
米国株、米国債券の比率が高いのが特徴で、世界50か国へ分散投資をするポートフォリオが組めます。
最低投資額は10万円と他のロボアドバイザーより高めですが、積立は月1万円から可能です。
手数料は資産額に対して1%で、3000万円以上の場合は0.5%まで軽減されます。
全体的なバランスの良いロボアドバイザーです。
おすすめ2.THEO+docomo(テオプラスドコモ)
主な投資先 | 米国株ETF、中国株ETF、米国債券ETF、金ETFなど |
特徴 | ・資産運用のプロと経済学者が監修 ・231通りの運用法から本人に合うものを採用 |
最低投資金額 | 1万円 |
手数料 | 年率0.65~1.00% |
ETF(上場投資信託)に特化したロボアドバイザーがTHEO+docomo(テオプラスドコモ)です。
ETFとはさまざまな株・投資商品への投資信託を商品化し上場させたもので、通常の株と同じように市場で売買が可能です。
株価は会社の業績によって上下しますが、ETFは投資先が分散されているためリスクが低く、長期での運用に向いています。
THEO+docomoの手数料は50万円以上の投資で年率0.8%、100万円以上の投資で年率0.7%と、元金を積み立てるほど軽減されるため、複利を狙った長期運用には向いているかもしれません。
おすすめ3.LINEワンコイン投資
主な投資先 | 米国株、日欧株、新興国株、先進国債券など |
特徴 | ・500円から始められる積立投資 ・LINE Payから自動で引落とし |
最低投資金額 | 500円/週 |
手数料 | 年率1% |
LINEワンコイン投資は、週1回の積立投資で運用するロボアドバイザーです。
LINE利用率の高い若者をターゲットにしているため、1回あたりの最低積立金額が500円と低く設定されています。
毎月2000円から始められるため、他のロボアドバイザーよりもハードルが低いのではないでしょうか。
普段使っているLINEと同様のインタフェースなので簡単に操作でき、毎回の積立もLINE Payに登録している銀行口座から自動引落としされます。
少額で手軽に投資したいという方におすすめです。
複利を活用した投資で効率良く資産を増やそう
この記事では、投資利益を増大させる複利の効果から複利運用を活用した投資方法まで紹介しました。
複利運用による投資は長期で考えなければなりません。
長期間安定的に運用するには低リスクの手法をとる必要がありますが、投資方法の選択に手間や時間をかけたくないですよね。
複利効果を狙った投資をしたい人は、お金のプロやロボアドバイザーを活用してみてはいかがでしょうか。
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