京都市バス「建勲神社前」または「千本鞍馬口」より徒歩5分の閑静な住宅街。京都の古い建物が残る、趣のある場所に『GOLCONDA(ゴルコンダ)』という小さなお店があります。『GOLCONDA』は香りにまつわるアイテムと、モロッコ雑貨を中心とした世界の雑貨を扱うお店。ここでしか手に取ることのできない、コンセプチュアルで想いがギュッと詰まった素敵な香水や雑貨が並んでいます。

誰かのためでなく、自分のために身につける香り。京都西陣『GOLCONDA』
(画像=『PARIS mag』より引用)

『GOLCONDA』は親子2人で経営しているお店です。それぞれの好きなことや得意なことを生かしながら営んでいます。

心身を整える香りの世界

誰かのためでなく、自分のために身につける香り。京都西陣『GOLCONDA』
(画像=『PARIS mag』より引用)

『GOLCONDA』の香りにまつわるアイテムは、お母様である由香さんがコンセプトを考えたり、実際に調香を行います。アロマテラピーなど香りに元々興味があったところ、その起源や歴史を追求していくことで、ますますその世界にハマっていったそう。

誰かのためでなく、自分のために身につける香り。京都西陣『GOLCONDA』
(画像=ポーションセット「Sensuelle potion」、『PARIS mag』より引用)

「香りの歴史ってものすごくおもしろくて、例えば『PARFUM』の語源が、そもそも“PAR”が『通す』、“FUM”が『煙』という意味なんです。昔の人が樹脂などを炊いて、その煙が天に上る様を『PARFUM』と呼んだそう。すごく神聖なものからきているんですね。そういうことを知れば知るほど、深みにハマっていきました(笑)。ファッションとしてというよりは、心身を整えたり、魂を癒したり、活気づけたりするものとして私たちは香りを扱っています。香りは人が生活をはじめた時から共にあるもの。心の支えになり得るものだと思っています」。

実際にいくつかの香りを嗅がせていただきましたが、『GOLCONDA』の香りはスッと体の中に入ってくるような、不思議な感覚を覚えました。

誰かのためでなく、自分のために身につける香り。京都西陣『GOLCONDA』
(画像=「TAROT et PARFUM」。タロットカードや香水のパッケージは娘さんがデザイン、『PARIS mag』より引用)

また、『GOLCONDA』の商品は、タロットカードを表現した香りだったり、マリーアントワネットのバスサシェを再現したものだったり、ここでしか出合えないコンセプチュアルなものばかり。どのように生み出しているのかお伺いすると、

誰かのためでなく、自分のために身につける香り。京都西陣『GOLCONDA』
(画像=季節によってハーブが変わる「ハーブセット〈マリーアントワネットのLe bain de modestie 慎ましき入浴〉」、『PARIS mag』より引用)

「人や言葉からイメージしたものを香りで表現することが多いです。例えば、『Desperate』という香水は、まずその言葉に惹かれ調べてみたら古いラテン語で『絶望』という意味だったんです。それを踏まえて、その言葉の美しさと『絶望』を香りで表現しました。絶望というのはネガティブな印象が強く残る言葉ですが、絶望した後に本当の真実があるのではないかと。そうイメージで、香りも移り変わるように調香したんです」と由香さん。

誰かのためでなく、自分のために身につける香り。京都西陣『GOLCONDA』
(画像=『PARIS mag』より引用)

香りの魔術師のような由香さんのもとには、自分に合う香りを見つけたいと思っている方や、香水が大好きな方など、遠方から足を運ぶ方も多いそうです。マスクにサッと香りをかけたり枕に軽くシュッとしたり。誰かのためではなく、あくまでも自分をリラックスさせるために使うことが香りを楽しむコツだと教えてくださいました。

自分の手でアンティークにする楽しさを

誰かのためでなく、自分のために身につける香り。京都西陣『GOLCONDA』
(画像=『PARIS mag』より引用)

『GOLCONDA』では、ものに溢れた現代だからこそ、何代にも渡って使い続けてもらえるようなものづくりを目指しています。「少し前まで大量生産大量消費が一般的で、あまりモノを大事にせず、使い捨てる風潮があったと思うんですね。すごく違和感を抱いていました。私たちは洋服でも10年20年着て、モノを使い続けることによって創られる思い入れがあると思っています。人が使い込むことによってアンティークになっていくというか。長く連れ添うことが喜びや心の豊かさにつながると思うんです」。

『GOLCONDA』で扱っている雑貨の買い付けや企画は娘の麻里子さんが担当しています。旅をすることが好きで、たまたまモロッコを訪れた際にモロッコの人々に魅了されたそう。

「初めてモロッコに行ったのは5日間くらいの短い旅だったのですが、その道中で出会った活き活きとした人々やエキゾチックな雰囲気にすごく惹かれました。モロッコには古くから大切に引き継がれてきたものがたくさんあるんです。しかも、ただ置いてあるのではなく、日常的に使い倒しているのに、すぐに壊れたりしない。むしろ、愛着が湧いて良くなっていくところがすごいなと思いました」。

誰かのためでなく、自分のために身につける香り。京都西陣『GOLCONDA』
(画像=『PARIS mag』より引用)

『GOLCONDA』の雑貨はすべて、実際に自分たちの目で見て厳選したもののみ。実際に現地に足を運び、買い付けをしています。

「コロナ前までは年に2回ほどモロッコへ行き、自分の目で見て仕入れをしていました。1年の3分の1くらいはモロッコに滞在していましたね。こういうモノが作りたいと言って、職人と一緒にオリジナル商品を作ったりもしています。私たちのお店はすごく小さいので、他のお店でも買えるものではなく、必ず自分たちの目で見ていいと思ったものや職人に直接お願いしたオリジナルの商品のみを取り扱っています」。

誰かのためでなく、自分のために身につける香り。京都西陣『GOLCONDA』
(画像=『PARIS mag』より引用)

「私たちは言葉で説明することが苦手なので、香りやモノで表現しているんだと思います」と、おふたりの言葉がとても印象的でした。お店に置いているモノすべてが繊細な美しさを持っているのは、おふたりの内から出てくるものだからしれません。

店頭に並ぶ香りにまつわるアイテムやモロッコ雑貨は、すべてオンラインショップでも購入できます。買い付け商品は1点ものの場合があるので、ラインナップはその時々。ぜひ、『GOLCONDA』でしか出合うことのできないオンリーワンのアイテムを覗いてみてくださいね!

■お店情報
GOLCONDA
住所:京都府京都市北区紫野南舟岡町46-46
営業時間:11:00~18:00
定休日:火・水・木

 

提供・PARIS mag(シンプルで上質なライフスタイルを提案するWEBマガジン)

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