「20年前にはなかったけど、今はたくさんある食品は何ですか?」 と聞かれたら、何て答えますか?

答えの一つが、「減塩食品」です! ここ数年、減塩食品の市場は増加傾向であり、ゆるやかな「減塩ブーム」とも言えます!

でも、みなさん、 ・自分が1日にどのくらい食塩を摂取しているのか、知ってますか? ・食塩の摂取基準量は分かりますか? ・「減塩食品」には、食塩の代わりに何が入っているのか、知ってますか?

今日は、知ってそうで実はよく知られていない、「減塩」に関するお話です!

さて、前回の記事(参照:塩味の基礎知識~味噌汁に入れる最適な食塩の量は?~)では、

・食塩とは、塩化ナトリウム(NaCl)のこと ・ナトリウム(Na)と塩化物(Cl)が、塩味に影響を与えていること

を学びました。

次は、「減塩」に関して学んでいきましょう!

「減塩」とは?

新一「ねえねえ、減塩って、何のことか分かる?」

蘭 「ハァ? ”減塩”って、塩を減らすことでしょ?漢字を見たら分かるよね?バカなの?バカなんですか?まあ、過去の記事を読んでたら、あなたが味覚オタクでバカなことは分かるけど。とりあえず、こんなところでくだらない記事を書く前に、小学校に入り直したら?」

新一「バーロー」

蘭 「そういや、この前、Barで隣に座ってたジンっていう黒ずくめの男に、頭の良くなる薬もらったんだった!新一に飲ませてあげるよ!」

新一「おい、やめろよ!ひい、助けてー。ああ、体が小さくなっていくー。」

~20年後 ~

コナン「阿笠博士、助けてくれよ、早く薬の成分を見つけて、元の体に戻してくれよ!」

阿笠博士「まあまあ、そう焦るな!焦りは禁物じゃぞ!」

コナン「そうはいってもよー。もう、20年間くらい小学生のままなんだよ。早く大人になりたいよ」

阿笠博士「スマンのー」

灰原「あら、私はもう、薬の成分を見つけたわよ」

阿笠博士「なんじゃと?さすが灰原くんじゃ」

コナン「バーロ―。早く教えろよ」

灰原「あら、せっかちね。まあいいわ、教えてあげる。薬の成分は”減塩の塩”よ」

減塩食品がおいしい理由は?~食塩摂取基準と塩味増強技術~
(画像=『味覚ステーション』より引用)

阿笠博士「あれ?変じゃぞ?減塩って、塩の量を減らすことじゃないのか?塩そのものが ”減塩” ってどういうことなんじゃ?」

灰原「博士、なんにも知らないのね。これを見て」

減塩食品がおいしい理由は?~食塩摂取基準と塩味増強技術~
(画像=『味覚ステーション』より引用)

灰原「ほら、食品の栄養表示には、”ナトリウム” の量が書いてあって、その下に”食塩相当量” って書いてあるでしょ」

阿笠博士「ふむふむ」

灰原「これは、“ナトリウム量” から計算(換算)して”食塩” の量を割り出しているのよ」

阿笠博士「・・・ん?どういうことじゃ?」

灰原「つまり、減塩は ”ナトリウムの量” が大事ってこと。正確には、”減塩” は ”減ナトリウム” のことなのよ!」

小五郎「なにー!!」

※補足説明~なぜ減塩が必要なのか?~

食塩は、塩化ナトリウム(NaCl)のことです。

つまり、食塩には、ナトリウム(Na)と塩化物(Cl)が含まれているのですが、この両方を減らすことを「減塩」というのではありません。減塩は、「ナトリウム」だけを減らすことです!

なぜなのか? それは、「なぜ塩分を摂り過ぎちゃダメか?」を考えてみると分かります。

塩分を摂り過ぎる ⇩ 血中のナトリウム濃度が高くなる ⇩ 血圧が高くなる ⇩ 高血圧症、腎臓疾患、脳卒中、心疾患等になるリスクが高くなる!

つまり、塩分の摂り過ぎによるナトリウムの摂り過ぎが、健康に良くないのです! (塩化物(Cl)は多くても問題ない)

食塩は、1日にどのくらい摂取しても良いの?

厚生労働省による「日本人の食事摂取基準」によると、

・食塩摂取量は、年々減っている ・でも、まだ食塩を摂り過ぎている

ことが分かります。

減塩食品がおいしい理由は?~食塩摂取基準と塩味増強技術~
(画像=『味覚ステーション』より引用)

<食塩摂取基準> ・男性:1日あたり8g未満 ⇒ 実際の摂取量は11.0g ・女性:1日あたり7g未満 ⇒ 実際の摂取量は9.2g

なお、既に高血圧の方は、食塩を1日6g未満にすることが推奨されています。

なぜ食塩摂取量は年々減少しているの?

蘭 「これならコナン君にも分かるわよね!」

コナン「蘭ねえちゃん、ボク、トイレ!」

阿笠博士「コホン、わしが代わりに答えよう」

蘭 「もうー。コナン君はすぐにトイレにいっちゃうんだから!」

阿笠博士「なぜ年々食塩摂取量が減っているのかと言うと、多くの人に減塩の必要性が広まり、”減塩食品”が増えていることが理由の一つじゃぞ」

蘭 「さすが博士、すごーい」

灰原「さすが博士、何にも面白くない、いたって普通の回答ね」

減塩食品がおいしい理由は?~食塩摂取基準と塩味増強技術~
(画像=『味覚ステーション』より引用)

最近は、いろんなお店で、減塩商品を見かけるようになりましたね!

蘭 「コナンくんは、どこで減塩食品を買うの?ホームセンター?」

コナン「蘭ねえちゃん、普通の人は、ホームセンターで食品は買わないよ」

蘭 「でも、コナン君、ホームセンター好きだよね。名前もホームセンターっぽいし」

コナン「それは、コナンじゃなくて、コーナンだよ」

蘭 「そっかー、間違えちゃった。てへ」

灰原「・・・・・。」

減塩しても美味しくなる技術(塩味増強技術)は何があるの?

阿笠博士「減塩が、”ナトリウムを減らすこと” というのは分かった。でも、ナトリウムを減らしたら、塩味もなくなって、おいしくないんじゃないのかね?」

灰原「そうね。ただ、ナトリウムを減らすだけじゃ、美味しくないわね」

阿笠博士「じゃあ、どうするのかね?」

灰原「ナトリウムを減らしても、塩味を強く感じさせるような技術が、近年報告されているわ。特許にもなっているわよ。つまり、発明ね」

阿笠博士「なんじゃと?発明ならワシも得意じゃぞ」

灰原「減塩食品に対する塩味増強技術は、大きく3つが有名よ。博士、何か分かる?」

阿笠博士「3つの発明品じゃな?もちろん分かるぞ。①腕時計型麻酔銃、②蝶ネクタイ型変声期、③塩味力増強シューズじゃ」

コナン「バーロ―。塩味力増強シューズって何だよ。キック力増強シューズだろ」

灰原「・・・・・。」

※補足説明~塩味増強技術とは?~

ざっくりいうと・・・減塩食品、例えば減塩の味噌汁に、塩以外の何かを入れると、しょっぱく感じるよ!っていう技術(知見)のことを、塩味増強技術といいます。

実は、この塩味増強技術は、特許や文献に、数えきれないくらいの情報があります。

今日は、私がいろんな文献を見て感じた、特に効果が高いと考えられる塩味増強技術を3つピックアップします!

<1.塩化カリウム> 塩化カリウムはKClのことで、食塩(塩化ナトリウム)のナトリウムをカリウムに変えたものです!

ナトリウムとカリウムは、特徴や大きさも似てますし(元素周期表でも近くにある)、 食塩(塩化ナトリウム)と塩化カリウムの味も、似てそうな気がします。

減塩食品がおいしい理由は?~食塩摂取基準と塩味増強技術~
(画像=『味覚ステーション』より引用)

しかし!! 塩化カリウムは、えぐ味(苦味)が少しあるのが難点です。(個人的には下表のような味のイメージです)

減塩食品がおいしい理由は?~食塩摂取基準と塩味増強技術~
(画像=『味覚ステーション』より引用)

でも、多少のえぐ味を感じるとはいえ、 「食塩以外で塩味を感じるものといえば?」と聞かれたら、「塩化カリウム」と答えるのが最もポピュラーだと思います。

上述した「減塩の塩」に入っているのも、この塩化カリウムです。覚えておきましょう。

<2.アルギニン> アルギニンは、アミノ酸の一種です。

「元気になる」「精力がつく」とも言われており、よくエナジードリンクに入っています。(参照:必須アミノ酸、ペプチド、BCAAって何? ~アミノ酸の味・構造・効果~)

「アルギニンを入れると塩味を強く感じる」ことが、多くの文献にて報告されています。

<3.うま味成分> グルタミン酸ナトリウム、タンパクエキス(かつおエキスなど)、酵母エキス、など、一括りにすると「うま味成分」も、塩味を増強することが広く報告されています。

「うま味+塩味」で味の相乗効果があることが関連していると考えられます。

以上です!

今日は茶番が多かったせいで長ったらしい記事になってしまいました。申し訳ございません。

真実はいつも一つ!でも、塩味を増強する技術は、たくさん!

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本日のまとめ

・「減塩」とは、ナトリウムの量を減らすこと ・多くの減塩食品では、食塩(塩化ナトリウム)の代わりに塩化カリウムが入っている ・いつまでも子供でいられるのは羨ましいです。長生きする為にも減塩しましょう!
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提供・味覚ステーション